渾沌滅七竅

生命ある無秩序を愛する渾沌。

ブルースハープへの思い入れ

2020年07月11日 | 日記

偶々、YouTube でブルースハープ・ミニ演奏会の動画を拝見する機会があり、改めてブルースハープって何か、に思いを馳せた。

ブルースハープは、何万円・何十万円もする高価な楽器とは違うので、社会の一般常識で見ると、決して高貴な演奏を嗜む世界とは異質。

3・4ドル程度で買える代物。 3・4ドルに拘る理由は、19世紀アメリカ南部の綿花栽培に関わる過酷な生活を強いられた黒人奴隷が育てた楽器だと理解するが故だ。

ブルースハープ演奏は、もともと、今でいうアカペラ様式、無伴奏演奏だったと言われる。  アメリカ奴隷解放後、寧ろ、黒人差別は一段と酷くなり、彼等は新たな悲しみのはけ口を求めた。  ブルースが黒人の悲しみを表現したものと言われ、捨てられた者のすすり泣き、自立の叫び、頑張り屋の情熱、また、欲求不満に悩む者の怒りを表現するとP.オリバーは「ブルースの歴史」で述べている。 声にその思いを乗せることに代わり、安価で身近なハーモニカに心の状態を乗せたことは想像に難くない。 そんな演奏が出来たら、ブルースハープ冥利に尽きるか。

会社勤務時代、ミシシッピー綿花、アリゾナ綿花の日本への輸入海上輸送に携わり、大阪の中堅綿花専門商社の方々と親しくお付き合いを頂き、世界の綿花のこと、綿花栽培のこと、黒人奴隷のこと等お教え頂いた経験が、懐かしく思い起こされる。 ブルース、ブルースハープ、黒人奴隷、綿花栽培が繋がる。

日本の伝統曲をブルースハープに乗せて演奏するなんて、どんぴしゃ、最高の筈だが。

それにしても、あのいで立ちは何に由来するのだろうか。 長髪、口髭? どうしても好きになれないが、もうちょい、スマートになれないものか。

 

 

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