
朝からしとしとと雨が降っている。この時期としては異常な暖かさだ。先週から積もっている雪が融けてきた。そういえば、今年はいつまでも暖かさが残り、冬の訪れが遅かった。
日本中が遅い冬だったようだ。地球の温暖化はもう目に見えるところまで来ているようだ。ヨーロッパアルプスでは、過去1300年以来の暖かさだという。氷河がどんどん無くなっている。
今年は気温が高かったために、野菜が豊作で価格が暴落し、せっかく生長した白菜や大根をブルドーザーで踏みつぶす光景がテレビで紹介された。北海道では大量の牛乳が捨てられた。
食べ物を粗末にするなと言われて育ったわれわれは、このような光景を見て世の矛盾を感じないではいられない。生産者の生活を保障するために政府が補償金を出して野菜を捨てさせるらしいのだが、何かおかしくないか?
野菜を作るには、森林を切り開いた開墾地で大量の人工肥料を使い、殺虫剤を使い、ビニールハウスや雑草対策のためのビニールシートを使う。これらの環境への悪い影響は計り知れない。それでもそうして作った野菜が無ければ人間が生きていけないと思うから、われわれは農業を認めてきている。大事にしてもいる。それだけの環境への悪影響を忍びながら作った野菜を捨てるというのは、単に食べ物を粗末にしないというモラルの問題だけではない。
世界には食べ物が無くて日々死んでいく子供たちが何千万人といるという。すぐ隣の国(朝鮮民主主義人民共和国)でも、食べ物が無くて困っている人たちが無数にいると言われている。最近では日本の中にも飢えて死ぬ人まで出てきている。
せっかくお金と環境への悪影響まで費やして作った野菜や食べ物を政府がお金を出してまで(われわれの税金だ!)捨てさせる。これは是非ともやめて欲しい。農家に補償金を出すのはしかたないかもしれないが、捨てさせることはない。政府が買い取って人道援助に回せばいい。どうしてそう言うことが出来ないのか。米軍のためにグアムまで行って家や基地を日本国民の税金で作ってやるという日本政府が。それこそ「もったいない」。