元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「しあわせな孤独」

2013-04-06 07:20:23 | 映画の感想(さ行)
 (英題:Open Hearts )2002年作品。恋人が交通事故で半身不随になったことにより、あろうことか加害者の夫(医者)と心を通わせていく若い女を描くデンマーク映画。本国では大ヒットしたというが、私はまるでダメな映画だと思う。

 どう見ても事故は一方的な加害者の過失であるにも関わらず、収監されるどころか事故を起こした当日にいけしゃあしゃあと娘の誕生パーティを催しているところで早々に匙を投げた。ハッキリ言って、事故にあった男以外の登場人物は全員頭がおかしい。



 特に何も考えずに他の男と関係を持つヒロインは単なる色情狂か精神薄弱としか思えない(スタイルも服装の趣味も最悪で魅力ゼロ)。こんな女を思い入れたっぷりに描いている時点で作者の低能さが分かろうというものだ。

 リアリズムを原則とする「ドグマ」のルールに合意していながら、最初から終わりまで自分の頭の中だけでデッチあげたドラマツルギー無視の御都合主義的筋書きを恥ずかしげもなく披露しているあたり、このスザンネ・ビエールとかいう女流監督には才能がないと断言してもよかろう。この後に撮った「アフター・ウェディング」も大した映画ではなかったし、彼女には“もっと人生経験を積んで、真人間になれよ”とでも言いたくなる。

 近作「偽りなき者」での好演が記憶に残っているマッツ・ミケルセンも出ているのだが、本作ではどうも生彩を欠いている。あとのキャストにも特筆するべきものはなく、観る価値はない。
コメント
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