Retrospective...

イラストレーター/ライター遠藤イヅルの困った嗜好をばらす場所

たまには2CVの話でも(1)

2004-12-22 | シトロエンな話。
ぜーんぜん出てこない2CVの話題。
まあ、それだけ何も無く過ごせている証拠なわけですね。

ところで、本館のページで詳しく書いているのですが
「字が多すぎて読むの面倒なんだよう」という方にざっと
説明しますと、1948年から実に1990年代の初めまで
ほとんど姿を変えずに生産され続けたとんでもない古典車です。

僕のは1987年製ですが、知らない人には戦前のクルマだと言われました。
むべなるカナです。

このクルマの成立した事情が好きで、まずこの2CVを説明するのに
この話からします。

「第一次大戦終戦で疲弊したフランス。
当時のシトロエン副社長が地方を訪ねて驚いた。
パリ市内はクルマで溢れているというのに、
そこでは未だに手押し車が荷物を運んでいたからだ。
そこで彼は早速エンジニア達にある条件を提示し、
それをクリアするクルマを作るように命じる。

●可能な限り簡潔につくる
●乗員4人が無理なく乗れる
●50キロのジャガイモが運べる
●かごに満載した卵をどんな悪路でも割らずに、50キロ出せる


エンジニア達は素晴らしい頭脳でこの難問と闘い、
そして大戦を挟んだ1948年に、ついに2CVは登場した。
でも時の大統領は、2CVをみて言葉を失った。
お世辞にも美しいとは言えない、ブリキ細工みたいなそのクルマを。
だが、このクルマのターゲットである農民たちは、
このクルマの価値を真っ先に見いだした。
2CVはやがてフランス全土を埋めつくした」


そうなのです。誰もが乗れて、誰もが所有できるアシとして、
このクルマは開発されました。設計思想がとても優しいのです。
これらの思想が生み出した結果、
「簡潔でタフな構造、広い室内、高い実用性、素晴らしい乗り心地」
を持つことが出来た2cvが、何十年も生きながらえた理由もうなずけます。

「2CVはくるまにあらず、それそのもの」
とあるシトロエンのデザイナーがそう言ったそうです。
まさしく、その言葉がぴったりです。

>>といいつつ天の邪鬼な僕は、この2CVの派生車種である
アミやディアーヌにも心を奪われる毎日なのです。とほほ。
(あ、他のクルマにも、ね^^;)

>>やっと東京も本格的に寒くなってきました。
この車、暖房あるにはあるのですが(無いと言えば無い...)、
基本はブランケット装備です。
こんなナイナイづくし・あるのは快適な乗り心地と椅子だけ
というこの乗り物、やはり捨てがたいのです。
コメント (4)
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