ごまめの歯ぎしり・まぐろのおなら

サンナシ小屋&京都から世界の愛する人たちへ

正義は回復するだろう

2007-12-01 | 日記風
雨のしずくがぽろぽろとする日比谷野外音楽堂に、ぎっしりと人々が詰めかけた。広い会場の周りには立ちづめの人が並んでいる。久しぶりに大勢の人たちをこの野音で見た。7,300人が参加した会場には熱気が感じられた。寒くて体は震えていたが。

 国鉄の分割・民営化と称して、露骨な組合差別を行い、戦う国労つぶしをもくろんだ中曽根内閣と、本質を見ずに国鉄の赤字を作ったのは組合だという政府の宣伝の先棒を担いで国労バッシングに狂奔したテレビや新聞。その陰に5000人近くの組合員が職場を離れ、人格を否定する職場への配転を強要された。そのあげく、1047名は解雇。彼らの戦いはそれから20年を迎えた。

 戦いに疲れて病に倒れた人、自殺した人、家庭崩壊をした人もいる。1047人は、国を挙げての不当労働行為の犠牲になった人たちだ。彼らと彼らの家族の20年の闘いは、ひとえに人格を否定された悔しさに支えられている。この不法な国家犯罪を許し、認めてきたときから、日本では不正義が大手を振って歩くようになった。

 正義よりも力、正義よりも金。この20年はそのような不正義が正義を駆逐してきた時代といえるだろう。そして今、憲法を踏みにじった海外派兵が大手を振っている。

 けれども少しばかり希望が見えてきた。アフガニスタンへの派兵は、テロ特措法の延長ができず中断した。イラクへの派兵はイラク特措法廃止法案が参議院で可決された。

 今日の集会では、民主党の国会議員が共産党や社民党の議員よりもより明確に1047人の解雇を解決することの重要性を述べていた。政権が交代すれば、1047人の解雇は撤回される可能性も出てきた。裁判所では全動労の判決が近々出る。最高裁では、国と国鉄の責任を認めた少数意見を書いた裁判官が長官になった。少しずつ情勢は変わってきている。

 7000人以上の戦う仲間たちの中で、私は久しぶりに解放感を味わっていた。体制を支える人たちに囲まれた孤独な闘いは、私を疲れさせていたようだ。ここには大勢の仲間がいる。連帯感が沸いてくる。

 7,300人と一緒に銀座を散歩した。雨もいつか上がっている。明日はいい天気になるといい。 のち