Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

ドローイング877. 小説:小樽の翠786.ふくらはぎ

2024年06月01日 | field work

 小樽のクロッキー教室の日である。ジェシーが札幌からやってきてモデルさんを勤めている。寒くは無いから裸婦でも、この季節はラクチンなんだそうだ。帰りにジェシーを駅までエスコートしてゆく。
ジェシー「アチキ・・、女の下半身ってどう思う?」
「はぁー・・。」
ジェシー「だって腰が描けないわか足だけ描きたいとか、参加者達はいろんな事をいってるよ。」
「そうかあ、モデルをしていると教室の会話がよく聞こえるのだな。」
ジェシー「休息時間に耳を澄ますと聞こえるじゃん!。」
「何々!、女の下半身だって・・・。」
ジェシー「うん、描く側はどう見てんだろって関心を持った。」
「やっぱ足って格好いいんじゃないですか・・・。」
ジェシー「じや、顔は入らねぇーのかよ!!。」
「そういうわけでもないが、足って男も女も形は似ているよね。内臓がなくて筋肉と骨だから構成は男女同一だよ。だから男が男装しても足だけなら容易に女風に化けることが出来るかもしれない。」
ジェシー「うーーん、私より綺麗な足の男っていたもんな。細くてさ・・」
「だから足だけだとジェンダーなんだけど、その上の骨盤まで含めると、やはり女のホディだよ。」
ジェシー「女は骨盤とセットだねぇー。」
「骨盤は決定的に違うから、セットなら女になるか・・。」
ジェシー「日本の谷崎が女のふくらはぎに色気を感じていたらしいよ。」
「瘋癲老人日記だな。和装の女のむっちり膨らんだふくらはぎが、階段を上がるときに着物の下から見え隠れする様が色っぽい事を発見したのだろう。」
ジェシー「足だけなら女装の男でもいいわけだな。谷崎は男の足と見間違ったら、文学になるかなぁー。」
「ジェンダー文学かい?」
ジェシー「そんのないか・・・。」
「ところでスーパーのお肉は?」
ジェシー「閉店前に安いステーキを買わなければ・・・。」
そういって肉を調達して小樽駅へ向かった。
ジェンダー、ジェンターと呟きながら・・・。
・・・
夜も午後9時を回ると、人出は少なくなる小樽駅前だ。
アチキも、翠の家へ帰ろう。
今日は、ふくらはぎから攻めるかなぁー・・・。
「まあ、そうなる。」


コメント
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