BAMBOO-JET  ~うみの部屋~

タケノコジェットでどこへでも!
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獣の奏者 探求編 完結編

2009-10-21 23:09:58 | 読書感想文
前作の2冊「闘蛇編」「王獣編」で一度完結したはずの「獣の奏者」ですが、このたび続編がでました。
今NHKでアニメ「獣の奏者エリン」が放送されていることもあり、知名度が上がったと思う。
いつの間にか文庫版まで発売されていてびっくり。
ハードカバーは分厚くてかさばるから、文庫版の方がいいなぁと思いつつ新刊が出たら即ネット買いしました。
前作で完結したとき、たしかに納得はしたものの「あれ・・・これで終わり?」みたいな気持が残ったので、続編が出てくれたことはすごくうれしい。
そして続編では予期せぬことに、主人公エリンが結婚して息子までいたことに驚いた
ファンタジーの児童文学作品で主人公が母親ってあんまりないケースだと思います。
てっきり前作の直後から始まるのかと思ってたので、びっくりでしたねー。
前作2冊分の記憶が抜けてたので、獣の奏者の世界観をつかむまで大変でしたが、4作目の完結編からぐんぐん面白くなっていきますね。
エリンの生き物に対する洞察力、リョザ神国を囲む世界の国同士の関係など、相変わらず広い世界観で壮大なファンタジーと思います。
そして今や母となったエリンと夫、その子供との関係もさらに濃密に描かれてます。
この夫婦の関係が切なくて好きです。イアルかっこいいなぁ。
息子のジェシもかわいいし。
ラストがさらに驚いた。
想像外の最後です。
まさかエリンが死んでしまうとは。
上橋さんの作品で主人公が死んでしまうっていうのは非常に意外です。
最後はハラハラして悲しくて泣けました
本で泣けたのは久々かも
すごく苦悩してたっていう印象が強かったのですが、それでもエリンの人生は素晴らしかったと思います。結果的にエリンの望むようなことになったのだし。
最後の戦いでの王獣の傷つく姿は読んでて痛かったですね。
エリンの半身でもあったリランも一緒にいなくなってしまうなんて。
この本を読んでるとすべての生き物は尊いと思えてくる。
とくに王獣という生き物。
エリンが王獣部隊を操って、夫のイアルに見せるシーンなどぞくぞく来ちゃいました。
ファンタジーですが、これは大人向けの作品だと思いました(内容が難しい)。
次の上橋作品も楽しみです♪

○獣の奏者 探求編 完結編 講談社 上橋菜穂子