食事のプロデュース

食べ物を食べることを【食事】と言います。
食事の目的は、生きていくうえで、必要な栄養をとることなんですが、人生における大きな楽しみのひとつでもあります。
人は美味しいもんをいただくと、五感に響きいつまでも心に残るもんです。
食事のひとときをより素晴らしくするには、ロケーションも大事な要素です。我が家での団欒、知人宅に招かれ、野外で、お洒落なレストラン・ホテル、居酒屋、料亭…実に様々です。
それと同時に、楽しむには一緒に食事をする相手も重要です。自分一人、家族、友人、仕事関係、恋人、会の集まり…いろいろと考えられます。
そして、心を込めて作られた料理と気配り。これからの季節、空腹で底冷えの時分に、熱々の蕪蒸しやクリームシチューなんかをフゥフゥしながらいただくと、心に沁みて身体の芯まであったまります。満喫できる食事のひとときは、いろんな要素が重なって完成するのです。
料亭の場合ですと、日本建築の屋形、僅かにお香の薫る中、亭主の思いを込めた掛物や花があり、料理を出すタイミングを計りながら、器もじゅうぶん考えて気を配り、一品一品心を込めて作っていきます。亭主はトータルアートのプロデューサーなんです。