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トヨタ MR-Sに試乗! 素材は良かったが、正直ロードスターの方が楽しい車

2020-08-05 18:59:03 | トヨタ

※インプレは新車試乗当時のものです。

 

MR-Sは、トヨタの新型ミッドシップ・ライトウェイトオープンカー。MR-2の後継車だが、コンセプト的には別物で、ロードスターのライバルといえる。つまり、バブル期の重厚長大スポーツ路線から、一転して日常的なスポーティさに主眼を置いた、今後のトヨタのスポーツ路線の象徴ともいえる車。車重が1tを切っているところは高く評価したい。

○居住性★★
 まず座ってみての第一印象だが、座席が低い!MEGAWEBやショールームでは感じなかったのは、やはり周りに比較対象物が少ないからだろう。特に、信号待ち等で目の前を歩行者が歩いたりすると、かなり着座位置の低さを感じる。
 次に感じるのは、せまい、ということ。タイト、ではなく、せまい。まさにバスタブのようだ。フロントガラスの傾斜は意外に気にならないが、サイドシルとリア側が、自分の肩や頭を越すので、非常にせまく感じてしまう。まさに、バスタブにつかって空だけ見えるかんじ。走り出しても印象は変わらず、スポーティなはずの着座位置の低さがあだとなって、開放感をスポイルしている。まあ、風の巻き込みも少ないし、安全性も高そうだが、オープンカーで最も重要な開放感がイマイチでは、商品力としてかなり厳しいといえる。

○動力性能★★★
 結論から言うと、これが意外に速い。エンジンがトルクフルなのに加え、やはり車重の軽さが利いている。ただし、残念ながら”まわして楽しい”エンジンではないし、絶対的なパワーもたいしたことはない。また、サウンド面でも刺激が少ない。ボディ剛性も悪くないレベルだし、ブレーキのフィールも利きも悪くない。シフトフィールも、ややストロークが長いものの、結構コキコキと気持ち良くきまる。

 ただ、ハンドリングがいただけない。実は、MEGAWEBで試乗した時は、キビキビしてミッドシップらしいハンドリングだと思ったが、これが深く切り込んでいくと、妙な違和感を感じる。もしかして、ミッドシップということで、リバースしないようにパワステを調整しているのかもしれないが、どうも作られた身軽さ、みたいな演出が感じられ、リニアリティに欠けた。

○結論★★
 残念ながら、今回の試乗も失望に終わった、というしかないだろう。前回の試乗での印象では、
MR-Sは”オープンを楽しむ車”、ロードスターは”オープンスポーツを楽しむ車”
というのが私の結論だったが、意外に街中での試乗は開放感に欠けるものだった。また、現在のプジョー205と比較しても、アクセルに対するツキや足回りのしなやかさ等、205の方が優れている点が多かったところも見逃せない。
 トヨタは最近、若者にターゲットを絞り、様様な車を出してきているが、ことスポーティさの演出については、まだまだ課題が残るようだ。しかし、素材はいいので、今後に期待したい。


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