今から30年前となる1995年4月2日、米国フロリダ州で行われた試合結果です。
WBCバンタム級戦:
王者薬師寺 保栄(松田)判定2対0(116-112、113-111、114-114) 挑戦者クアテモク ゴメス(メキシコ)
*前年1994年12月行われた辰吉 丈一郎(大阪帝拳)との正規の一戦を制した薬師寺。大一番後の試合では、ランキングは9位と低いものの、メキシコ国内の強豪たちに揉まれながら、32勝(24KO)4敗という好戦績を残してきたくせ者ゴメスを迎え4度目の防衛戦を行うことになりました。
(薬師寺に挑戦したゴメス)/ Photo: BoxRec
身長とリーチで大きく上回る薬師寺は、持ち前の左ジャブと右ストレートで実戦派を翻弄にかかります。しかしタフが売り物のゴメスは、見かけによらない試合巧者ぶりを発揮。その強打を絶妙なタイミングで王者に合わせていき、王者に一方的なペースを与えません。
そんな中、常に落ち着いたボクシングでゴメスを対処していった薬師寺。終盤戦に明確なリードを奪ったところで試合終了。判定は一人のジャッジがイーブンとつけましたが、王者の勝利は誰が見ても明らか。大試合後の一戦だけあって、薬師寺がどにようにモチベーションを持っていくかに注目が集まりましたが、安定王者としての貫禄を見せつけた試合となりました。
(くせ者ゴメス(左)を相手に、安定したボクシングを見せた薬師寺)/ Photo: Getty Images
辰吉の影に隠れがちな薬師寺ですが、その基本に忠実なボクシングとタフネスはもっともっと評価されて良いと思います。