【7月4日(水)からのつづき】
10 關係副詞 where の文構造
Michael Swan はその著書 Practical English Usage のp. 479で、
When and where can introduce relative clauses after nouns referring to time and place. They are used in the same way as preposition + which.
I’ll never forget the day when I first met you. (=…the day on which …)
Do you know a shop where I can find sandals? (=…a shop at which…)
Why is used in a similar way after reason.
Do you know the reason why she doesn’t like me? (=…the reason for which…)
と、關係副詞 when/where/why について例文を擧げて簡潔に説明してゐます。
※例文の意味は次のとほりです。
・初めて君に會つた日を決して忘れない。
・サンダルが買へる店を知つてますか。
・彼女が私を好かない理由を知つてますか。
關係副詞 は、關係代名詞と同樣に、「前の名詞についての説明・情報をつけ加へる」といふのが基本ですが、上の説明にあるやうに、「前置詞+關係代名詞」のはたらきをします。where の場合でしたら、場所を表はす語(上の例文では a shop )の後に付き、where 一語で「場所を示す副詞(句)」(上例では at a shop)のやうなはたらきをするといふことになります。さらには、文をつなぐはたらきも持つてゐて、關係副詞の節を前の名詞にくつつけます(上例では where I can find sandals が a shop を修飾して、「サンダルが買へる店を知つてますか」といふ意味になります)。
關係副詞 when であれば、時を表はす語の後に付いて、一語で「時を示す副詞(句)」のやうなはたらきをする、といふことになります。(※ when については7月18日(水)に解説する豫定です)
關係副詞 where とwhen には先週解説しました「ふたつの用法」があります。上の例文は限定用法です。繼續用法の例文を紹介すると、
10.1 Next weekend I am going to Kobe, where my uncle lives.
(私はこんどの週末に神戸に行くが、そこには叔父が住んでゐる)
※この文でコンマを打たないと限定用法となり、「(神戸がいくつかあつて、そのうちの)叔父が住んでゐる神戸に行く」といふ意味になります。不自然な文になつてしまひます。
扨て、歌で用例を眺めてみませう。口遊んで覺えてしまふと關係副詞を含む文の構造がよくわかると思ひます。今囘の歌は1958年に流行した Ricky Nelson の Lonesome Town です。YouTube などの檢索バーに打ちこむのはそのまま ricky nelson lonesome town です。
Lonesome Town ( B. Knight )
① There’s a place where lovers go
To cry their troubles away
② And they call it Lonesome Town
Where the broken hearts stay
You can buy a dream or two
To last you all through the years
And the only price you pay
Is a heart full of tears
Going down to Lonesome Town
Where the broken hearts stay
Going down to Lonesome Town
To cry my troubles away
In the town of broken dreams
The streets are filled with regret
Maybe down in Lonesome Town
I can learn to forget
Maybe down in Lonesome Town
I can learn to forget
① There’s a place / where lovers go to cry their troubles away.
とある場所がある… where 以下はその説明です…(どんな場所かなと思つて進むと)where (その場所へ)…戀する者たちが行く…(何しに?)惱みを泣いてはらふために…そんな場所がある、と歌ひます。→「戀する者たちが苦しい胸のうちを泣いてはらしに行く場所があるんだ」
② And they call it Lonesome Town, / where the broken hearts stay.
そして戀する者たちは、その場所を Lonesome Town と呼ぶ…(ここは流れから判斷して繼續用法とみたはうが自然だと思ひ、コンマを補つてゐます)…where 以下が説明の追加ですから and there くらゐの意味に解して、そしてそこには傷ついたこころが留まつてゐる、と續きます。→「そして彼らはそれを Lonesome Town と呼び、そこには傷ついたこころが留まつてゐる」
餘談ですが、過日紹介した The Very Thought Of You を Ricky Nelson も彼らしいアレンヂで吹き込んでゐます。また子役時代の映像は The Adventures of Ozzie and Harriet で檢索すると見ることができます。もともとラヂオ番組だつたものが、その後テレビに移行したのでした。日本で放映された時のタイトルは、よく覺えてをりません。ギターを抱へて歌つてゐたシーンが頭にあるばかり……『陽気なネルソン』といつたでせうか?
(追記) YouTube でthe adventures of ozzie and harriet stealing rick’s girl 1958 と打込んで檢索すると Lonesome Town や Cindy、I Got A Feelingをドラマの中で歌つてゐるシーンを視聽することができます。
【この項 7月18日(水)へつづく】