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函館市とどほっけ村

法華宗の日持上人にまつわる伝説のムラ・椴法華。
目の前の太平洋からのメッセージです。

立ち止れ日本

2013年12月01日 13時32分15秒 | えいこう語る
20世紀は戦争の世紀だといわれた。
「時代」「世情」などを作詞した歌手中島みゆき、彼女のコンサートを2001・12函館で観た。
時代を鋭く切り取る彼女の感性は、歌手でありながら詩人でもある。
ラストステージでの、彼女のメッセージが忘れられない。
「私たちは戦争のない明るい未来であることを希望して、21世紀を迎えた。でも、新しい世紀が始まったばかりなのに、9:11のテロが起きた。・・・・・
でも、人間はすてたものではない、なんとかくぐりぬけていける、知恵と勇気と努力があるからだ」と。
我が国のこの頃の政治をみるにつけ、中島のメッセージを思い出す。
世情は独裁化の流れに乗せられ、時代は前世紀に戻ろうとしてはいやしないかと。


橋から川を見つめると、鮭の死骸が横たわっていた。
河口から100メートルにも満たない場所だ。
※一昔前は、この波の中に、遡上寸前の鮭大群の泳ぐ姿が見られた。


ベーリング海の荒波にもまれ、やっと故郷に戻ってきた。
死んだ鮭に話かけてみる。
産卵は終わったのだろうか、めくるめく射精は済んだのだろうかと。
満身創痍で故郷の川に遡上する鮭を見ると、ジャングルや荒野を突き進む兵士たちの姿を思い浮かべる。
そして、在日二世の中学の同級生、K君の姿も。
ある秋の日、彼はふと故郷に現れた。イカ刺しをつくり彼の家を訪ねようとしたが、母親が電話に出て、今日は早く寝てしまったという。
翌日、彼は灯油をかぶり自死した。


函館出身の舞踊家故大野一雄氏は、1991・9・15、鮭の遡上する美しい夕映えの輝く石狩川河口で“魂のみちゆき”を踊ったという。
94歳の大野、踊る傍らには御霊供膳が置いてあった。
写真集を開いていたら「立ち止れ日本」という声が聞こえてきた。