英文讀解自修室

  - in the historical Japanese kana/kanji orthography

・熊本大學 2009 (3) 2パラ

2011-09-26 | 出題英文讀解

【第2パラグラフ】

2.1  But there is a danger concerning these approaches, in thinking that all we have to do is design better, greener products to replace those we already consume, and then convince people to buy them.

 

【讀解のポイント-かたちからのアプロウチ】

・構造がわかりにくい長い文の讀み方:長い文を正確に讀むには、前から順に、數語單位で、意味的かたまり(と覺しきもの)を、頭にはふりこんでゆくやうにするといいでせう。文構造の理解には近道はありません。さまざまなタイプの文(おそらく200種くらゐがひとつの目安になるかと思ひます)について短例文で學び、できれば暗記し、併せて文法や語法を學ぶのが良いやうに思ひます。(たとへば5月18日から毎週水曜日に假定法について説明いたしましたが、難しいとされる假定法も10あまりの例文で基本パターンを網羅することができ、それらを暗記すると理解が容易になります)

  2.1の文についてこの方法を試してみませう。大雜把にでも意味をつかむことができればいいのです。

  ここでは、まづ「危險がある」と言つてゐます。どんな危險か……「これらの手法に關して」危險があるみたいです。「~と考へることに於いて」とあります……接續詞 that の次には<S(主部)-V(動詞)>が續くと豫想できます。おそらく、「<~が…である>と考へることが危險なのだ」といふのでせう。

  Sは all we have to do です。Vはis です。この all (S) have to do is~は、「~しさへすれば可い」(←「(S)がしなければならないすべては~(だけ)である」)といふ意味の構文でした。これは all that關係代名詞)の節がつづき、that が省略されてゐるものと考へるとわかりやすいのですが、あとで[用例]を紹介します。何をしさへすれば可いのか……「より優れた、より環境にやさしい製品を立案すること」とあります。何のためでせうか……何かを「置き換へるため」のやうです。「私たちが既に消費してゐるものと置き換へるため」です。

  次に convince が續きます。動詞には主語があるはずですが、省略されてゐます。主語は何でせうか?前出の動詞 consume と竝べると意味が變ですし、コンマは打たないでせう。コンマのところで一息入れて、前のはうを眺めてみますと、動詞 design がみつかります。「立案して、人々に購入するやうにつよく勸める」と解すれば、意味が通ります。

  要するに、「~しさへすればいいと考へるところに危險がある」と主張してゐることがわかります。筆者は、環境に良い製品をつくつて、人々がそれらをつかふといふ手法に否定的であることがうかがへます。

 

[語句]

2.1

 

concerning

(前置詞)~に關して ※文尾には使はれません

 

[意味] 2.1  既に消費してゐるものと置き換へるべく、より優れてゐて、環境を損はない製品を案出して、次いで人々につよく勸めて買はせさへすれば可いのだと考へるところに、これらの手法に關する危險がある。

 

 

2.2  I call this idea “the Swap.”

 

[意味] 2.2  私はこの考へを「the Swap(取り換へ)」と呼ぶ。

 

 

2.3  It’s sort of a middle stage on the road to a better future, where people have accepted that something must change, but not yet realized that everything must change.

 

【讀解のポイント-かたちからのアプロウチ】

 

[語句]

2.3

 

sort of

(意味をぼかして)いくぶん / 多少 / 何だか

 

[意味] 2.3  それはより良い未來に到る道の中間段階といつたもので、その段階では人々は、何かが變はらなくてはいけないといふことを受け容れてはゐるが、すべてが變はらなくてはならないといいふところまではまだ認識してゐない。

 

2.4  Therefore, the Swap is a form of denial.

 

[意味] 2.4  それゆゑ、the Swap(取り換へ)は拒否の一形態なのである。

 

[用例]  all (S) have to do is

 

 

  (BLONDIE  By Dean Young & Stan Drake)

 

1  There! I’ve dashed off a thank-you note to Aunt Ida, and I have the proposal all ready for the McGruder Corporation!

  dash off ~: ~を一氣にやる

  a thank-you note お禮のカード

  have all ready ~がすつかり準備できてゐる

  「やれやれ!Aunt Ida への禮状を一氣に書いて、McGruder 社への企畫書もすつかり準備ができてるぞ!」

 

2  Now all I have to do is sign them and get them into the mail!

  all (S) have to do is 原形不定詞(~): (S)は~しさへすればいい」

    主語(S)のあとに關係代名詞 that が省略された文體で、もともとは「主語(S)がしなければならないすべては~である」ですが、轉じて「~しさへすればいい」といふ意味になつたものです。

  「ぼくはもう署名して郵便で送りさへすればいいんだ!」

 

3  Why is this proposal from the Dithers Company signed “Love, Dagwood”?

  「どうして Dithers 社からきた企畫書に『Love, Dagwood』と署名してあるのかな?」

 

3  I can’t imagine!

  「想像(も)できませんね!」

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