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正体を現した裁判員制度の嘘

2007-06-03 | 政治
 裁判員制度がいよいよ来年から開始される。この制度は裁判所の責任を国民に押しつける無責任な制度だと思っていたが、裁判所では公平な裁判をするためのものと大々的な宣伝を続けてきた。裁判員には選挙人名簿から籤で公平に選ばれる(約70人に一人とか)と一般に思われてきたし、裁判所も説明してきた。

 私は選ばれたらどうやって責任を回避しようか、なんとか逃れる方法はないかと考えてきた。素人のわれわれが警察や検察の言うことをどうやって判断できるか、また刑の大きさを軽々しく決めることへの畏れがあった。しかし、選ばれたらむしろ積極的に参加して死刑制度を実行させないようにした方が良いのではないか、なんて考えていた。

 いや、それは権力を甘く見ていたことだと気づかされた。これから始まる裁判員制度はそんなに公平なものではないということが、今になって見えてきた。裁判員制度の手続きに関する最高裁規則の要綱がまとまったらしい。それによると、籤で裁判員に選ばれた人は裁判官によって事前審査されるらしい。とくに警察官や検察官が証人になる裁判の場合、「警察官や検察官の証言は信じられますか?」という事前質問があり、また死刑の可能性がある場合は「あなたは死刑制度に反対ですか?」という質問があるらしい。もし、「最近のえん罪事件などをみると、警察の取り調べや証言は信じられない」と答えたり、「死刑制度には反対です」と答えると、公平な裁判を期待できないという理由で検察官が裁判員を忌避できるという。

 これって、検察の言うことを信用しないようなやつは裁判員にはしないということを意味している。つまり検察の言うとおりに判断する(有罪にする)人でなければ裁判員にはしない。これまで裁判所は模擬裁判などで裁判員が裁判に参加したときのことだけを宣伝してきたが、実はその前に裁判員にするかしないかを検察が決めることができるという重大な事実が隠されてきたのだ。

 いよいよ裁判員制度のおかしさが明らかになってきた。結局、裁判員に選ばれたらどうしようという問題ではなくなった。裁判員制度そのものをやめさせる必要がある。
参考HP: http://www.interq.or.jp/enka/svkoya/saibanin.html/

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