[用例研究 165] 〈would like to-不定詞〉
(BLONDIE By Dean Young & Stan Drake)
1 For a change, I’d like to have orange soda with my lunch today.
1 Orange soda? You gotta be kidding!
2 Orange soda?! With the lunch you ordered?! Ew-w, how could you?!
3 Okay, okay! Give me coffee then!
3 Now you’re talking.
4 Good thing you changed your mind ... We don’t have any orange soda.
[解説]
1
・for a change: 「いつもと變へて」「變化をつけて」 for changes とも。
・would like to do: ( ’d は would / should の短縮形です)would like to~ は、動詞原形を~に置いて「~したいと思ふのですが」など、want to ~よりもていねいで控へめな希望や申し出を表はします。會話では漫畫のやうに短縮形がよく使はれます。聽きとり難いこともありますが、微妙な間が感じられるため ’d の存在が傳はります。
これは假定法に由來する文體です。動詞、助動詞の時制を變へて現實から距離をおくことにより、婉曲・叮嚀・控へめな表現とするわけです。假定法過去の條件節、例へば「もしよろしければ」「もし差支へなければ」「もし面倒でなければ」などが省略され、歸結節のみを述べて、やはらかな印象を與へてゐると考へられます。
□參考例文: 自分の望むところを控へめに傳へます。
165.1 I would like to increase the horsepower of my car's engine.
私の車のエンジンの馬力を上げたいのですが。
165.2 I'd like to make golf reservations.
ゴルフの豫約をしたいのですが。
□參考例文: 實現しなかつた希望を傳へるには完了不定詞を續けます。
165.3 I would like to have visited the museum, but didn't have enough time.
博物館を訪ねたかつたのですが、時間が十分にありませんでした。
□參考例文: 不定詞句ではなく名詞を置く例です。
165.4 I would like some tea.
お茶を飮みたいのですが。
□參考例文: 相手の望みをていねいに尋ねます
165.5 Who would you like to talk to?
どなたに(電話を)おかけでせうか。
□參考例文: 控へめに提案・勸誘する例です。
165.6 Would you like to have lunch with us?
私たちと一緒に晝食をいかがですか。
□參考例文: 名詞を置く例です。
165.7 Would you like a refill?
お代はりは(/もう一杯)いかがですか。
・You gotta be kidding: 「冗談でせう」「嘘でせう」「まさか」
2
・ew: [í:u:] (an expression of disgust) 「ウヘー」「オエッ」 eww / ewww などと w を重ねて綴ることも。ここでも w を重ねてゐるのでせう。
・how could you?!: 修辭疑問文です。(相手の言動を非難して)「そんなことをする(/言ふ)なんて」「なんてことする(/言ふ)んだ」「よくもそんなことを」
3
・Now you’re talking: 「さう來なくつちや」「あなたの言ふとほりです」
4
・Good thing you changed your mind: ( It is a ) good thing (that) you changed your mind. といつた意味でせう。「氣が變はつたのはいいこと(/望ましいこと/幸ひ)だ」
[意味把握チェック]
1 「いつもと變へて今日はランチにオレンジ・ソーダがほしいんだけど」
1 「オレンジ・ソーダだつて?冗談でしょ」
2 「オレンジ・ソーダ?注文したランチに(添へて)?ウヘーッ よくもそんなことを」
3 「わかつた、わかつたよ、それなら珈琲にするよ」
3 「さう來なくつちや」
4 「氣が變はつたのはいいこと(/望ましいこと/幸ひ)だ ... うちはオレンジ・ソーダが(メニューに)無いんでね」