Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

エッセイ728. 救急キット

2024年06月19日 | field work

 いつも持ち歩くリュックの中に救命救急キットを入れている。心肺蘇生用のマウスの他三角巾や消毒薬など、ダイビングのテキストにしたがって入れてある。
 もちろんマスタースキューバダイビング・ライセンス取得の時は、救命救急のほかに、水中で水没したダイバーの人命共助と心肺蘇生方法の実習をさせられた。水中で発見し人工呼吸をしながら船に運び、ひきあげる訓練だ。人間は重たいから、そんじょそこらの力では揺れる船に引き上げることはできない。浮力と波の動きを勘案しながら一気に引き上げるわけだ。
 そんなわけで、ライセンス取得には必須科目なので救命救急のスキルを勉強した。そしていちおう最低限の救命救急キットを揃え、いつも持ち歩くリュックの中に入れてある。
 最初の頃は、これでいつでも人助けが出来る意気揚々としていたが、そんな救命救急を必要とする場面に街では遭遇しないのよ。交差点で鈍い音がしても、車同士の物損事故ですか・・・。まあ警察を呼んで事故証明をもらったら後は保険会社同士の話し合いですかねぇー・・、とこちらは冷淡だ。
 エスカレータで老人が後ろにひっくり返っても、回りの人が助けおこし、駅員も駆けつけてくる京都である。老人は足をさすりながら去っていった。多分打撲だろう。救命救急キットの出番はない。
 こんなことを書くと、矢先に救命救急キットの出番が登場しそうだから、あまり書かんほうがよいか。
 そんなわけで、今日もまた救命救急キットをリュックの隅に押し込んでいる。使わなければ幸いなのだ。
 因みにわが国は、グッドサマリタン法を批准しているので、助けようとした場合に救命でこちらに過失があっても法律的には問われない。助けようとする行為は、コモンセンスの範囲なのである。何も出来ない無知な野次馬でいるよりは、現代人ならば少しは勉強をしておきたいと思ったわけだ。


iPhon13pro
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