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歯舞・色丹、先行返還は時期尚早

2018-11-19 | 政治
安倍首相がプーチン大統領と会談して、これまでの日本の外交原則を変更するような提案をしたと報じられている。四島返還が平和条約締結の前提条件という立場を捨てて、二島返還を書いた日ソ共同宣言の立場にかえって、領土問題を交渉しようと言うのだ。これまでの外交では、数兆円という巨額の援助を各国に与え続けたけれども、これといって特段の成果を生まなかった。さらに先のプーチン大統領の発言「まず平和条約を前提条件無しで結ぼう」という言葉に、ただ苦笑いをしただけで何の反論もできなかった。恥ずかしい安部外交の敗北の図だった。焦った安部の日露交渉での提案。果たして二島も貸すだけだというロシアの意図も見えてきた。
 テレビのワイドショウなどでは、二島返還で領海が広がり、漁業権も日本が設定できると喜ぶコメントが増えた。アベに忖度したコメンテーターたちばかりだ。でも、この歯舞・色丹両島の周辺は、ソ連時代から禁漁区なのだ。いっさいの漁業は禁止されている。そのために、この海域は、多くの海獣や海鳥が棲み、海の中にはハナサキガニ、ホタテガイ、コンブ類がひしめいている海になっている。日本の北海道の漁業は、この禁漁区から供給される魚や貝に依存しているのだ。ところが、日本に施政権ができると、日本はどうするだろうか。島にはホテルが建ち並び、周辺海域は汚される。漁業権が設定され、水産資源は取り放題。あっという間に、海の生きものたちはいなくなってしまうだろう。数年もてば良いところ。知床半島といっしょにこれら四島を含めて世界自然遺産に指定してはどうかという提案もあったが、日本政府は頭からこれを否定してきた。日本に帰ってきたらこの禁漁区は海洋保護区として、大切に保全する必要があるが、それを考えている日本人はいない。それでは、二島といえども日本に帰ってきて欲しくない。日本が四島をどう守って行くか、その体勢を作ってからでなければ、返せとは言うべきで無い。

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