BAMBOO-JET  ~うみの部屋~

タケノコジェットでどこへでも!
読んだ本や見た映画、食べた料理、旅先、育児や日常のことなど、趣味をつらつら語ります

光が死んだ夏

2022-03-31 17:12:24 | 読書感想文

 

こちらは今日読んだ本です。

SNSで話題になっていて、書籍化されたと同時に発売日に売り切れ。

フリマサイトで高額で取引されてるのがいやで、

重版を待ってアマゾンで頼んでおいたのがこのタイミングで届きました。

これ、ホラー漫画です。

なんか得体のしれない不気味さが漂う話。

でもあからさまに怖いお化けが出てきたりとかそういうのではないのだが、

山に入って死んだ友人の体に得体の知らない化け物が入り込んで、

友人が生き返って帰ってきたという話。

でも友人はニセモノで、主人公が気が付くとこから話が始まる。

見える人には見えるようで、対外が女性なんだけど、離れるように忠告してきたり。

でも主人公はその友人におそらく恋愛感情的な特別な思いを抱いていたから、

怖くて友人はニセモノだとわかっていても突き放すことができない。

これ、続きがめっちゃ気になりますね。。。

この先二人は一体どうなるんだろうって。

怖さよりもニセモノの友人も主人公のことが好きになっているため、

人と人以外の者との恋愛、しかも男同士(見た目が)がどんな関係になっていくのか。

じわじわと怖さと切なさが相混じった話で、これはたしかに話題になるなぁと思いました。

ちなみに友人のヒカルくん(中身は化け物)はしぐさとかかわいらしくてけっこう好きですね。


海が走るエンドロール

2022-03-29 17:34:52 | 読書感想文

ここぞとばかりに読もうと買い込んでおいた漫画を読みまくる。

まずは「海が走るエンドロール」

ボニータコミックスです。

ボニータってすごく懐かしい。。。

まだあったんだねぇ。

この漫画はFM青森で紹介されてたんだ。

すごい漫画があるって、、、!

なんでも夫に先立たれた65歳のお婆さんが主人公。

偶然映画館で一緒になった少年と交流することによって、

映画を作る世界へと足を踏み出すストーリー。

やわらかい雰囲気のある絵も素敵なのだが、

ストーリー展開がなかなかイイ。

二人の心の機微なんかを波や海に例えているのも面白い。

いくつになっても好きなこと、やりたことに取り組む人は輝いて見える。

うみこさんがどんな映画を作るのか、気になりますね。


私の少年

2022-03-27 16:39:27 | 読書感想文

ショタコン?の漫画なのかな?

12歳の少年と30歳の女性の物語。

真修くんは超絶美少年で、初めは女の子と間違ってしまうくらいの見た目。

主人公の聡子は明らかにネグレクトっぽい感じの少年の気配にほっておけなくて、

夜の公園でサッカーを教えたり、お寿司に連れて行ってあげたり、

色々交流してるうちに何か言葉にはできない信頼関係のようなものが二人の間にできてしまって。。。

恋愛でもなく、あえて言えば友情関係なんでしょうね。

年が離れてて男女というだけで。

 

お互いがお互いを必要とし大切に思うなら、ずっと一緒にいろよって思ってしまった。

でも相手はまだ未成年の少年で、法律とか世間の目とかいろいろ降りかかってくるんですよね。

聡子が仙台に飛ばされたり、距離的にもいろいろ離れたりするんですが、

結局また偶然にも再開して連絡を取り合うことになって。

お互い成長していく中で、二人とも改めて相手の存在価値に気付いていく。

好きという言葉は出てくるけれど、

最後までそれが男女としての好きを越えて、人として、

一人の人間として、好きという感じがしました。

7巻の終わりで常に大人であろうと振る舞う聡子に向かって、

「大人でなくてもいい」と伝える真修の横で、

中学生の姿になった聡子がずっとうまくいかなかった母親との関係を吐露する場面はとても良かった。

真修の前で小さな女の子になって、

子供のころから抱えていた親への不満とか泣きながらさらけ出している聡子がすごくかわいくて愛しかった。

最終巻でも真修の瞳に映る自分が一番好きという聡子の話を聞いて、涙する真修もすごく愛しい。

 

二人の関係が始終エモかった。

これ以上もう言葉にはできないです。

 

 

 


はじめての

2022-03-18 14:16:28 | 読書感想文

音楽ユニットYOASOBIと直木賞作家とのコラボレーション。

昨年からYOASOBIの歌の世界観が好きでよく聞いているので、

この小説のことを知って早速購入して、土日であっという間に読んでしまった。

はじめて、、、をテーマに4つの小説が収録されています。

「『私だけの所有者』ーーはじめて人を好きになったときに読む物語」(島本理生)
「『ユーレイ』ーーはじめて家出したときに読む物語」(辻村深月) 
「『色違いのトランプ』ーーはじめて容疑者になったときに読む物語」(宮部みゆき)
「『ヒカリノタネ』ーーはじめて告白したときに読む物語」(森絵都)

購入のきっかけとなったのは、「私だけの所有者」が読んでみたかったから。

アンドロイドの恋?というやつかな。

この曲をイメージしたYOASOBIの楽曲「ミスター」もすでに配信になっていますが、

とても切ないストーリーではあったけれどそんなに感情移入できなかった。

なんだろう、私はSFが苦手かもしれないですね。

4つすべてを読んでみて、一番好きだなぁと思ったのは「ユーレイ」でした。

辻村さんは初めて読んだのですが、文章がとてもみずみずしくて美しかった。

主人公が思春期の女の子っていうのも壺で、

思春期特有の危うさと先の見えなさ、不安、そして「家出」という言葉の持つ背徳感と甘酸っぱさ。

成人した大人が主人公だと家出にはならないからね。

そこは自分がはるか昔に通り越した通過点を重ね合わせているようで、

すごくしみる文章でした。

それでいてストーリーは少しハラハラドキドキもして、読んだ後のさわやかさと言ったら!!

私も家出したことある(小学校の時の話ですが)ので、

この主人公とは全く状況が違うけれど、どこか雰囲気がわかる気がしました。

 

次にいいなって思ったのが、「ヒカリノタネ」かな。

森絵都も青春もの書かせたらピカ一なくらい、文章が素晴らしい。

好きな男に4回目の告白を試みるという女子高生の物語で、

こちらもアップテンポな展開のストーリーでやっぱり現代ものの話が私は好きらしい。

4階も告白したいと思うくらい好きな人に出会えるっていいよね。

その分ハードルが高くなるので不安や悩みもわかるけれど、

勢いで告白してる主人公がまた共感できる(告白は勢いでしょう)!!

もし私の周りに好きな人に告白してフラれて、それでも忘れられなくて苦しい、

みたいな人がいたらまた告白しちゃいなよ!ってアドバイスしちゃいそう。

フラれ方がよっぽどこっぴどい感じでなければ(相手にもー、超迷惑だなんて言われたらしょーがないけれど)、

3回ぐらいしてもいいのではないでしょうか。

そのうち好きなのかそれは執着なのか自分でわからなくなりそうだけれどね。

好きな人に好きって自分の気持ちを伝えられることってすごく素敵なことだと思うのだよ。

それができない時代や背景も過去には存在してたんだろうし。

相手が存在してるからこそできる奇跡だしね。

 

ところでYOASOBIとのコラボ曲、第2弾も楽しみですね。


十億のアレ

2022-02-08 14:00:03 | 読書感想文

コロナであんまりお出かけもできないので、

1月から土日はほぼ引きこもり(買い物以外)です。

映画を見たせいか呪術廻戦に再びハマる。

また一からコミックスを読み返しているので、引きこもりでも全然退屈しません。

さらに「鬼滅の刃遊郭編」も青森だと土曜日に放送してくれるので、

放送直後は土日中に3回(自分一人、子供と一緒、旦那も併せて)も見るので、

休みなんてあっという間だったりします。

さて、楽しみにしてた漫画の続きがやっと出た。

「十億のアレ」3巻4巻。

1.2巻が同時発売して読んでたのですが、いつの間にか続きが(2冊同時発売)。

これ「電子コミック大賞2021」を受賞してるんですね。

マンガ大賞なら聞いたことがあるのですが、

紙化されていない漫画もあるから電子コミックの賞なんてものも今あるんですね。

でも気に入った漫画はやはり紙で読みたい派なんで、

ずっと単行本が出るのを待っていました。

すごく面白いです~。

現代によみがえった吉原遊郭が舞台のお話。

親に売られた少女アザミが花魁を目指していく、成長ストーリー。

遊郭が舞台ですが、あんまりエロくもないです。

きらびやかな衣装と男性客とのやり取り、また遊郭を運営するために働く人々との交流。

恋愛もいろいろ絡んできて、アザミが好きになった三倉とどう結ばれていくか気になって(結ばれなかったらどうしよう。。。)、最後まで見守っていきたい漫画ですね。

またアザミの客となる男性陣も癖のあるキャラが多くて、、、

ま、遊郭は男の夢が詰まった場所みたいなもんだからなぁ。

面白い漫画ばっかり買ってしまってあっという間に家の本棚のスペースがなくなるわ。

 


選んだ孤独はよい孤独

2021-12-23 16:01:00 | 読書感想文

お気に入りの山内マリコさんの小説をまた読みました。

短編集なのでサクサク読めて、しかも面白いです。

男性がどれも主役のお話ばかり集めていて、

中にはむかつく男性も多いのですが、

舘林さんという人がイケてる、かっこいい。

夢をあきらめて会社に入ってきた人を見抜いて、

ここから逃げ出せ、「オレが逃がしてやる」と。

このお話がいちばんも面白かった。

タイトルにある「孤独」にも注目。

この言葉は決してさみしくも悲しくもない。

下手に異性とかかわりを持つよりは「孤独」の方が居心地がいい。

自由であり、ストレスフリーであり、孤独も悪くないのだと思える。

やっぱり山内さんの小説好きですねー。

このお正月休みはたくさん山内作品を読みます。


インドの大道商人

2021-12-02 16:06:09 | 読書感想文

とても古い本なんですが、

インドの道端で商売をする大道商人を長年取材したルポ。

これを読むとありとあらゆる商売があるんだなぁと感心してしまう。

中でも面白そうなのが「耳かき屋」ですね。

あと「へびつかい」の仕事もインドならでは・・・。

なかなか海外旅行がいけない昨今、

こういう本で海外の異文化に触れるのが面白いです。

インドは一度乗り換え便の関係で一日だけ滞在したことがあるぐらいで、

それも20年以上も前のことであります。

たった一日でも強烈な印象でした。

一度じっくり旅をしてみたいと思いつつも、

なんせ広大な国ですし気軽に行こうとできなのがインドです。

インドはカーストという制度があって、代々その家は同じ仕事を受け継ぐという。

しかしインドが世界のIT技術者の排出国となった今、

この本にある商売はどのくらい受け継がれているのか。

いつか死ぬまでには一度行ってみたい国ですね。

 

 


どこからきたの こねこのぴーた

2021-11-12 11:58:21 | 読書感想文

とてもかわいい絵本です。

1年に何度か、たいようがこども園から本を借りてくるのですが、

先週末借りてきた本が素敵過ぎました。

とても古い本で初めて目にします。

こねこのぴーたがハエやカミキリムシ、ガマガエル、

などに遭遇するたびにお母さん猫のもとに戻って、

その都度お母さんはぴーたに色々教えてあげます。

どこからきたの?

根気よくぴーたの質問に応えてあげる母猫の姿が素晴らしい。

自分も見習わねば、、、と思いました。

愛らしい子猫の冒険の絵と母猫のやさしさに、

たいようもいたく気に入ったようで何度も読んでほしいとせまがれ、

終いには自分で字が読めないのにストーリーをだいたい覚えて、

こちらに読み聞かせてくれるくらいです。

これは大変珍しく今まで借りてきた本では初めてのことなので、

返して本がなくなるのが寂しくて中古で本を探しました。

無事手に入り、お気に入りの本が増えてことが嬉しいです。

 

 


ある男

2021-11-09 15:41:34 | 読書感想文

久しぶりに図書館から借りた本を読破。

「マチネの終わりに」の平野さんの本。

以前文庫本の巻末でこの本の予告を見て、

あらすじから読んで気になってたのです。

亡くなった夫が偽名を使ってたというところから始まって、

夫は一体誰だったのか(Xということになってますが)?

ちょっとしたミステリーっぽい話ではあります。

恋愛小説だった「マチネ、、、」とはえらい話の雰囲気が違いますねぇ。

主人公は奥さんではなく、奥さんから依頼を受けた弁護士であります。

事実はそこまで衝撃的ではないものの、

何らかの理由で過去を変えて、別の人間で生きなおしたいと思う人はいるだろうなぁと思う。

戸籍の交換、売買、取引、、、事実ありそうな話。

ハッピーエンドではないので、ちょっと切ない話ではあります。

在日の主人公に関するヘイトスピーチにも触れていて、

反日に関する中国、韓国のニュースなどよくメディアで取り上げられますが、

日本もこの手の差別を平気で口にする人が多い(少なくとも私の周りでは)なぁと、

感じるこの頃でありました。

こういう差別を出来るだけなくしていけば、日本ももっと住みやすくなるだろうに。

 

 

 


かわいい結婚

2021-09-17 14:56:11 | 読書感想文

「あのこは貴族」が面白かったので、

地元の図書館で山内マリコの本を借りてきました。

タイトルは「かわいい結婚」。

タイトルはかわいい、、、けど、どこか毒があるかわいいでした。

短編が3つ、どの話もたしかにかわいい話なんだけど、

読んでると理不尽に思えてくる場面もありましたね。

1つ目は家事苦手な女性のお話。

こればっかりはしょうがないと思うのですよね。

家事は女のやる仕事とどこか昔からの決め付けがありますが、

私も料理が好きじゃないし、洗濯はまぁまぁ好きだけど、

掃除は毎日やる分にはいいけど、大掃除は苦手とか。

主人公が奮闘して火事ができるようになったとき、

それが一生続くことに気がついて絶叫する場面とか、

ぞっとしてしまうくらい怖いです。

個人的には2話目の結婚に踏み切らない彼氏が、

ある日起きたら女性化していたという話が好き。

女になって初めて女側のことがわかるという、

ある意味女の理想的な願いが込められた話。

あくまで女性が書いた話なんで、ほんとに男性がこう感じるかはまた別なんですが、

全ての男性に一度こういう状況になってほしいなと思います。

ラストで男性が女装に目覚めて、

結婚後夫婦でおしゃれ(女装)してデートしてるシーンが大好きです。

うちはそうじゃないけれど、結婚後も女友達みたいに楽しめるパートナーっていいですね。

全体的にコミカルでショートストーリーなので読みやすかったです。