フグさんの雑記帳

さいたま市の荒川河川敷を主なフィールドとして四季を綴っていきます。

甘いキカラスウリの実は危惧した通り全て食べつくされていました

2009年12月29日 23時56分18秒 | Main

今日は遠くの山並みが見えたにも拘わらず富士山は見えなかったが、浅間山が山並みの上に真っ白く化粧した姿を見せていた。


浅間山は標高2,568mの世界でも有数の活火山

危惧した通りキカラスウリの実は全て食べられ皮だけが残っていた。近くから飛び立ったのはキジバトのような気がしたが、帰路隣のネットの上に整列していたのはムクドリだった。この群れにあったらひとたまりもないのは当然だが、果たして犯人かは定かではない。


真ん中の無事に見える果実も横から穴を開けられ中はカラです

椋鳥の名の由来は椋の木の実を好んで食べるからだという。その椋の木の実は干柿に似て甘くて美味という。とすると甘いキカラスウリの果実を食べたのはやはりムクドリなのだろうか?

自宅近くのイイギリの実はもう食べつくされて跡形もない。例年なら1月までは赤い実がブドウの房のように垂れ下がり沢山残っている。餌の実が少なかったのかヒヨドリなどが増えすぎたか原因は分からないがいずれにしても鳥たちにとっては年明けの1~2月は例年以上により厳しい月になりそうだ。


06年と07年には幸運にも希少種のサワトラノオと巡り会えました

2009年12月26日 21時51分01秒 | 花の和名
ようやく年賀状を投函した。ただ「明けましておめでとう」の紋切り型の文章では面白くない。寅年に因んでトラがつく植物を考えると第1に浮かんだのはオカトラノオ属だった。
この属のノジトラノオとサワトラノオは絶滅危惧IB類(EN)だ。サワトラノオは06年、07年に桜区の休耕田に群生していたが、その後はまったく見られなくなってしまった。


06年5月24日の群生

今回その時の写真を探してみた。この種はかなり以前からの希少種で載っている図鑑も少ない。いい機会なので少し写真を紹介してみたい。


株立ちしている左右は水がしみ出て、ミズトラノオの別名躍如です

サクラソウ科オカトラノ属は日本に15種が分布しているという。白い花をつけ花序が虎の尾に似るのはオカトラノオとノジトラノオで他はあまり似てはいない。サワトラノオは茎が軟弱といわれるが、両面に花がつくため円錐状に咲き昇るが先は垂れない。


花茎は長く、果実は球形の蒴果です

花冠は普通5裂し長さ4㎜くらいで、花期は5月末と前2種より少し早い。


雄しべ雌しべとも比較的長い


冬至の朝は冷たくサクラソウ自生地でミニミニ体験もしました

2009年12月22日 22時03分21秒 | Main
冬至の今日、朝は冷え込むが日中はこの2~3日より暖かくなるとの予報だった。
でも、一年で一番遅い朝を実感したくて6時45分に家を出た。明るくはなっていたが完全に明るくなったのは7時頃だった。自転車をゆっくり走らせたが、手袋をしても指は冷たく、顔にあたる空気の冷たさで自然に涙が出てきた。
朝日に輝く富士が見えた。山並みも青くつらなっていた。


右前方のの木にはカラスが2羽飛んできました

サクラソウ自生地は枯葎や観察路にうっすらと霜が降りていた。ユウガギクなどの枯れ姿にも霜がついて彩りを添えていた。

冬至は太陽の最も衰える日とも、太陽が復活する日ともいわれる。
太陽が昇り、厳しい朝の寒さが和らぐかと思いながら観察路を歩いていると、突然あたりが陰り始めた。太陽が雲間に入ってしまったのだ。どんよりした大きな雲の層で周囲が寒々とした枯景色に変わった。太陽が衰えたそんな感じだった。


真ん中の白いところにから上の雲に太陽が隠れ始めました

完全に陽射しが戻ったのは小一時間ほど経ってからだった。その時の気持ちは将に太陽の復活だった。
冬至の自生地でそれこそミニミニ冬至も実感した朝だった。


サクラソウ自生地で唯一生きている感じのハンノキの雄花序

防寒はしていたので震えるような事は無かったが、帰ろうとした時にはカメラを持った素手は殆ど感覚がなかった。やっと普通に戻ったのは家に帰ってからだった。


好天で思いがけない鳥たちとの出会いがありました

2009年12月20日 19時31分23秒 | Main
小鳥たちにとっても晴天で無風の好天は嬉しいのだろう。
足元から飛び立った小鳥がすぐ近くにとまった。どうせ雀だろうと思いながらそれでもシャッターを押した。後で見ると冠毛がありヒバリで、留鳥だから冬でもいるのは不思議ではないが、今の季節チョット意外だった。

田起こしされた田圃で何やら動いていた。もしやタゲリと思い目を凝らすと正解だった。今シーズンは初めてで好機到来とばかりシャッターを押した。タゲリも田起こしされた所は保護色になるのを知っているのだろう。よ~く見ないと見え難い。


掘り起こされた土塊の中にタゲリが結構います

少し近づきすぎたのか、ほどなくミューと猫みたいな鳴き声が聞こえたと思うと次々と飛び立った。しばらく上空を旋回していたが次第に南の空に消えた。


タゲリ(田鳧・田計里)チドリ目チドリ科 主に冬鳥として水田や畑、河原などに飛来

用水路沿いの少し前方をハト大の鳥が低空飛行で横切った。猛禽類の飛び方のように感じた。飛んだ方向を目で追うと少し距離があるが杭の先にとまった。慌ててカメラを出した。2枚撮っただけで何処かへ飛び去った。
残念ながら2枚とも後ろ向きだった。背や尾の様子からコチョウゲンボウかチョウゲンボウのようだった。定かではないがネズミのようなものを咥えている。「コチョウゲンボウは地上の小動物を捕える事は少ない」(野鳥観察図鑑)とするとチョウゲンボウだろうか。


チョウゲンボウ(長元坊)タカ目ハヤブサ科 キジバトより少し大きい

羽根倉橋近くで野球グランド横を走っていると何か飛んできて近くにとまった。どうせ逃げるだろうと思いながらも止まってみた。
驚いた事に逃げずに棒の先にとまっていた。しがし1枚撮って次をと思ったところでいなくなった。写真を見るとモズだった。グランドではツグミが無人のグランドをツツー、ツツーと動き回っていた。


モズ(鵙、百舌)スズメ目モズ科 名は{百鳥(ももとり)=多くの鳥}の声を真似る事から


キカラスウリとカラスウリについて NO5 種子の形はカラスウリに軍配です

2009年12月17日 22時18分29秒 | Main
カラスウリとキカラスウリの見分けの大きなポイントの一つとして種子がある。


上は赤の、中は橙黄色のカラスウリ、下はキカラスウリの種子

カラスウリの種子は形を結び文に見立てた玉章(たまずさ)の別名があり、カマキリの頭に似ているとも大黒様に似ているともいわれ財布に入れておくとお金が溜まるなどの言い伝えもあり多彩だ。その形は「キカラスウリの縁にあたるところが圧されて帯となっている」(日本の野生植物)という。


打出の小槌にも似ているといわれるカラスウリの種子

対してキカラスウリの種子は淡褐色でカラスウリの種子より大きく長さ約1㎝。扁平の卵形または楕円形で片面の中央がやや凹んでいるものが多い。


カキの種とも形容される平凡な形のキカラスウリの種子

10月10日には長さ7cmの大きくて真っ赤に熟したカラスウリだったが、2か月以上置いていたので開けてみると果肉は乾燥し、繊維だけが目立っていた。種子は灰褐色で幾分小さい。数は40個だった。
個々の種子が小さく感じたので橙黄色の長さ6㎝くらい、幅3㎝の個体を開けてみた。やはり先のものより幾分大きく黒い種子が45個、未成熟が8個出てきた。


カラスウリのそれぞれの液果の皮と種子

12月7日に採取した直径約7㎝のキカラスウリの種子は全部で160個だった。一番最初から黄塾していたのに淡褐色に成熟していたのが124個で淡黄色の未成熟種子が36個もあった。但し未成熟種子といってもカラスウリとは違って形も大きさも同じで単に色が違うだけだった。


しっかり果肉に包まれている種子を出すのに30分以上かかりました