Sotto voce (^-^)

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Non vedo l'ora!

藤田嗣治展

2006-08-20 18:49:18 | 美術館
広島県立美術館に藤田嗣治展観に行きました。
意外にも「世界のフジタ」の初めての展覧会だそうで。
私のフジタの絵に対するイメージは「乳白色の肌」「猫」「自画像」。それからひろしま美術館のきんきらの三連祭壇画。
でも作品にも増して印象的なのはパリでの成功と日本でのバッシング。戦争画の責任取らされて日本を去ったこと。フランス国籍とって洗礼受けてレオナール・フジタとして生涯を終えたこと。
祖国に裏切られた不幸な画家としか知らなかった、私の知らないフジタの魅力満載の97点でした。

第1章「エコール・ド・パリ時代」
パリで凌ぎを削るいろんな画家の影響を受けながら画風を模索し、ついに乳白色の肌でパリ画壇の寵児となった時代。初期の作品には、キュビズムやモディリアーニっぽいものもあった。
そしてお馴染みの「裸婦」「猫」「自画像」。何かの番組で見たけどあの乳白色の肌は墨で縁取られて更にその白さを際立たせるとか。油絵に水性の墨をどうやって載せているのかは未だに解明されていないそうだ。自画像にはそれを裏付けるように硯が描かれている。今まで自画像見ても猫にしか気づかなかったけど、殆どの作品に硯がある。それにしても猫!なんてふわふわなのっ。

第2章「中南米そして日本」
墨色の線描から色彩の濃淡によって表現した時代。私にとって馴染みの薄い作品群である。戦争画も知識では知っていても実際目にするのははじめて。
「アッツ島玉砕」ホントにフジタなの?迫力ある構図と兵士の表情。
ディエゴ・リベラに触発されて始めた壁画。
中南米、沖縄、彼が訪れたさまざまな場所で出会った人々が力強く描かれていた。

第3章「ふたたびパリへ」
再び乳白色の時代。
まず「優美神」に目を奪われた。この作品だけじゃないのかな?裸婦の足元に多種多様な花々。はじめて見るフジタの花は写実的で繊細で瑞々しい。裸婦の手にしている花に思わず手を伸ばしたくなる。
絵タイル。「小さな職人たち」の連作。その中にモナリザ発見。なんだかユーモラスで可愛らしかった。
たくさんの宗教画。彼の描く宗教画はなにかほのぼのして漫画ちっくなユーモアがある。
最後に目にとまったのが「マドンナ」。ハル・ベリー似の黒人の聖母の周りに可愛らしい黒人の天使たち。美しさについ見入ってしまいました。個人蔵となっていたのでこの機会を逃さずまた見にいかなくては。

はじめてフジタの絵が一堂に会している貴重なこの絵画展。本当に見応えがありました。
6月にひろしま美術館に行ったとき、この絵画展に三連祭壇画を貸し出している関係で、京都国立近代美術館から裸婦の絵がレンタル展示されてました。白い背景に横たわる裸婦。私の好きな1枚です。まだあるのかな?ひろしま美術館にも近いうちに行かなくては。
藤田嗣治展。会期中にもう一度行こうと思います。

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