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DAISPO WORLD BOXING EXPRESS

今年もやってるやってる~

リーゼント、世界に届かず(IBFスーパーバンタム級他)

2016年07月21日 01時00分12秒 | 世界ボクシング
現地時間の数時間前(20日・水曜日)、エディオンアリーナ大阪で行われた試合結果です。
IBFスーパーバンタム級王座決定戦:
ジョナサン グズマン(ドミニカ)TKO11回2分16秒 和氣 慎吾(古口)

*100%のKO率を誇るグスマンを相手に、序盤戦に4度(2回に2度、3回、5回にそれぞれ1度)のダウンを喫してしまった和氣。しかしダメージ、負傷にも怯まずファイティング・スピリットを見せつけます。しかし最後はレフェリーストップに追い込まれ敗戦。念願の王座奪取なりませんでした。

10回終了時までの採点では、3人のジャッジが揃って100対86でドミニカ人を支持。ちなみにグスマンは1つの無効試合を経験しています。また昨年10月に行われた試合が、和氣戦以前に経験した最長ラウンドで、その時は9回1分19秒でTKO勝利を収めています。


WBAフライ級戦(レギュラー王座):
王者井岡 一翔(井岡)KO11回1分11秒 挑戦者ケイビン ララ(ニカラグア)

*そのマッチメークに批判が集中している一翔。今回の試合では、前半戦に無名の挑戦者相手にアタフタする試合をしてしまいました。最終的には終盤戦でTKO勝利を収め3度目の防衛に成功した一翔。WBAからは格上王者ファン フランシスコ エストラーダ(メキシコ)との王座統一戦を行うよう指令が出されています。


OPBF(東洋太平洋)バンタム級戦:
王者山本 隆寛(井岡)初回2分28秒 挑戦者レックス ワオ(比)

*約1年前に、2度目の挑戦で同王座を獲得している山本。左ボディーで2度のダウンを奪い、2連続KO/TKO防衛に成功しています。


日本スーパーウェルター級戦:
王者野中 悠樹(井岡弘樹)判定3対0(97-94、97-95、98-94)挑戦者丸木 凌介(天熊丸木)

*試合前に自身の連続負傷に見舞われコンディション調整が心配されていた野中。13歳若い挑戦者を老獪に退け、保持する王座の5度目の防衛に成功しています。
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粉川、大差判定でV3(日本フライ級)

2016年07月20日 00時52分43秒 | 日本ボクシング
先週15日・金曜日、後楽園ホールで行われた試合結果です。
日本フライ級戦:
王者粉川 拓也(宮田)判定3対0(100-90x2、99-91)挑戦者大嶽 正史(石橋)

*名王者ポンサックレック ウォンジョンカム(タイ)に、対戦してきた選手の中で最高の技術者と賞賛された粉川。今回が33戦目にして初の王座挑戦となったベテラン大嶽をスピードと手数で翻弄。2度目の王座の3連続防衛に成功しています。

3人のジャッジを通し、失ったポイントが僅か1という正にワンサイドな防衛戦を演じた王者ですが、試合後には挑戦者のタフネスに驚きを隠せなかった様子。前回の王者時代には4度目の防衛戦で王座から転落した憂き目に合っていますが、今回の王座はどうなるのでしょうか。国内王者としては常に強豪挑戦者との対戦を続けている粉川だけに、次戦も楽しみです。
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ダルチニアン、一発でKO負け!(スーパーバンタム級強)

2016年07月19日 02時34分37秒 | 世界ボクシング
先週末16日・土曜日、米国・アラバマ州で行われた試合結果です。
スーパーバンタム級強8回戦:
セルヒオ フリアス(メキシコ)KO2回2分14秒 ビック ダルチニアン(豪)

*2012年の春に来日し、東京のリングで山中 慎介(帝拳)の持つWBCバンタム級王座に挑戦した経験を持つ元IBFフライ級、3団体統一スーパーフライ級王者のダルチニアン。スーパーフライ級を卒業して以来、バンタム級で3度、フェザー級で2度世界王座に挑戦してきましたが、いずれの試合も敗戦を喫し世界3階級制覇達成ならず。昨年後期に格下相手に2連勝を飾っていますが、過去の存在になりつつありました。今回、13ヶ月ぶりに米国のリングに登場したダルチニアンに思わぬ落とし穴が待っていました。

40歳のダルチニアンが対戦したのは、これまでの戦績が17勝(8KO)6敗(3KO負け)2引き分けという平凡な戦績のフリアス。昨年11月に行った最新の試合でもTKO負けを喫している、当に調整試合には打ってつけな相手です。そんな格下選手を相手に、ダルチニアンは試合開始ゴングと同時に強引に倒しにかかります。しかし前に出るも何となく動きが重く、パンチの切れが欠けていた大ベテラン。25歳の対戦相手の右パンチの餌食となってしまいました。

2回2分過ぎ、ダルチニアンがメキシカンの懐に入ろうとしたしたところにフリアスの右ショート・フックが見事に炸裂。試合はそのパンチ一発で終了。

手痛いKO負けを喫してしまったダルチニアン。再起は可能でしょうが、世界3階級制覇となるとかなり厳しい、というのが現実でしょうね。4月には元3階級制覇王のフェルナンド モンティエル(メキシコ)も25歳の若き対戦相手にKO負けを喫しています。かつても名選手たちが敗れていく姿を見るのは寂しい気がします。


WBCヘビー級戦:
王者デオンティー ワイルダー TKO8回終了 挑戦者クリス アレオーラ(共に米)

*本来ならロシアで強豪アレクサンデル ポベドキン(露)との指名試合を行う筈だったワイルダー。その試合はロシア人から薬物反応が出たために無期延期となっています。その代行試合として行われた今回の防衛戦。今回が3度目の世界挑戦となったアレオーラをまったく寄せ付けずに快勝。全勝記録を37(36KO)と伸ばすと共に、保持する王座の4度目の防衛に成功しています。
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意外な苦戦?コバレフが母国で防衛に成功(3団体ライトヘビー級)

2016年07月18日 01時28分00秒 | 世界ボクシング
先週11日、ロシアで行われた試合結果です。
3団体ライトヘビー級戦:
王者セルゲイ コバレフ(露)判定3対0(116-111、117-110、118-109)挑戦者イサック チレンベ(マラウイ)

*2010年師走以来、2度目の母国のリングに登場したコバレフ。試合前の掛け率では100対1と圧倒的な有利が予想されていました。結果自体は予想通りのものとなりましたが、挑戦者の意外な粘りにあいフルラウンド戦う結果となっています。

11月を目処に対戦が予定されるアンドレ ワード(米)との大一番に前進したコバレフ。WBO王座の8度目、IBF、WBA王座は4度目の防衛に成功しています。
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WBC(07‐17‐16)

2016年07月17日 00時01分31秒 | ボクシングネタ、その他雑談
2016年7月17日現在のWBCが認定する世界王者たちは下記のようになります。

ミニマム級:
ワンヘン メナヨーシン(タイ/防衛回数4)

*来月4日にサウル フアレス(メキシコ)と防衛戦。

ライトフライ級:
ガニガン ロペス(メキシコ/1)

フライ級:
ローマン ゴンザレス(ニカラグア/帝拳/4)

スーパーフライ級:
カルロス クアドラス(メキシコ/帝拳/6)

*クアドラスとロマゴンの対戦が9月10日に実現!

バンタム級:
山中 慎介(帝拳/10)

*9月16日にアンセルモ モレノ(パナマ)との再戦。

スーパーバンタム級:
ウーゴ ルイス(メキシコ/0)

*上記のバンタム級戦と同じ興行で長谷川 穂積(真正)と対戦。

フェザー級:
レギュラー王者:ゲリー ラッセル(米/1)
暫定王者:オスカル エスカンドン(コロンビア/0)

スーパーフェザー級:
フランシスコ バルガス(メキシコ/1)

ライト級:
デシャン ツラティカニン(モンテネグロ/1)
>>>ウンベルト ソト(メキシコ)

スーパーライト級:
ビクトル ポストル(ウクライナ/0)

*今月23日に、WBO王者テレンス クロフォード(米)と王座統一戦。

ウェルター級:
ダニー ガルシア(米/0)

スーパーウェルター級:
ジャーメル チャーロ(米/0)

ミドル級:
ゲナディー ゴロフキン(カザフスタン/4)

*WBAスーパーとIBF王座も保持。9月10日に英国でIBFウェルター級王者ケル ブルック(英)の挑戦を受けます。

スーパーミドル級:
バドゥ ジャック(スウェーデン/2)

ライトヘビー級:
アドニス ステベンソン(カナダ/6)

*今月29日にトーマス ウィリアムス(米)と防衛戦。

クルーザー級:
トニー ベリュー(英/0)

ヘビー級:
デオンティー ワイルダー(米/4)

*現地時間の約半日後、クリス アレオラ(米)と防衛戦。


*前回同団体の王座を羅列したのが2012年5月28日。そしてその前の2010年8月3日。現在の所、第2の老舗団体が抱える暫定王者はフェザー級の1名のみ。WBAより16人も少ない世界王者が存在しているということです!これは大変素晴らしいことですね。名誉、休養王者は訳の分からない地位のために排除。王者の顔ぶれは全体的に何となくこじんまりとした印象があります。

しかしクアドラス対ロマゴン戦は本当に楽しみですね。
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今週末の試合予定

2016年07月16日 00時09分06秒 | 世界ボクシング
2016年7月第3週末の試合予定です。

16日 土曜日
英国
WBOライト級戦:
王者テリー フラナガン(英)対 挑戦者ムゾンケ ファナ(南ア)

WBAスーパーバンタム級戦(スーパー王座):
王者ギレルモ リゴンドー(キューバ)対 挑戦者ジェームス ディッケンズ(英)

ドイツ
WBAスーパーミドル級戦(レギュラー王座):
王者ジョバンニ デ カロリス(伊)対 挑戦者タイロン ツォイゲ(独)

米国・アラバマ州
WBCヘビー級戦:
王者デオンティー ワイルダー 対 挑戦者クリス アレオーラ(共に米)



スーパーバンタム級10回戦:
ビック ダルチニアン(豪)対 エンリコ クエベド(メキシコ)

メキシコ
WBOスーパーフェザー級戦(暫定王座):
王者ミゲル ベルチェル(メキシコ)対 挑戦者チョラターン オー プリャピンヨー(タイ)


20日
エディオンアリーナ大阪
IBFスーパーバンタム級王座決定戦:
和氣 慎吾(古口)対 ジョナサン グズマン(ドミニカ)



WBAフライ級戦(レギュラー王座):
王者井岡 一翔(井岡)対 挑戦者ケイビン ララ(ニカラグア)

OPBF(東洋太平洋)バンタム級戦:
王者山本 隆寛(井岡)対 挑戦者レックス ワオ(比)

日本スーパーウェルター級戦:
王者野中 悠樹(井岡弘樹)対 挑戦者丸木 凌介(天熊丸木)


21日
ニュージーランド
OBBF/WBOオリエンタル・ヘビー級戦:
王者ジョセフ パーカー(ニュージーランド)対 挑戦者ソロモン ハウモノ(豪)
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ロマゴン、クアドラスに挑戦!(WBCスーパーフライ級)

2016年07月15日 00時03分54秒 | 世界ボクシング
9月10日、米国・カリフォルニア州で予定される試合です。
WBCスーパーフライ級戦:
王者カルロス クアドラス(メキシコ/帝拳)対 挑戦者/WBCフライ級王者ローマン ゴンザレス(ニカラグア/帝拳)

*ただただ楽しみな一戦です。噂されるもう一つの軽量級の大一番、WBAスーパー/WBOフライ級王者ファン フランシスコ エストラーダ(メキシコ)対 WBOライトフライ級王者ドニー ニエテス(比)戦も、この興行に組み込まれるのでしょうか?是非、そうであって貰いたいものです。

ご存知の通り、同日に英国では「ゴロフキン対ブルック」戦も行われます。
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再戦の日程は未定のまま(色々:07‐14‐16)

2016年07月14日 00時06分55秒 | 世界ボクシング
最近(2016年7月14日ごろ)のニュースです。

1)本来なら先週末9日に英国で予定されていたWBA(スーパー)/WBOヘビー級王者タイソン フューリー(英)対ウラジミール クリチコ(ウクライナ)の再戦。その試合はフューリーの負傷(足首)のために延期となっています。10月29日に英国で開催されるような情報が飛び交っていますが、実際はまだ何も決定していないようです。

2)既にIBFヘビー級王座への挑戦権を獲得しているジョセフ パーカー(ニュージーランド)。一週間後の21日に、同地域のライバルであるソロモン ハウモノ(豪)と対戦することが既に発表されています。当初、この試合にはWBOオリエンタル王座のみ争われる予定でしたが、嬉しいことにパーカーが保持しているOPBF(東洋太平洋)王座も賭けられる事になりました。ちなみにハウモノは以前この王座を保持しており、現在は同団体の1位にランクイン。そのハウモノに敗れている藤本 京太郎(角海老宝石)は5位に位置しています。

3)今週末16日に米国・アラバマ州で行われるWBCヘビー級戦の前座に、元フライ級、スーパーフライ級王者のビック ダルチニアン(豪)が出場を予定しています。メキシコの中堅選手エンリコ クエベドと対戦するダルチニアンにとり、この試合は今年の初戦となります。

4)5月末にIBFフライ級王座を獲得したばかりのジョンリエル カシメロ(比)の初防衛戦が早くも決定。9月10日に渡英し、現地のホープであるチャールズ エドワードと対戦します。

5)上記のIBFフライ級戦は、「ゴロフキン対ブルック」戦の前座として行われます。この興行にはミドル級、フライ級に加えIBFバンタム級戦、英国人ダービーとなるリー ハスキンス対スチュワート ホール戦も追加されました。

6)以前は「世界も狙える逸材では?」と言われていた翁長 吾央(大橋)。残念ながら世界はおろか、2度の挑戦も実らず日本王座にも手が届いていません。その翁長に3度目の王座戦出場の機会が到来。8月21日に故郷である沖縄県立武道館のリングで、OPBF(東洋太平洋)スーパーフライ級王者レネ ダッケル(比)に挑戦することが発表されています。この王座は翁長の同僚である井上 拓真が保持していましたが、井上は既にその王座を返上済み。4月に同暫定王座の座に就いていたダッケルが正規王者に昇格し、今回翁長の挑戦を受けることになりました。

7)こちらも翁長の同僚で、これまでに3度の世界挑戦を経験している細野 悟。10月3日に後楽園ホールで元WBAフェザー級王者ジョナサン バロス(亜)と対戦することが発表されています。2011年に王座から転落したバロスはその後、IBFスーパーフェザー級王座に挑戦しましたが、王座奪取ならず。その後、超実力者ミゲル アンヘル ガルシア(米)にも敗れています。しかしその後は6連勝(4KO)と好調を維持。その過程でIBFラテン、スーパーフェザー級のWBC暫定ラテン王座を獲得してきています。日本王座の保持者でもある細野は先月末に韓国のリングに登場し、格下のインドネシア人ラスマヌディンという選手に2回KO勝利を収めています。
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この階級、この選手(アセリノ フレイタス:スーパーフェザー級③)

2016年07月13日 00時44分58秒 | ボクシングネタ、その他雑談
1990年代初頭からの約四半世紀、それぞれの階級で印象に残った選手を挙げていっております。記載上のルールは各選手、登場するのは1階級のみ。また、選んだ選手がその階級の実力№1とは限りません。

ちょうど子供の日になりますが、その時からスーパーフェザー級の選手を紹介しています。ヘナロ エルナンデス(米/帝拳)がその一番手を勤めました。5月19日に同級の2番手はWBC王座を獲得したジェシー ジェームス レイハ(米)。そして今回、スーパーフェザー級の最終回を飾るのはアセリノ フレイタス(ブラジル)。同級とライト級で当時の強豪達と拳を交えながら、その2つの階級で計4つの世界王座を獲得しました。フレイタスのニックネーム(あくまで日本のみだと思いますが)は「ブラジリアン ボンバー」。ちょうど来月から同国でリオ五輪が開催されるため、まさに時を得た登場といっていいでしょう。


(「ブラジリアン・ボンバー」アセリノ フレイタス)

フレイタスの通算戦績は40勝(34KO)2敗(2KO負け)。KO率は81%と流石といいたいんですが、デビューから29戦の全てをKO/TKO勝利で収めていただけに、もう少し高いかと思っていました。身長は168センチとやや小柄で、リーチも170センチ。体格的にはそれほど凄みのある選手ではありませんでした。しかしそのボクシングは野性味あふれるまさに豪快そのもの。個人的に好きなタイプのボクサーは、基本に忠実であり、それに加えて勝負強さがある選手です。フレイタスは自分の支持する型の選手ではありませんでしたが、その躍動感に満ちたボクシングは、見ていて本当に楽しかったです。

フレイタスが活躍した当時のスーパーフェザー級には無敗の世界王者が4人君臨していました。WBAにはキューバ出身の技師ホルへ カサマヨール。WBCにはあのフロイド メイウェザー(米)が同級で初の世界王座を獲得。IBFには長身のハード・パンチャー ディエゴ コラレス。そしてWBOにはフレイタス。同級のみでの実績、実力を見た場合、フレイタスが若干ではありますが他の3選手を上回っていたのでは、と思います。この4選手の同士の対戦は、いくつかではありますが実現しました。2002年1月にフレイタスとカサマヨールがそれぞれの王座を賭け対戦。フレイタスが僅かの差で勝利を収め、王座統一に成功しています。フレイタスがコラレスと対戦したのは2004年8月、同級ではなく一つ上のライト級で。その時はコラレスがその圧力でフレイタスの強打を飲み込んでしまいました。コラレスとカサマヨールはライト級で3度の大激戦を行い、カサマヨールからみて2勝(1KO)1敗。メイウェザーはコラレスとのみ対戦し、その時は長身のライバルを寄せ付けずにTKO勝利を収めています。見たかったですね、メイウェザー対フレイタス、又はメイウェザー対カサマヨールという戦いを。

話をフレイタスに戻しましょう。フレイタスについて簡単に調べてみたのですが、1992年のバルセロナ五輪にフライ級で出場していたんですね。2回戦で敗退しているんですが、フレイタスがそれほどのアマ歴があるとは知りませんでした。

フレイタスのプロ・デビューは1995年の7月14日。翌年8月に行ったプロ6戦目のリングでは早くもタイトル戦のリングに登場し、WBCの旧スペイン語圏(Mundo Hispana)王座を獲得しています。その後も当然の如くKO勝利で連勝を続けていったブラジリアン・ボンバー。その過程でIBFラテン、ブラジル国内、NABO王座を吸収していきます。意外に思うのですが、ここまでのフライタスが奪取した王座は全てライト級で獲得しています。

フレイタスが最初の世界王座であるWBOスーパーフェザー級王座を獲得したのは1999年の8月。20戦全勝全KOの勢いに乗って、当時の王者でその技術を評価されていたアナトリー アレキサンドルフ(カザフスタン)に第3国であるフランスのリングで挑戦。実力者が相手だっただけに、フライタスの苦戦、あるいは敗戦も予想されていました。しかしそんな不安な雰囲気も僅か101秒で粉砕してしまいました。

見事な世界戴冠劇を演じたフレイタスですが、王座奪取後もその勢いを止めることを知りません。母国ブラジル、北米や欧州のリングを転戦して行きながら白星、KO勝利、そして世界王座の防衛記録を伸ばしていきます。しかしその全KO記録もついに終わる時が来ました。2001年9月に米国・フロリダ州のリングで無冠戦のリングに登場したフレイタス。元3階級下のWBOバンタム級王者アルフレド コティー(ガーナ)を終始攻め続けますが結局はKOすることが出来ず。全勝記録を30に伸ばすも、連続KO記録は29で止まってしまいました。

翌年1月、フレイタスが31戦目にして世界王座統一戦という大舞台のリングに登場します。フライタスが向えた相手はWBA王座を保持するカサマヨール。前半戦は攻撃という勢いで上回るフレイタスが試合をリード。3回にはキューバ人がバランスを崩したところにパンチを当てたブラジル人がダウンを奪い、また6回にはブレイク後にパンチを放ったとしてカサマヨールが減点1を科されています。中盤戦以降カサマヨールもジリジリと追い上げ体勢に入り、試合は五分五分のまま終了。結局は議論を呼ぶ僅差の判定の末ブラジル人が王座統一に成功しています。


(論議を呼んだカサマヨールとの王座統一戦)

その後減量苦が囁かれる中、スーパーフェザー級王座の防衛回数を伸ばしていったフレイタス。WBO王座に関していえば10度の防衛に成功しています。2003年8月に行われたスーパーフェザー級卒業試合となったホルへ バリオス(亜)の凄かった事。両者が試合後半に2度ずつダウンを喫する激しいものでした。


(大激戦だったバリオス戦)

2004年1月、ライト級に主戦場を移したフレイタスはWBO王座の保持者アルツロ グレゴリアン(ウズベキスタン)に挑戦。その王座を17度も守ってきた実力者を飲み込む形で圧勝し、難なく2階級制覇に成功。ライト級でも活躍が期待されました。しかし現実はフライタスに対し厳しい試練を与えます。ライト級王座の初防衛戦で同じくスーパーフェザー級からの転向組コラレスと対戦したフレイタス。コラレスはフレイタス以上に新しい階級の体重に適しており、フライタスの強打がまったく通じません。結局は10回TKOで破れ、王座から転落してしまったフレイタス。36戦目で初の黒星となりました。


(その強打が通じなかったコラレスとの防衛戦)

その後同王座に返り咲くことに成功したフレイタスですが、以前の爆発力はまったくといっていいほど影を潜めてしまいました。2007年4月、ライト級でもWBA王座の吸収を図った元ボンバーですが、当初波に乗りまくっていたファン ディアス(米)の前に完敗。8回終了時にギプアップすると同時に、現役からの引退を発表しました。


(正直不甲斐なかったディアスとの王座統一戦)

フレイタスが獲得した王座(獲得した順):
WBCスペイン語圏ライト級:1996年8月16日獲得(防衛回数0)
(*プロデビュー僅か6戦目にして12回戦に出場し、同王座を獲得しています。)
IBFラテン・ライト級:1997年4月22日(0)
ブラジル国内ライト級:1998年5月29日(1)
NABOスーパーフェザー級:1998年10月16日(1)
WBOスーパーフェザー級:1999年8月7日(10)
WBAスーパーフェザー級:2002年1月12日(3)
(*WBOとの統一王座)
WBOライト級:2004年1月3日(0)
WBOライト級:2006年4月29日(0)
(*王座に返り咲き)

ディアス戦後2012年6月と、昨年8月に突如リングに復帰。10回戦で行ったその2試合はそれぞれスーパーウェルター級(154ポンド)のリミットで戦っています。腹回りには余分な物が付いていましたが、中々のリングパフォーマンスを見せKO、TKO勝利を収めています。しかし何のための再起だったのでしょうか?その後再起第3戦目を行うとの情報がありましたが、結局は実現されず。その後リング復帰に関するニュースは聞かれません。

ディアス戦後の一時引退時から、故郷であるブラジルの共和党の議員として手腕を振るったり、故郷のサルバドールのスポーツ大使を務めたりと中々の活躍をしているようです。来月から行われる五輪でも、その姿が見られるかもしれませんね。
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長谷川、最後のチャンス(WBCスーパーバンタム級他)

2016年07月12日 01時51分54秒 | 世界ボクシング
9月16日、エディオンアリーナ大阪・第1競技場で予定される試合です。
WBCスーパーバンタム級戦:
王者ウーゴ ルイス(メキシコ)対 挑戦者長谷川 穂積(真正)

*バンタム級ではフェルナンド モンティエル(メキシコ)と事実上の王座統一戦に破れ、世界王座から転落した長谷川。その試合からもう6年以上の月日が流れているんですね。その後2階級上のフェザー級王座を獲得するも、初防衛戦ではジョニー ゴンザレス(メキシコ)に完敗し王座から降格。その後IBFスーパーバンタム級王座に挑みますが、逆転TKO負けで3階級制覇ならなかった長谷川。それらの敗戦すべて、あっさりと黒星を喫した感があります。肉体的には全盛期よりは劣ったかもしれませんが、まだまだ世界で戦う余力を残していると思われる長谷川。本来ならルイス程度の選手には負けるとは思いませんが、すべては精神面次第。長谷川の3階級制覇達成は十分あると思います。

WBCバンタム級戦:
王者山中 慎介(帝拳)対 挑戦者アンセルモ モレノ(パナマ)

*長谷川>モンティエル>ノニト ドネア(比)と続いたWBCバンタム級王座の流れを継いだ山中。ここまで長谷川に並ぶ10連続防衛を果たしてきましたが、その中で一番の苦戦を強いられたのが、今回の試合からちょうど1年前に行われたモレノとの第一戦になります。モレノは世界王座から転落していたとはいえ、WBA王者時代にそのベルトを11度も連続してきた実力者。山中が苦戦したのも十分うなずけるものです。今回の再戦ですが、どちらかというと山中の精神状態次第ではないでしょうか。ここまでキャリアがある両選手が、僅か1年でそのボクシング・スタイルが大幅に変わる事は無いように思います。問題は山中がモレノに対して苦手意識というマイナス面があるかどうか。今回も競った内容になるでしょうね。
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