京料理 道楽のブログ

道楽の新着情報や、日常のちょっとした一言を書き込んでいきます。

《さくらんぼ》

2010-05-05 | Weblog
さくらんぼが店先に並ぶ季節となりました。
太宰治の「桜桃」という短編があり、39歳の若さで心中した命日は「桜桃忌」と呼ばれてます。
「父は、大皿に盛られた桜桃を、極めてまずそうに食べては種を吐き、食べては種を吐き、そうして心の中で虚勢みたいに呟く言葉は、子供よりも親が大事。」

いろんな種類のさくらんぼがありますが、ぼくはやっぱり大粒の佐藤錦が好きです。
夕席では、沖縄や宮崎の大きい完熟マンゴーと佐藤錦を盛り合わせた水物をお出しする事が多くなりました。

《鯉のぼり》

2010-05-05 | Weblog
ぼくは、文部省唱歌の「鯉のぼり」を聴くと、季節に合うた素晴らしい歌詞やなぁと思います。

♪甍(いらか)の波と雲の波
重なる波の中空に
橘(たちばな)かほる朝風に
高く泳ぐや鯉のぼり

甍とは屋根瓦のことで、屋根と雲の間で、橘の薫りを運んでくる朝風を受けながら、空を泳ぐ鯉のぼり。

ぼくのちっさい頃は、大抵の家に物干しがあって、必ずこの時期には、竿を立てて鯉のぼりをあげてました。街の至るところに鯉のぼりがあがり、竿には赤い緋鯉と黒い真鯉などが泳ぎ、上で矢車がカラカラと回って、それは賑やかな光景でした。ぼくは、この詩を聴くと、何故だか日本の古き良き時代を思い出します。

毎年五月五日には、菖蒲湯に浸かります。菖蒲の芳香はいかにも邪気を祓い、身を清めてくれる感じがし、心落ち着きます。青々とした菖蒲の葉を束ねたんを見てると、ちっさい頃に、菖蒲を挿した新聞紙の兜をかぶってほたえた後、鯉料理や粽を食べてた記憶が蘇って、懐かしい気持ちになります。