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函館市とどほっけ村

法華宗の日持上人にまつわる伝説のムラ・椴法華。
目の前の太平洋からのメッセージです。

目をきちんと開いて

2012年09月11日 13時11分25秒 | えいこう語る
政治家に真面目という概念が当てはまるかどうかわからないが、真面目と思われていた自民党谷垣総裁が、長老たちから椅子をはずされた。
会見での心境を察すると、金曜夜の脱原発を叫ぶ国民の前で、割腹でもしたい気持ちに違いない。妻が亡くなった悲しみをかみ締め、総裁としての職務を全うしているように見えたからだ。
自民党の“仁義なき戦い”は、ヤクザ抗争より熾烈らしい。
他の派閥からは町村が出馬し、その同じ派閥からは安倍元総理が出馬するようだ。安倍は日本維新の会と手手打ちをするとも囁かれている。
石原・石破・林・町村・安倍、さすが自民党、顔ぶれだけは馴染みの役者ぞろいだ。
対する政権与党は、人気アイドル的存在の細野がいとも簡単に引きずり落とされ、人気最低だが、首相役としてはようやく板についてきた感じの野田・さらに鹿野・赤松・原口の、役者としては個性と演技力不足が、党首選を盛り上げる役を引き受けたように見える。
夜、松下金融相の自殺のニュースが飛び込む。
これによりどう政局が動くのか「政界・仁義なき戦い“与野党組長選”」は、闇の中の戦いに入ったようだ。
最後にお茶を濁して終るだけの「たけしのTVタックル」を観てから、古館の報道ステーション。
自民党総裁選の候補者を順に呼び、質問の矢を浴びせるというもの。
昨日は、軍事お宅の“オスプレイ石破”だ。
湖沼上のざわめきを底から見据えているような、大鯰のような落ち着きぶり、泥鰌などはぱくりと飲み込んでしまいそうな雰囲気だ。
原発と核爆弾の関係を問いただしたのは良かったが“オスプレイ石破”図体がでかい割には、器用に論点をすり替えながらも空中で飛び回り、右に舵を切るのか左に舵を切るのか、放送時間を燃料が切れるまで待っているような感じだった。
皮肉屋の久米宏や特攻隊の筑紫哲也、彼らがいたらオスプレイの不具合を露呈出来たに違いないと思う。
※店の前の風見鶏に、小さな秋がとまっていた。


布団の中で司馬遼太郎の「歴史と視点」を読んだ。
戦後28年経ってグアム島から帰還した日本兵を、戦陣訓の「生きて虜囚の辱めを受けず」そのせいだと決め付けたのは、マスコミだという。
司馬は自らの少年兵教育での体験で「戦陣訓」が教材に使われている現場を見たことがないといっている。
戦後随分経って兵士が出てきたという異常な事件にぶつかった時、この事件の理解に苦しんだあげく「つまりは戦陣訓の重みである」というごく簡単な整理法による解釈に落ち着かせてしまおうとしているらしいのは、随分手前勝手な観があると述べている。
「できあいの思想・宗教・学問やいかなる権威にも寄りかからず、自分の耳目、自分の二本足で立っていて、なに不都合のことやある」
という、茨木のり子さんの「寄りかからず」という詩が浮かんできた。
今年の昆布漁は、確かに終了した。
私はやがて目覚ましに頼ることのない、深い眠りについた。