フグさんの雑記帳

さいたま市の荒川河川敷を主なフィールドとして四季を綴っていきます。

種の多様性維持の為の雌しべ先熟はオオバコでも顕著でした

2009年05月29日 17時19分20秒 | 花の和名
オオバコは踏みつけに強くまた踏まれながら繁殖していくと云われ、平地の路傍から人間が歩く所には山の奥でも繁殖を広げているという。名は広い大きな葉にちなんで大葉子。
荒川河川敷の昭和の横堤下の雑草の中を歩いていたら大株のオオバコが群生していた。当然のことながら踏みつけが無い所ではノビノビと育っていた。

大きな花穂は伸び出した薄紫の葯がきれいだった。上の方には白い糸状の雌しべがハッキリ分かる。まさしく雌蕊先熟で先に伸び出した雌しべが他の花の花粉を受けた後で雄しべが伸びて花粉を風に乗せる。種の多様性維持の為に同花受粉を避ける風媒花の巧まざる知恵だ。


白いのが雌しべで花粉を受ける為の突起があります
薄紫の葯の雄しべは雌しべの下に付きます


今荒川堤防ではヘラオオバコが初夏の風に花穂を揺らせています

2009年05月26日 19時20分47秒 | 花の和名
GW前後に除草作業が行われた秋ヶ瀬周辺の荒川左岸堤防上はスイバやギシギシの丈の高い種が刈り取られて、その後に背丈を伸ばしたヘラオオバコの独壇場だ。

ヘラオオバコは幕末に渡来したといわれるヨーロッパ原産のオオバコ科の多年草。全て根に付く葉の形がヘラに似る事が名の由来という。
花茎の先の円錐花序は下から咲き始める。オオバコと同じだが草丈があり、花糸が長く円形に張り出した白い葯が咲き上っていく様子は面白い。


左の花は咲き終わり寸前で、右はこれから咲上ります

ヘラオオバコは風媒花で雌蕊先熟。と云う事は雄しべが咲き上るより早く雌しべが伸び出していなければならないのにそんな様子は全く見られない。それもそのはず、雌しべは5㎜にも満たない単なる糸みたいなものだ。ルーペでもなければ確認は不可能だ。


上方の花穂に小さい白く伸びるのが雌しべ


オヤブジラミは果実をつけ、ヤブジラミが咲き始めました

2009年05月23日 19時19分46秒 | 花の和名
荒川河川敷のゴルフ場脇の自転車道迂回路にヤブジラミの白い花が咲き始めた。

藪の虱とは奇妙な名前だが、果実に棘がありその刺で人や動物に良くくっつくからと云う。白い小さな花がかたまって付くのも虱がたかるイメージに重なったのかもしれない。そう考えると鳥肌が立ちそうだが花は清楚で美しい。

同じセリ科のオヤブジラミはそろそろ終わりで実の方が多くなっている。両者ともセリ科ヤブジラミ属で花期はオヤブジラミが4~5月でヤブジラミは終わった頃にバトンタッチを受けたように咲き始める。
オヤブジラミは全体的にも果実も大きいので雄藪虱。花も果実もヤブジラミより疎らにつき、全体的に紫がかるので判別は比較的容易だ。


田島ヶ原サクラソウ自生地でハナムグラが咲き始めていました

2009年05月19日 21時57分26秒 | 花の和名
今日はゴルフの予定だったせいか早く目が覚めてしまったので、5時30分頃荒川河川敷を目指した。露がびっしり降りて草むらを少し歩いただけで靴はびっしょりだった。
秋ヶ瀬の野鳥の森ではコナスビの小さな黄色い花を見つけた。


コナスビはサクラソウ科の多年草。花径約6㎜

田島ヶ原ではバラモンギクの咲き終わりにキリギリスのような虫がついている。何気なく写真を撮ったら何かおかしい。羽化したばかりなのだろうか。


虫の横の肌色の殻?には全く気付きませんでした

サクラソウ自生地では15日にはまだ蕾が硬かったハナムグラが咲き始めていた。

ハナムグラはアカネ科ヤエムグラ属の多年草。4~6枚の輪生状につく葉は2枚が対生する葉で、他は托葉。花冠は4裂、雄しべも4本、雌しべは2本に分かれる。


ハナムグラは多くの白花を付け美しい事からで、牧野富太郎博士の命名


朝の採餌タイム中のムナグロ達に会いました

2009年05月14日 22時49分47秒 | 風物詩

朝7時少し過ぎに西区島根の水田でムナグロらしい群れを見つけた。逆洸だ。回りこもうとしたら近づきすぎて飛び立たれてしまった。しまったと思ったが少し遠い区画の仲間の所に合流した。全部で30~35羽はいそうだ。


右手の2羽は換羽中のようです

3羽とも夏羽。顔から腹までの黒が鮮やか

15分弱くらいで朝食タイムが終了したのだろうか、笛のような可愛いキュピィという一声が聞こえたと思ったらいっせいに飛びたっていった。

ムナグロは春秋の渡りの途中に全国各地に飛来するチドリ科の旅鳥という。
そういえば去年初めて見たのは5月1日で、その後7日にも再度出会った記録があった。
ムナグロは文字通り胸黒、全長約24㎝でスズメのほぼ倍だ。昆虫、甲殻類やミミズ、ゴカイ類などの動物質が主食。雌雄同色。


何処にでもいるはぐれ者。3羽は仲間が飛び立ってもそのままでした