アダム・クーパー、『回転木馬』に代役で出演

(“Carousel”が上演されているSavoy Theatre)

  アダム・クーパーの公式サイトに「スーパー・クーパー、再び登場」という見出しで、小さな記事が載っています。なんと、クーパー君が、自らが振付した『回転木馬(Carousel)』(サヴォイ劇場、ロンドン)に代役で出演したというのです。

  それは5月13日(水?)の夜公演のことだったそうで、誰の役なのか具体的には書いていませんが、「主要な役の一つ」だとのことです。理由は、その役を担当するキャスト、そしてそのアンダー・スタディ(代役)が、ともに体調不良で出演できなくなってしまったからだそうです。  

  たまたま、クーパー君は最近、降板したそのキャストとリハーサルをしていたため、代役として舞台に立つことができたそうです。

  気になるのは、クーパー君が誰の役の代役に立ったのかということです。私はこの4月にロンドンにラッセル・マリファントの“Two:Four:Ten”を観に行った際、クーパー君が振付を担当した『回転木馬』もついでに観ました。

  クーパー君の振付にも興味があったし、あとはやはり、『回転木馬』は音楽(リチャード・ロジャース&オスカー・ハマースタイン2世による)が断然イイですもん。

  主人公のビリーでは絶対にないと思います。可能性のある役としては、ビリーの悪友、ジガーが考えられます。ジガーはかなり踊るんです。第一幕第三場の“Blow High,Blow Low”では、ダイナミックな振付の男性群舞が踊られます(←批評でも褒められていた)。ジガーはこの群舞の中心となって踊ります。

  ジガーはもちろんセリフもたくさんしゃべるので、クーパー君が担当したのはジガー役ではなかったかもしれませんが、この男性群舞の中に混じっていたのは間違いないと思います。

  あと可能性があるのは、『回転木馬』最大の見せ場、第二幕第四場の“Ballet”です。ビリーの娘、ルイーズがカーニバル・ボーイと踊る、かなり長いバレエ・シーンです。ただ、カーニバル・ボーイ役は、ルイーズ役のキャストと年齢的につりあう若いキャストが担当していて、しかも振付は『海賊』のパ・ド・ドゥの男性ヴァリエーションみたいに、かなり高度でパワフルなクラシック・バレエの技術を必要とするものでした。

  もしカーニバル・ボーイを踊ったのならすごい(技術的にも見た目的にも)ですが、たぶん群舞の一人として踊ったんではないのかしら。

  いちばん考えたくないのは、ビリーの妻、ジュリーの友人であるキャリーの婚約者(後に夫)、イノック役です。映画版でもそうですが、イノックはお笑い担当な役です。それに、確か、ビリー役の人とイノック役の人は踊らなかったような記憶があるんですよね。

  そういうわけで、たぶんジガー役か、男性群舞の先頭で踊る一人か、カーニバル・ボーイ役か、そのいずれかだと推測されます。

  偶然の「サプライズ」だったとはいえ、私も観たかったなあ。

  ちなみに、公式サイトの表題にある「スーパー・クーパー」とは、ロイヤル・バレエ時代のアダム・クーパーのあだ名です。急な代役もいつでも見事にやってのけるので、いつしかそう呼ばれるようになったそうです。
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