京料理 道楽のブログ

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《鮎の話》

2010-05-24 | Weblog
琵琶湖の鮎は、成魚になっても小さいままで、あんまり大きなりません。
この鮎を他の川に移したら、おっきくなると唱えたのが、石川千代松博士です。
明治時代のことで、当時は石川博士の説は、ほとんどの人に信じてもらえなかったようですが、栄養分の違いからか、不思議なことに、琵琶湖の小鮎は大鮎へと変わっていきました。やがて琵琶湖の鮎は、広く各地の河川に移植されるようになります。それから、海産の稚鮎の移植も、全国で行われるようになりました。
鮎の一生は、秋に川で生まれて、海(湖)に移り、春までは動物性プランクトンを食べて成長します。春に川に戻ってからは、珪藻のみを食べるので、やがて鮎特有の豊かな香りを有するようになるのです。秋に産卵を終えたら落鮎となり、ほとんどはここで儚い一生を終えます。
かつて野洲川で梁(やな)にかかった鮎をたんと炊いて、いただいたときの美味しさがよみがえってきました。
今年ももうじき解禁となります。