お嫁入りする時に母が作ってくれた何枚もの着物。
新しく誂えてもらったものや、
祖母、母、と譲り受けたものもある。
それらは、箪笥の引出に入れられたまま、
もう20年も経ってしまった。
思い起こせばこの20年の間、
着物を着た回数は、両手指の本数に満たない。
しかもここ10年は、
一度も手を通していないという有様だ。
これぞ文字通り「箪笥の肥やし」というもの。
元々着物は嫌いじゃない。
たとう紙を出した時の仄かな香り。
纏うと自然にしゃんとする背筋。
何より洋服と違って、
胸の小さいのもバランスの悪い下半身もカバーしてくれるのがよい。
ただ、気付けができないことがネックだった。
長男と次男のお宮参りや、友人の結婚式などで着物を着る時は、
たいてい義母に着付けてもらった。
肌襦袢は身につけられるが、
長襦袢→着物となると、もうお手上げ。
でくの坊みたいにデーンと突っ立ったまま
「巻き付けてもらう」状態だった。
私に着付けたあとで、自分も着ないといけない義母も大変だった。
お出かけ前、二人が大騒ぎしている姿を見て、
夫が耐えきれずこう言った。
「人に迷惑かけて着るくらいなら、着物なんて着るなよ。」
↑言った本人は多分覚えていない。(笑)
それ以来、着物は封印してきた。
でも・・・・・
自分でしゃしゃっと着られるようになったら、
どんなにいいだろう、と、ずーっと思っていた。
入学式や卒業式なんかにも着て行かれるし、
これから同窓会なんて機会も増えてくるだろうから、
せっかく持たせてもらった着物を着ない手はないわ。
というわけで、一念発起して
「着物着付け教室」
というところに通うことにした。
教室案内のお手紙によると、
揃える物があれこれ必要だった。
それら全部をまとめて運ぶには、
着物バッグが必要だ。
お恥ずかしいことに、着物をあれこれ持たせてもらったのに、
着物バッグは持っていなかった。
今までは風呂敷に一式包んでいた。
だが、教室に通うとなると、
やはり必要になってくる。
そこで、呉服店に出向き買うことにした。
対応してくれた店員さんが
バッグを紙袋に入れながらこう言った。
「お嬢様に送って差し上げるんですか?」
一瞬相手が何のことを言っているのか分からなかった。
お嬢様=私の娘=ちび姫
は、小学4年生だ。
着物を着る年齢でもないし、ましてや遠くに住んでもいない。
「いえ、自分で使う予定があるので・・・・・。」
と返答しながら、はたと気がついた。
年頃の娘はいないけど、
年頃の息子ならいるじゃない。
長男は今年二十歳。
そうか・・・・・私は店員さんに、
娘を最近遠くに嫁がせたが、
嫁入り道具に着物バッグを用意しておらず、
慌てて買い求め、送ってやる母親
だと思われたのか。
要するに、
見た目年齢でそう判断されたってことね。(涙)
新しく誂えてもらったものや、
祖母、母、と譲り受けたものもある。
それらは、箪笥の引出に入れられたまま、
もう20年も経ってしまった。
思い起こせばこの20年の間、
着物を着た回数は、両手指の本数に満たない。
しかもここ10年は、
一度も手を通していないという有様だ。
これぞ文字通り「箪笥の肥やし」というもの。
元々着物は嫌いじゃない。
たとう紙を出した時の仄かな香り。
纏うと自然にしゃんとする背筋。
何より洋服と違って、
胸の小さいのもバランスの悪い下半身もカバーしてくれるのがよい。
ただ、気付けができないことがネックだった。
長男と次男のお宮参りや、友人の結婚式などで着物を着る時は、
たいてい義母に着付けてもらった。
肌襦袢は身につけられるが、
長襦袢→着物となると、もうお手上げ。
でくの坊みたいにデーンと突っ立ったまま
「巻き付けてもらう」状態だった。
私に着付けたあとで、自分も着ないといけない義母も大変だった。
お出かけ前、二人が大騒ぎしている姿を見て、
夫が耐えきれずこう言った。
「人に迷惑かけて着るくらいなら、着物なんて着るなよ。」
↑言った本人は多分覚えていない。(笑)
それ以来、着物は封印してきた。
でも・・・・・
自分でしゃしゃっと着られるようになったら、
どんなにいいだろう、と、ずーっと思っていた。
入学式や卒業式なんかにも着て行かれるし、
これから同窓会なんて機会も増えてくるだろうから、
せっかく持たせてもらった着物を着ない手はないわ。
というわけで、一念発起して
「着物着付け教室」
というところに通うことにした。
教室案内のお手紙によると、
揃える物があれこれ必要だった。
それら全部をまとめて運ぶには、
着物バッグが必要だ。
お恥ずかしいことに、着物をあれこれ持たせてもらったのに、
着物バッグは持っていなかった。
今までは風呂敷に一式包んでいた。
だが、教室に通うとなると、
やはり必要になってくる。
そこで、呉服店に出向き買うことにした。
対応してくれた店員さんが
バッグを紙袋に入れながらこう言った。
「お嬢様に送って差し上げるんですか?」
一瞬相手が何のことを言っているのか分からなかった。
お嬢様=私の娘=ちび姫
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/hiyos.gif)
着物を着る年齢でもないし、ましてや遠くに住んでもいない。
「いえ、自分で使う予定があるので・・・・・。」
と返答しながら、はたと気がついた。
年頃の娘はいないけど、
年頃の息子ならいるじゃない。
長男は今年二十歳。
そうか・・・・・私は店員さんに、
娘を最近遠くに嫁がせたが、
嫁入り道具に着物バッグを用意しておらず、
慌てて買い求め、送ってやる母親
だと思われたのか。
要するに、
見た目年齢でそう判断されたってことね。(涙)