元・副会長のCinema Days

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「アクアマン 失われた王国」

2024-01-27 06:08:03 | 映画の感想(あ行)
 (原題:AQUAMAN AND THE LOST KINGDOM)前作(2018年)に比べると地上での活劇場面が少なく、その点は不満なのだが全体的には及第点に達していると思った。何より上映時間が124分とコンパクトなのが良い。何だそんなことかと言われそうだが、アメコミ物に限らず昨今のハリウッド製娯楽映画は無駄に尺が長いものが目に付く。もちろん短ければオッケーでもないのだが(笑)、観る側の忍耐度を勘案すれば、肩の凝らないはずのエンタテインメント作品で2時間を大きく超えることは控えていただきたいものだ。

 アクアマンことアーサー・カリーが統治する海底王国アトランティスの勃興期よりさらに昔、南極の氷河の奥深くに封印された失われた王国が存在していた。そこには、ブラック・トライデントと称する古代の超兵器が眠っており、アクアマンへの復讐を誓うブラックマンタがその世界を滅亡させるほどのパワーを持つブラック・トライデントを手に入れてしまう。アーサーはこれに対抗するため、前作で反目した弟のオームと共闘する。



 パート1より続投するジェームズ・ワン監督の手腕は賑々しく、矢継ぎ早に見せ場を繰り出して突っ込むスキを与えない。考えてみれば、とことんイヤな奴で人望も無いブラックマンタが簡単に大軍を率いているのは解せないし、だいたいコイツが地球をどうかした後に何をやりたいのか皆目分からない。アーサーのキャラも、今回はオームに押され気味だ。

 しかし、そんな瑕疵をものともせず、アクション満載で飽きさせない。ラストは少々くすぐったい扱いだが、ネガティブな印象は無く気持ちよく鑑賞を終えられる。主役のジェイソン・モモアをはじめアンバー・ハードにヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世、ニコール・キッドマン、ドルフ・ラングレン、ランドール・パーク、パトリック・ウィルソンら面子も揃っている。

 さて、興味深いのは本作をもってDCエクステンデッド・ユニバース(DCEU)が終焉を迎えることだ。2013年の「マン・オブ・スティール」から始まり本作で16作目になるDCEUだが、これにて“打ち止め”とのこと。まあ、次からはジェームズ・ガンとピーター・サフランによる新たなDCユニバースがスタートするらしいが、マルチバースにハマり過ぎて収拾が付かなくなった感のあるマーベル陣営に比べると潔いとも言える。とりあえず、今後の推移を見守りたい。

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