内容紹介
在宅医療専門看護師のわたしは日々終末期の患者や家に籠る患者とその家族への対応に追われる。末期がんだが告知を拒む陽気な患者に徐々に忍び寄る最期。院長は彼に病状を告げるのか?(表題作)卵巣がん末期の妻を支える夫は医者不信で次々、怪しい民間療法に縋っていた(「アロエのチカラ」)。リアルだが、どこか救われる6つの傑作連作医療小説。
綿をつめる
罪滅ぼし
告知
アロエのチカラ
いつか、あなたも
セカンド・ベスト
読書備忘録
たんたんと・・・
在宅で終末を迎えるにあたり、看護師や医者に恵まれているお話。
みんながみんなこうであればいいのにと思って読んでいた。
私たち夫婦はどうするだろう?
家に居たいと言ったら私は夫を家でみるだろうけれど、逆になったらそれを夫に・・・というのは考えてしまう。
がんの告知を受けたなら、これでボケてまで長生きしなくていいんだわ。終わりは自分で決められると思うのだろうなー・・・この年になって思う事。
いつか、あなたも
これはね・・・
ヘルパー時代、私も精神疾患の方のお家には行ったことがあるけれど、帰れるか・・・?と・・・・
行ったヘルパーは、あのお宅はちょっと・・・ってことで、初めて行く人ばかりだった。
人員が足りなくなるとケアマネの所長が行っていた。
初めて会って人格否定され罵られ、物を投げつけられ、それでもお仕事済ませ、いざ帰ろうとしても帰してもらえない。そんなことを思い出した。
「在宅医療に携わるようになってから、わたしは命を延ばすことが、必ずしも最優先だとは思えなくなっていた。”生きる価値のない命などはない”などとよく言われるが、それは建前にすぎない。個人の自由と尊厳を考えた場合、生きる手段があっても、死を選ぶ自由も尊重されるべきではないか」
本人が意識がなくなる前、もしくは日頃からそのようなことを言っていたのだとしたら、そうしてもいいのではないかと思う。なので私は日頃から言っているが、その場でどこぞの誰かが余計なことを言って刺さってくる可能性もあるから、文章にしたり、録音したりするのは大切なことだと思う。我が家の場合はその手の親戚はいないから心配は無用だけれど・・・
★★★★★