ごまめの歯ぎしり・まぐろのおなら

サンナシ小屋&京都から世界の愛する人たちへ

暖かな海で初詣と博物館

2007-12-27 | 日記風
 お正月はどこも混んでいて、しかもなんでも料金が馬鹿高くなるので、一足早めに初詣を済ませてきた。場所は日蓮宗大本山の誕生寺。日蓮上人の生まれた土地に建てられたお寺で、千葉県天津小湊(現在は鴨川市)にある。いわゆる外房の暖かな黒潮の影響を受けた海に面した小さな街だ。

 初詣の準備に忙しいお寺に早めに参詣して、お正月には寝正月を決め込もうという魂胆でやってきた。さすがに外房だけあって暖かく、ソテツの木があちこちに見られ、家々の庭にはアロエの花が今を盛りと咲いている。小江戸と比べても2-3℃は高いのではないだろうか。海岸にはユッカ(キミガヨラン)があちこちに咲いている。もっともユッカは外来植物なので最近は海岸の植生からユッカ退治をやっている市民団体があるそうだ。なかなか優美な花なのだが、やはり日本の海岸にはユッカではなくハマユウの花がよく似合う。

 お正月のお参りを済ませて、ついでに勝浦の海中展望塔を見に行った。海中に円筒形の部屋を沈めて、中から海の中を直接見ることができる施設だ。季節が季節だけにあまり観光客は居なかったので、静かにゆっくりと見ることができた。夏と違って海水の透明度は良いのだが、光が弱いのでよく見えない。それでもいろんな種類の魚が泳いでいるのを見ることができた。ブダイ、カワハギ、イシガキダイ、チョウチョウウオ、ハタタテダイ、スズメダイ、ネンブツダイ、ハコフグなどが窓の近くに置いたえさ箱の周りに集まってきている。

 展望塔の近くに千葉県立「海の博物館」があるので見せていただいた。展示室はそれほど広くはないけど、展示に手間とお金をかけているのがよく分かり感心した。博物館に知人が居るので裏の研究室も案内してもらったが、その施設の立派なことに驚いた。サンナシ小屋のある町の国立大学の博物館のお粗末さと比較すると月とすっぽんだ。千葉県は博物館事業に熱心で、全部で10ヶ所も博物館を持っている。そのどれも素晴らしい施設だと聞いている。それに比べて国や東京都は博物館に理解がない。国の施設のお粗末さは言うに及ばず、東京都なんか自然史博物館を持っていない。先進国の首都で自然史博物館を持っていないのは東京くらいじゃないだろうか。ちなみに北海道も札幌市も自然史博物館はない。

 もっともこの「海の博物館」も、施設は立派だが、人は少なく研究者がすべての作業をしないといけないので、人と時間がぜんぜん足りないと嘆いていた。忙しいときは研究者が切符売りもさせられるらしい。普段は展示物の製作も研究者の仕事。技術者が居ないのだそうだ。せっかくの立派な施設もそれでは泣いている。

 今回は勝浦と鴨川で温泉に入った。二ヶ所稼いだつもりだったが、あとでよく見ると鴨川のお風呂は温泉ではなかったようだ。勝浦は曾遊の地だが、勝浦温泉は初めて入浴した。