[用例研究 186] 〈 who/接觸節〉
(BLONDIE By Dean Young & Stan Drake © 1991 King Features Syndicate Inc.)
1 I have no respect for employees who are afraid to stand up to me.
2 Really?
2 Really!
3 In that case, you’re the one who lost us the Arnold account.
4 Now there’s a man I respect.
4 boom
[解説]
1
・employee: [implɔií:] (アクセント注意)
・afraid to-不定詞(~): 「~することを恐れてゐる」「(結果を心配して)恐くて~できない」
□參考例文
186 I was afraid to talk to you.
私はこはくて君に話しかけられなかつたのです
・stand up to~: 「~に恐れず立ち向かふ」「(衝撃など)にびくともしない」
3
・In that case: 「その場合には」。[意味把握チェック]では「それなら」としてみました。
・you’re the one who ~: 會議の場で、Arnold 社との(取引)話をだめにしたのは誰なのかが話題になつてゐるところに、Dagwood が「あなたがその人(/該當者)だ」と指摘してゐるのでせう。「あなたがArnold 社との(取引)話を失はせた人だ」と Dithers 社長に向つて言つてゐるのかと思ひます。
この文のかたちが Elvis Presley 1950年代のヒット I was the one の冒頭にあつたことを思ひ出します。I was the one who taught her to kiss ... とはじまる歌詞でした。elvis presley i was the one で檢索すると今でも YouTube でこの曲を聽くことができます。
3
・lose~: 「~を失はせる原因となる」「~を失はせる」
□參考例文:
186 The incident lost him the seat.
そのできごとで彼は議席を失つた。
・the Arnold account: 「Arnold 社との(取引)話」と解しました。
4
・there’s a man I respect: I respect は「接觸節(a contact clause)」と呼ばれます。文法書では「關係代名詞の省略」として扱はれてゐることがあります。
there’s a man だけでは何のことかわかりませんので疑問に思ふでせう(a man つて?)すぐに I respect と續き、a man I と名詞が重なることに意外に思ふとともに respect の目的語がブランクになつてゐる(/無い)ことに氣づきます(誰を尊敬するのか?)。そこから目的語は前出の a man ではないかと察し、「私が尊敬する人物」といふ意味に解されるのではないか……私見ですがこんな意識の流れがあるのかと想像します。
・boom: (擬聲語)
[意味把握チェック]
1 「ワシを恐がつて立ち向かはない從業員への尊重はないな(/敬意は抱かんな)」
2 「ホントに?」
2 「本當ぢや!」
3 「それなら(言ひますが)、Arnold 社との(取引)話をウチに失はせ(る原因となつ)たのはあなたですよ(/あなたの所爲でArnold 社とウチの社との(取引)話がだめになつたんですよ)」
4 「さあ、ワシが尊重する人物がゐるぞ(/人物だ)」