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福田外交はまずまずか?

2007-12-29 | 政治
 福田首相が中国を訪れて日中首脳会談に臨んだ。日中の懸案は簡単には片付かなかったようだ。アベから福田への転換に時間が必要だったから、簡単にはいかないだろう。

 しかし、福田首相が北京大学で行った講演は、原稿棒読みでパーフォーマンスとしてはけっしてできが良かったとは言えないが、内容はこれまでのアベ外交からの転換をはっきりと述べた点で評価できる。福田さんは親父の福田赳夫首相が日本のアジア外交の原則として提出した福田ドクトリンをかなり意識し、それを引き継ごうとしたと思われる。

 福田ドクトリンとは、1977年8月に当時の首相である福田赳夫が東南アジア歴訪の際に表明した東南アジア外交3原則で、その内容は、(1)軍事大国とならず世界の平和と繁栄に貢献する。(2)心と心の触れあう信頼関係を構築する。(3)対等な立場で東南アジア諸国の平和と繁栄に寄与する、の三つ。簡単に言えば、対等・信頼・平和と繁栄である。これらは、コイズミ・アベ内閣の外交に決定的に欠けていたものである。

 支持率の下降が続く福田政権だが、福田さんが年末の休暇を使ってまで中国に行ったのは、この外交で福田政権の支持をつなぎ止めたいという思いがありそうだ。たしかに、これまでのコイズミ・アベ外交の失敗を見てきたわれわれは、同じ自民党政権とは思えない外交の転換に驚く。これなら民主党の前原某などに外交をやらせるよりはよっぽどましな外交ではないだろうか。民主党に政権交代をさせたいが、民主党の外交路線がいったいどうなるのか、それがわれわれには見えてこないので、心配な面が多い。自民党より右の民主党議員もいるのだから。

 民主党は政権を取ってからではなく、いまこそ外交路線をはっきりと示して欲しい。福田ドクトリンはアジア外交の基礎ラインだろう。その上にどのようなアジア外交を展開するのか、平和と繁栄にどのように寄与するのか、示す必要がある。選挙は近いが、福田さんが外交で持ち直すと選挙も危うい。