気になるキーワードや製品のコレクション(IT編)

メルマガ、新聞、雑誌などに登場する(増田悦夫の)気になるキーワード、製品を取り上げ、ITの進展をフォローします。

“POCKET PARCO(パルコ)”とは

2014-12-29 23:18:50 | マーケティング・消費者行動

商業施設運営のパルコが、2014年10月31日に提供を始めた、スマートフォン向けのプラットフォームです。

パルコの事業スキームは、場所貸しであり、入居するテナントの売上げに応じた家賃が主な収入源ですが、従来のECモール「PARCO-CITY」では、実店舗との連携がなく、モールに出店しているアパレルブランドの商品はモール経由で販売され、在庫管理もモールに閉じて行われていたようです。

パルコや入居している実店舗の今後の収益拡大のためには、実店舗とネットとを連携させることが重要であると考え、このプラットフォームを導入したようです。即ち、このプラットフォームにより、入居するテナントの情報発信とネット通販機能とを可能とし、いわゆる”オムニチャネル”化を図るようにしたようです。

パルコに出店するテナントの各店舗は、「POCKET PARCO」の管理画面を利用して新商品紹介や在庫数などの情報発信が可能であり、また全国への通信販売もできるようです。パルコ側は、テナント店舗の情報発信によりPOCKET PARCO利用者のパルコ(および入居している店舗)への来店を促進できると期待しているようです。さらに、テナントの各店舗が持つ商品在庫のデータを得られるようになることも大きなメリットに繋がると見ています。逆に、テナント店舗側は、店舗在庫を全国向けの通販在庫としても活用でき売上増が期待できるようです。

本プラットフォームの構築に当たっては、ブログによる情報発信が効果的であり、それと通販とを組み合わせるのが有効と考えたようです。その結果、このプラットフォームにおける情報発信部分はオープンソースのブログシステム「WordPress」を利用し、またネット通販部分はネットサービス事業を展開する「ブラケット(東京渋谷)」の「STORES.jp」を利用しているとのことです。

また、POCKET PARCOでは、ポイントサービスも必要と考えて、来店時のチェックインや買い物で貯まるポイントサービスも盛り込んでいるようです。

POCKET PARCOの提供により、これまでのECモール「PARCO-CITY」は2015年1月19日付けで閉鎖されるようです。また、これまで在庫情報のデータが得られない等で導入が進みにくかった、商業施設におけるオムニチャネル化について、それを促進するきっかけになりそうです。


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