肩の凝らないスローライフ

ようこそtenchanワールドへ。「一日一笑」をモットーに・・・日常生活の小さなことを笑いに変えるtenchanの雑記帳

越南旅行記⑨ 家に帰るまでが遠足です

2010-06-18 12:39:03 | 旅行
市内一日観光が終わり、ホテルに戻ってきた家族。

フットマッサージのお陰でリラックスした気分になっているが、
寛いではいられない。
今夜のフライトに向けて、荷造りをしなければならないからだ。



ゴールデンウィークを使っての海外旅行。
6日には学校が始まるので、5日には日本に戻っていなければならない。

ところが、
ハノイ発名古屋着の飛行機で5日に着く便はなかった。

どうする?
旅行のために学校を一日休ませるというのは、
我が家のポリシーに反する。

考えた末に、
私と次男とちび姫は関空に、長男は成田に、5日の早朝着、
義父母はもう一日延ばして、6日に名古屋着、と、
それぞれ別れて乗るようチケットを取っておいた。

夜10時のチェックイン、フライトは0時40分、
ちび姫は大丈夫だろうか。



ハノイ空港は、ヒースローやその他首都にある国際空港と比べると、
とても規模が小さい。

停車場でタクシーを降り、自動ドアを進むと、すぐそこにチェックインカウンターがある。

だが、既に長蛇の列。

なにしろ、東京、大阪、ソウル、行きの飛行機が、
同じ時間帯に飛び立つのだ。
混んでいるはずだ。

日本からの団体旅行さんの後ろに並んで、辛抱強く待つ。

夫がイラついた声で教えてくれた。
「まったくさぁ、いつも思うんだけど、
チェックインカウンターまでのスペース空きすぎなんだよ。
もっと近くに列の頭をもってこれば、
後ろがゴタゴタ混雑しないのになぁ。」

なるほど、最前列からカウンターまでは3メートル以上スペースがあり、
アオザイを着たスタッフのお姉さんが一人立って、お客を止めている。
カウンターでの受付が一組終わるたびに、
次にどのカウンターに並ぶか指示を出している。

この3メートルを、せめて1.5メートルくらいに縮めてくれれば、
後ろの方に並んでいる人が楽になるのに。
ロープで仕切ってあるところはまだいい、
最後部はもうぐっちゃぐちゃになっている。
かろうじて国民的良識のお陰で、秩序よく並んでいられる状態だ。

案の定、ある国の方達が、スーツケースをゴロゴロ押しながら
ロープをかいくぐってカウンターに突進しようとした。
アオザイのお姉さんはそれに気付き、後ろに並ぶよう手で追い返す。

チェックインが済んだ。
飛行機に乗るまであと2時間もあるが、セキュリティーチェックに向かう。

ここでパパとはお別れだよ。

ちび姫の目にはうっすらと涙が浮かんでいる。
「パパ、今度いつ会える?」
「夏休みかな。それまでお利口さんにするんだよ。」
「うん。じゃあね、バイバイ。」
もう一度ムギューっとする。

長男と次男とは固く握手。
「しっかり勉強しろよ。」
(↑しないんだな、これが・・・・。父親として一応言っておかなきゃってやつね。)

「じゃあな。本とか食材とか色々持ってきてくれてありがとう。
しっかり頼んだぞ。」
夫の言葉に、声にならない声で私は返事をした。

「お母さん、目が真っ赤だよ。」
セキュリティーチェックを通り過ぎた時、次男が顔を覗き込んで言った。


さて、中に入ったのはいいが、
この混雑ぶりはどうだ。
ベンチというベンチに人が座っている。
空席が一つもない。
探し回ってようやく見つけた2席。
長男、次男、ちび姫の3人を座らせる。
座った途端彼らが始めたのは、PSP。
不本意ながらも、待ち時間を潰すには丁度いいのかもしれない。
特に、いつもならもう寝ているはずの時間に起きて待たねばならぬちび姫にとって、
ゲームをやることは眠気覚ましになる。
飛行機に乗ったら着くまで熟睡するだろう。

見渡すと、家族連れがあちらこちらに座っている。
ちび姫よりも小さい子が、
ぐったりとしてママの腕に抱かれている。
夜中のフライトはキツイね。

搭乗時刻になった。まずは成田へ向かう長男の便。
ゲートの列の最後尾に並ぶ。
一人暮らしを始めて、一段と逞しくなったようだ。
次男とは片手でハイタッチ、ちび姫とはいつものようにムギューをして、
私は軽くハグして、「じゃ、夏休みに!」
そして10分後、自分たちも関空行きのゲートに並んだ。


席に着くと、次男とちび姫はすぐに寝てしまった。
私も猛烈に眠かったが、
「お飲み物は?」の問いかけに、
「白ワインを。」
と、思わず反応してしまった。(笑)
飲んでウトウトしていたら、今度は
「朝食でございます。」
と、トレーが運ばれてきた。

朝食ってねえ、今何時?
真夜中にご飯食べるんですか?
とりあえずカバーは開けてみたが、
さすがにこれは喉を通らなかった。

あと1時間で到着という頃になって、
ちび姫が目を覚ました。
「のど渇いた。」
もらってあったお水を飲ませる。
しばらくぼーっとしていたが、
突然鼻を押さえた。
「鼻血・・・・」
あわててティッシュを取り出しちぎって鼻に詰める。
でも、血はどんどん出てくる。
換えても換えても詰めたティッシュはすぐに真っ赤になる。
どうしよう、もう残りが少ない。
そう思っていると、隣の紳士がポケットティッシュを差し出してこう言って下さった。
「あのね、鼻血はね、中に詰めないで下さい。
鼻をこうやってきゅっと指で摘んで。
しばらくすると止まりますから。」
言われた通りにちび姫の鼻を摘んでいると、血はだんだん止まってきた。
ありがとうございます、お陰様で止まりました。
と、お礼を言う。
お話を伺うと、なんとお医者様とのこと。
本当に助かりました。



色々あった、ベトナム旅行だが、
最後の最後に大ハプニングが待ちかまえていた。

関空から岐阜へ帰るときのことだ。

一旦新大阪へ出て、新幹線で名古屋まで行く。
名古屋から在来線に乗り換えて岐阜まで、という行程。
窓口でもそう告げたはずなのに、
乗車券の発行がミスされてしまった。
本来なら、関西空港→名古屋、名古屋→岐阜、の2枚になるはずが、
関西空港→岐阜の乗車券になってしまったのだ。
もらった時に気が付かない私もいけなかったが、
まさか駅員さんが発行ミスするとは。

新大阪で乗り換える時、
改札にチケットを通したが、ブザーが鳴ってゲートが開かない。

時計をみると、あと10分で列車が来る!
Gウィークの新幹線、座席指定が取れたのは幸運中の幸運、
これを逃したら、名古屋まで立って帰ることになる!
駅員さんに状況を説明すると
「中で精算して下さい。」と、通してくれた。

スーツケースは2個。エレベーターなんか探してたら間に合わない。
、持ったまま階段上がるよ!も走って!」
「OK!」
体育会で鍛えたのにそのあと全然使っていない筋肉が悲鳴を上げる。
ホームに駆け上がると、列車がちょうど入ってきた。
「いいからとにかくこの車両に乗って!」

間に合った・・・・。
チケットをもう一度確認する。
指定席はずっと前の方だ。
スーツケースをガラガラ押しながら通路を進んでいく。
静かなグリーン車も通りすぎ、
ようやく席に着いた。

はぁ~間一髪。疲れた~。でもみんな頑張ったね。
ホッとして次男と顔を見合わせた。
二人とも可笑しくて可笑しくて笑いを堪えるのに大変だった。




ベトナム旅行、楽しかったね。

また行きたい?
もういい?
じゃあ、今度は私一人で行くから。

海沿いリゾートのコテージ風のホテルで
観光もなーんにもしなくて、ゆったりと過ごすってのは、どう?

越南旅行記 ちょっと番外編 次男のつぶやき

2010-06-16 13:13:57 | 旅行
どうも、tenchan家の次男です。

今回、父の赴任先のベトナムに家族で旅行したんですけど、
非常に面白い国でした。
あ、でも、一度行ったらもういいかな、って感じですかね。

僕、埃とかダニとかのアレルギーがあって、
ああいう空気の悪い環境、ダメなんです。
最初慣れるまで大変でした。

あと、なかなか英語が通じなかったので苦労しました。

行きの飛行機で、機内食が出てくる時、
「chicken or beef ?」
って聞かれたんで、
僕ちゃんと「beef」って言ったんですよ。
それなのに出てきたのはchickenんだったんです。

飲み物頼む時だって、
「Sprite、please.」
って言ったのに、
「?」
って顔されて、全く通じない。
それで母が「スプライト」って指さし言ったら、
やっと分かってくれたんですよ。

一応、僕、ロンドンの現地校通ってたんで、
母よりは発音いいと思うんですけど、
何で通じないんっすかね?
母に負けるって、おかしくないですか?

あと、市内観光の最後にフットマッサージに行ったんですけど、
そこの女の子達がベトナム語しか話せなくて
英語も日本語も片言だけしか知らないんです。
「OK.」とか「イタイ?」とか。
それでも身振り手振りで一生懸命伝えようとしてくれました。
漢方の茶色い粉を足湯に入れて温めたあと、
土踏まず、足指、と順番にマッサージしてくれました。
そのあと、肩を叩かれて起きるように手招きされたんですが
「チャーン、チャーン」って言われたんです。
「チャーン」って何?何?わかんねえよ。
チャーンって「shirt」のこと?
え?ひょっとして脱げってか?
俺の割れた腹筋をそんなに見たいのか?
と、アドレナリン放出しながらTシャツ脱ごうとしたら
違う違う!って止められたんです。
横のお兄ちゃんを見たら、うつ伏せになって脹ら脛やってもらってるので、
そうか、「turn.」のことか、とやっと分かったんです。
恥ずぃ・・・・。
あとで聞いたら、ベトナム人は「t」の発音があまり上手に出来なくて
「チャ」になるんだって。
なるほどね。

それから、皆さんご存じかもしれませんが、
僕、実は方向音痴なんです。
お兄ちゃんは土地勘とかあって、初めての場所でもスイスイ行っちゃうし、
チビだと思っていた妹だって、
「あ、ここって○○の近くだよね。」
って車に乗ってる時なんかにさり気なくつぶやく時があって
え、俺、全然分かってないのにって焦るんです。
同じ兄弟でも、どうしてこうも違うんだろうって落ち込む時あります。
今回でも、ツアーの最中、
みんなが迷子にならないよう気にしてくれるのはいいんですけど、
ことあるごとに、
、ここからお父さんのホテルまで帰れる?」
とか聞いてくるので、嫌になりました。
もう、イジメですよ、こうなると。

母は地図大好き人間なんで、
市内観光中、ずーっと地図と睨めっこしてました。
シクロに乗ってる時も、地図見ながら現在地を確認してたみたいです。
「旧市街はだいたい覚えた。」
とかなんとか言ってますけど、あれ、本当でしょうかね。

それにしても、父はすごい人だと思いました。
僕たちに決して弱音を吐かないんですよね。
ベトナムのように暮らし易いとは言えない国に住んでいるのに
帰りたいとか、仕事が辛いとか、
泣き言を言わずに、ビジネスの場で闘ってるわけでしょ。
ベトナム語も頑張って勉強しているみたいだし。
ほんと、尊敬しますよ。

ただ、英語は相変わらず下手ですね。
それから、健康のこと心配なんで、
もうちょっとダイエットしてほしいです。
おかしいな~。
ベトナム行ったらジムに通って痩せてみせる、って言ってたのに。



(注)次男の言葉を繋げて、tenchanが再構成致しました。





越南旅行記⑧ 市内観光 The Resutaurant from Hell

2010-06-15 12:43:20 | 旅行
家族みんなでこうやってベトナムに来る事なんて
そうそうあることではない。

せっかく来たんだもの、この機会を逃す手はないと、
精力的に観光をしてきたが
さすがに疲れが溜まってきた。

でも、今日は最終日、市内観光の予定だ。

そして、真夜中0時40分のフライトで帰国する。
う~ん、長い一日になりそうだ。

お腹の具合が悪かった長男も
2食抜き+整腸剤を飲んだお陰で、完全復活を遂げた。




いつものようにツアー会社のバスがホテルに迎えに来る。

市内の観光要所を周り、レストランで食事後、
シクロに乗って、フットマッサージをして終了
というコースだ。


最初に向かったのは、



ホーチミンの遺体が冷凍保存されているホーチミン廟

建物の中は空調をガンガンにかけて寒い!
外に出た瞬間、湿度でメガネが曇ったくらいだ。



一柱寺



ベトナム初の大学、文廟



あれれ?なんか昨夜人形劇でこんな建物見たっけ?



科挙試験合格者の名前が刻まれた石碑
この頃、中国文化は日本や越南にまで影響を及ぼしていたのだ。
千年の時を経て、眠れる獅子は復活しつつある。



「三つ子の魂百まで」という意味だろうか?



私、今日は小さいお兄ちゃんと手を繋いであげるの♪



ランチの時間になった。
バスはハノイの旧市街に入っていく。

すると夫が、
残念そうな声でこう言った。

「嫌な予感する。
なんか・・・・・昨日と同じ道に来たんだけど。」

さすがにハノイ4日目なると、
私だって旧市街の様子が大体分かってくる。

ひょっとして、昨夜と同じレストラン・・・・?(汗)

同じツアー会社で頼んでいるから仕方がないとはいえ、
連続で食べるとは!

パックツアーでは、土産物屋やレストランがツアー会社と提携していて
マージンをもらうというのはよくあることだ。
連れて行かれたお店にろくなものが置いてなかったり
用意された食事が期待はずれだったりしたことは
誰しも一度は経験したことがあるだろう。

今回ツアーでは、このレストランがまさしくそうだった。



今日のメニューは ブンチャ。
ベトナム風のつけ麺だ。

昨夜もそうだったが、
味は特筆するものが何もない、普通のベトナム料理。

では、一体何がNGだったのかというと、
このお店の衛生状態なのだ。


昨日は夜だったし、店の照明も薄暗くて、
細かいところまではよく分からなかったが、
昼間見ると、掃除が行き届いていないことが更によくわかる。

提灯にはうっすらと埃が積もり、
テーブルとイスはは脂ぎっているし、
窓のサッシにはネ○ミちゃんの落とし物がこびりついていた。
トイレの壁には・・・・・シャワーノズルが付いていたんだけど、なぜ?

参っちゃったなぁ、もう。

夫の話だと、このレストランはまだ「マシな部類」らしい。

今回は家族旅行だったからいい。
これが、日本から上司や取引先の方が来てアテンドでお連れしたりする状況で
こういうのに参加するとしたら、
大変なことになるだろう。


同じ思いをした人はいないのだろうか?
気になったので、帰国後、ネット上での口コミを調べていたら
こんなコメントを発見した。
Never go there from Tripadvisor

越南旅行記⑦ ちょっと疲れ気味・・・・ナイトツアー&水上人形劇

2010-06-14 13:07:40 | 旅行
飲茶をいただいて、すっかり寛ぎ体勢になった家族だが、
今夜はまだ予定がある。

ハノイナイトツアーに出かけるのだ。

夜のハノイ市内を探索し、
レストランで食事後、
ベトナムの伝統芸能、タンロン水上人形劇を観る。


体調不良で飲茶をパスした長男だが、
少し休んで楽になったので、一緒に行くという。


昼間も活気に溢れた街だが、
夜はまた違った様子を見せる。



歩道にまで商品を並べるのがベトナム流



フォーのお店。
道端で調理し、道端で食べる。



夜でもこうやって野菜を売っているところもある。



アオザイのお店


ガイドさんのあとについて、置いてきぼりにならないようみんな必死に歩く。

信号機はあるにはあるが、あまり意味をなさないので、
個人の判断で通りを渡る。

車は右側通行なので、まず歩道の縁に立って左側を見る
車の流れに少しでも切れ目があれば、
道路に半歩踏み出す。
その時にドライバーとアイコンタクトするのを忘れてはいけない。
向こうがこっちに気付き、徐行する。
それを見て、周りのバイクもクラクションをならしつつスローダウンする。

このときがチャンスだ。

ガイドさんは後ろを振り返り、
「ミナサン、ツイテキテクダサイ。」
と叫び、渡るよう促す。

道路の真ん中まで来たら、今度は右側を見る。
そしてまた車の切れ目を見つけ、
運転手と目線を合わせ、踏みだし、バイクが減速する間に慎重に渡りきる。


・・・・ということを、四つ辻ごとに繰り返す。


道を横断するたびに、義父の歩みが遅くなってきた。
ストップ&ゴーの慣れぬ歩き方で、持病の腰痛が悪化したらしい。
長男と次男がさっと義父に近寄り、両側から支えた。
二人にの肩を借り、しばらくはなんとか歩いてもらっていたが、
これ以上みんなについていくのは限界だった。

ナイトツアーの行程はまだ半分くらい残っている。

するとガイドさんが機転を利かせてくれた。

「ワタシ、シリアイニ シクロ ノ ウンテンシュサン イマス。
イマ、デンワシテ、キテ モライマス。
オジイサン、ソレニノッテ、レストラン、サキニ イッテクダサイ。」

義父は迎えに来たシクロに乗って、
後で食事に行くレストランまで乗せていってもらった。




絹製品を扱うお店でお土産に良さそうなものを選んだり、



民芸品を売るお店を覗いてみた




狭い暗い路地を通り抜けたりして
ようやくレストランに到着。

先に来ていた義父は、タイガービールを飲んでいた。


今夜の食事は、



魚の天ぷらのようなものを



ハーブや野菜と



米麺と一緒に



生春巻きに巻いて甘酸っぱいタレに漬けて食べる料理。

この生春巻きは、とても薄っぺらで、
乾燥した状態で一枚ずつ袋に入れてある。
魚と野菜を包むと、その水分でしっとりしてくるのだ。
生春巻きっていうと、都度水に濡らして包むっていうイメージがあったが
これは簡単だ。



ふと見ると、長男の様子がおかしい。
顔に血の気がない。

どうしたの?

「ダメ・・・・。
埃っぽくて暑い中歩き回って、ちょっとバテた。
お腹すいてんだけど、今食べるとヤバくなりそう。」

あー。せっかく来たのにまた食べられないの・・・・。
可哀想だけど、そうね、ここはグッと我慢して食べないほうがいいわ。

温かいお茶をもらって飲むことにする。


食事が終わると、今度は水上人形劇。

だが、義父と長男はタクシーで一足先にホテルに戻ることにした。


水上人形劇っていうから、
屋外でやるのかと思っていたら、



こんなビルの中に



こんなステージがあって
水を張ったプールみたいなところで
人形を操るのだった。

観劇中は撮影禁止ということなので、
画像はありません。


夜8時を回っているのに、席は満席。


世界各国から旅行者が来ている。
もちろん、日本からの団体さんもいる。

残念だったのは、
ある民族(現在万博開催中のあの国)の団体の方達のマナーが悪かったこと。
まだ始まっていないからいいとはいうものも、
前の方の席だというのに、いつまでも立ち上がったままで、
ペチャクチャしゃべっている。
世界的な常識から言うと、
普通、真ん真ん中に立ってお友達と会話はしないのである。
隣りに座っていたヨーロッパ系のおじさんが
呆れながら肩をすぼめて首を振っていた。

劇が終わってホテルに帰ると10時を過ぎていた。

密度の濃い日程で、
家族の疲労もピークに達している。

なんだかんだ言って、明日はもう最終日。
頑張ろう!



この日食事をしたレストランのことを詳しく紹介しないのは何故かって?
その理由は次回に述べることにする。

越南旅行記⑥ 一人脱落

2010-06-09 13:34:27 | 旅行
3日目の午前中は陶器の村、バッチャンを訪れた。
ハノイから車で30分ほどのところにあるバッチャン村は
古くから陶器の町として栄えていた。
昔は粘土質の土がこの村で豊富に取れたそうだが、
 今は別の場所から運んでくるらしい。

 まずは工房を見学。



絵付けは手作業で行われるので 一つとして同じものはない。



そのあと、別のお店に移動して買い物をした。



店先にたくさんぶら下がった鳥籠。
ベトナムでは鳥を飼うことはお金持ちの証なのだそうだ。

次男は
「僕、マグカップ買う。」 と言って、気に入った柄のものを探し始めた。
長男は、買おうかどうか一瞬迷ったようだが、
 「俺はいいわ。これ以上下宿に置くところないし。」 とやめた。
ちび姫は、お店の人に「可愛い~可愛い~」 と言われ上機嫌。
 トンボの柄の付いた丸い陶器玉と鳥の形をした笛をサービスでもらった。
 小さい子っていいわね~。

 義母は値引き交渉中。
 世界中どこへ行っても駆け引きが上手い。

結局義母のお陰で、かなりお値打ちにいろいろなものが買えた。

 今回も同じツアー会社を利用したが、
一人あたり$20の料金は、家族で利用すると割高かな。
 旅慣れている人だったら、タクシーを一台チャーターするほうが 安上がりかもしれないと思った。

バッチャン村ツアーは午前中で終わり。

そして、今日のランチはちょっと楽しみなの♪

だって、
ソフィテルプラザ ハノイ にある 明宮 で
飲茶をいただくことになっているのだから~!

うふふふ・・・・ちょっとどころか、家族の期待値ググっと上昇。

が、出かける直前になって長男に異変が!

「なんか、腹の調子が悪い・・・・・・。」

そういえば、さっきからトイレにばかり行っている。

困ったわね。
でも、こういう時は無理して出かけない方がいいわよね。

可哀想だけど、ホテルに残っていなさい。

温かいうどんくらいなら食べられるというので、
夫があり合わせの材料でちゃちゃっと作って長男に食べさせた。


思わぬハプニングで出るのが遅くなり、
ソフィテルに付いたのは1時半を過ぎていた。

明宮はホテルの2階にある。

テーブルに着くとウェイトレスさんが
「オーダーストップの時間が近づいております。
追加のご注文はご遠慮願います。」
と告げた。

どんだけ食べたの~!





っていうくらい食べたわ~。

どれも本当においしかった。

特に、腸粉!
ロンドン時代、飲茶に行くと必ず頼んでいた家族の大好物。
これをメニューに見つけた時は迷わずオーダーしたわ。

真ん中右のハリネズミさんは、こし餡の蒸しまんです。


本来なら新しい料理が来るたびに、
新しいお皿で食べるのが飲茶のスタイル。

ラストオーダー間際に飛び込んだから、
お店の人も閉店モードに気持ちが傾いていたのだろうか、
換えのお皿を持って来なかった。
ま、このままでいいか、と、
そのままで食べていたら、
あとで画像を見てびっくり!
お皿がだんだん汚れていってる・・・・・。(汗)
ブロガー失格だわね、こりゃ。

そしてお楽しみのデザート



杏仁豆腐とマンゴープリン。

義母も今回はちゃんと食べられた。よかった~。


日本に戻ってから
「ベトナムで食べたもの、一番おいしかったのは?」
と、家族に聞いたら、
「ソフィテルの飲茶!」
と、全員同じ意見だったが、それも不思議ではない。


お腹も心も満たされて、ホテルに戻る。
一人留守番の長男はソファーで横になっていた。
ちび姫は
「お兄ちゃん~あのね、飲茶すっごくおいしかったよ~!
写真も撮ってあるけど見る?」
と、無邪気に飛びついていった。

越南旅行記⑤ きのこ鍋

2010-06-08 13:20:28 | 旅行
往復7時間のハロン湾ツアー。
途中の渋滞もあって、ハノイ市内に着くのが予想外に遅くなってしまった。
長時間のバスの移動で、家族はみんなヘトヘトだった。

ツアー会社のバスは、ホテルまで送り届けてくれることになっていたが、
ホテルに戻ってから食事に出かけると、更に遅くなってしまう。
それに、部屋に入った途端、みんなリラックスモードになって、
もう外に出たくなくなるだろうから、
このまま直接、レストランで降ろしてもらうことにした。

今夜は「きのこ鍋」がおいしいと評判のASHIMA
前日のブラザーズ・カフェと同様、
ここも夫が会社同僚から教えてもらっのだそうだ。


まず最初に、ベースになるスープを選ぶ。

クコの実や高麗人参の入った薬膳スープと
肉類の食べられない義母のためにベジタブルスープの二種類をオーダー。

それから中に入れるキノコ類を選ぶ。



日本で定番のエノキ、シメジ、シイタケはもちろん、
初めてお目にかかる珍しいキノコも頼んでみた。


鍋に入れたり、つけ分けたりするのは
全部お店の女の子がやってくれる。



コリアンダーは家族に不人気なので、
全部私のところに集合。(笑)

このままでも充分おいしいが、
画像の右上の方に薬味が入った小さな器があるのがわかるだろうか。
唐辛子・香草・胡麻・ニンニクなどが合わさっているのだが、
スープを少し注ぎ混ぜ、つけだれにして食べるのも、またおいしい。




↑松茸も頼んでみた。ちゃんと香りがしたのでうれしかった~♪

もうお腹がいっぱい。

でも、鍋っていえば、〆のアレがないと!



キノコのエキスがいっぱい出ているスープに
麺を入れていただく。

夫がメニューを指さして頼んでいたので
何麺か分からないけど、
色から判断して、多分米麺だろう。


ASHIMAはフレンチビラを改造したお店。
市内の建物はどれも間口が狭い。
そのため、店は奥には長いが幅が狭く、
テーブルとイスを置くと、真ん中に一人通れるだけのスペースしかない。

私たちの隣のテーブルには
ベトナム人男女のグループが座っていた。


非常に騒がしい・・・・・。


私たちが会話しようと思っても、彼らの話し声と笑い声に消し去られてしまう。
オーダーするのにも一苦労だ。

おまけに、鍋をつついてビールを飲んで、腹が膨れたのであろうか、
みんなイスにデーンと反っくり返って座っている。
私たちが座っているイスの背もたれにぶつかりそうになるくらいだ。

狭い店内なんだから、お互いに気を遣って
ちょっとイス引いて座りましょう、なんてことは思わないらしい。

お店の女の子がキノコの入った大皿を運んでいるのに、
イスを引くのは私たちの方ばかり。
彼らは微動だにしない。

夫が教えてくれた。
「あの男の人たち若いけど、お金持ちなんだよ。
こういうレストランに来られるっていうだけでもわかる。
それから、奴らみんなお腹が出てるだろ。
ベトナム人は痩せてる人が多いけど、痩せてるとモテないんだって。
彼らみたいに、『ちょっとお腹が出てる人』がモテるんだ。
お腹が出てるとお金があるって見なされるからなんだ。
だから、ああやって若い女の子をお店に連れてきてるんだ。」

うーん、そういうことを聞くとちょっと複雑だわ。
あなたは「ちょっと」どころか「随分」お腹が出てるから、
すなわち「お金がたくさんある」モテ派に属するってことでしょ。


隣のテーブルのお客に自分たちの会話を遮られ
ちょっと苛ついていた私たち。
すると、お調子者の長男が突然手を挙げてこう提案した。
「あのさ、やつらに対抗して、俺たちも大声で会話して
あちらが会話できないようにしようぜ!」

あはは!さすが長男。君のそういう明るいところが好きだよ。

よし、じゃあ~こっからは、遠慮しないで大きな声で話そう!

そう決意したところで、お隣さんはお開きに~。
食べ散らかしたテーブルと四方八方に散らばったイスを残し、
彼らはガヤガヤと帰っていた。

お店には一気に静寂が戻った・・・・・。


私たちも〆の麺が終わり、
デザートのフルーツが運ばれてきた。

出てきたのは、スイカ・・・・

まただ・・・・。

食べられないんだってば!


デザートも食べ終わり、お会計をする。

夫はベトナム語で店員に「お会計。」と声を掛けた。

2月に赴任してまだ3ヶ月しか経っていないのに、
日常で使うベトナム語は少しなら話せるようになっている夫。

「毎日会社で『ベトナム語3文会話』っていうのを
ローカル社員の前ですることにしてるんだ。
自分で三つ文章を考える。結構大変だよ。
みんなそれを聞いてクスクス笑うんだよ~。
違う違うって!
特に声調が難しい。何回も直される。」

ふーん、がんばってるんだね。

「会社の人の中には、ホントに上手に話す人もいるんだよ。

おもしろいのはさ、ベトナム人の社員が、
『あ~あの人、とても上手です。でも、あの人のベトナム語、
女言葉です。』
って、言うんだ。
要するに、ベトナム人のおねいさんと仲良くなって、
おねいさんと会話するから上手になったってわけ。」


そうかー。
それを聞いてますます心配だわ。
今度あなたに会った時、前回よりもっともっと流暢にベトナム語を話していたら
あなたもベトナム人のおねいさんとお友達になっているかもしれないってことでしょ。

でも、一つ問題がある。
あなたの話すベトナム語が、
女言葉か男言葉か、私には判断できないってことよ!






越南旅行記④ 世界遺産 ハロン湾 後編

2010-06-04 13:08:52 | 旅行
船の中に戻ると
白いテーブルクロスが引かれ、
キュウリの切ったものが載せられていた。

   

ニンニクのみじん切りが振りかけられていたが塩味がない。
お椀に入れた醤油をかけろということだろうか。

次に出てきたのはネギ入りの卵焼き



その後も料理は一皿ずつ出てきた。 



厚揚げとトマトの炒め物。これはけっこうおいしかった。



空芯菜の炒め物。ベトナムでは定番らしい。
塩味のシンプルな一品だがこれもおいしかった。

 

イカと玉ねぎの炒め物



なんだか分からない魚の上に生姜、ニンジン、コリアンダーなどを載せて蒸したもの。
鱗は付いたままだし、身は川魚のような臭いがした。
テーブルを見渡しても、みんなあまり箸が進まないようだった。

義母は、どの料理も少し遠慮がちに食べている。
肉類は入っていないので、食べられるものばかりだが、
どうかしましたか、と、声を掛ける。

「実は、さっきね、
作るところを見てしまったの。
あれを見たら、ちょっと食べられないわ。」
と、ため息をついた。

厨房は船の後ろの方にある。
お世辞にもキレイとは言えない。
私も下ごしらえをしているのを見たが、
床にたらいを置き、その中にホースを引っ張り込んで食材を洗っていた。
切るのも調理台の上ではなく、床にペッタリ座った状態で行う。
切り終わったものは、これまた床に置いたざるにぶち込む。

あぁ・・・・・・
スーパーきれい好きな義母がこれを見たら、
多分ダメだろうな、
と、予想はしていたが、
案の定、食が進まないようだった。

「もう仕方がないから、ご飯だけ食べるわ。
ふりかけでも持ってこればよかったね。」

ハロン湾クルーズとはいっても
地中海クルーズとは違う・・・・
なんてったって、アジアンクルーズだから、
このくらいの衛生状態は、予想していたけれど・・・・・


食事が済んだら、今度はまた外に出て、
小舟に乗って周りを見学する。

船頭のお兄さんが乗船料としてUS$を集めている。
えぇっ?!これって別料金なの?
ツアーの説明文には書いてなかったけど・・・・・。
お兄さんのお小遣い稼ぎなのか。



潮の満ち引きの関係で
この時間帯しか見られない場所に連れて行ってもらった。
長い年月で岩が浸食されて、こんな風に面白い形になるんだ。

船に戻ってまた出発。

こんな形の岩が見えてきた。



ガイドさんは「ライオン岩」と言ってたけど、
ちび姫は「ゴリラ、ゴリラ~!」
と、大喜び。

船は鍾乳洞のある場所で泊まった。
降りて中を見る。

この鍾乳洞は、台風の時、偶然逃げこんだ水上村の人が発見したのだそうだ。



派手な色でライトアップされている。

鍾乳洞には色を付けないほうが美しいと思うのだけど、
このあたりも国民性の違いなのだろうか。

歩道のあちこちに置かれたペンギンゴミ箱。



イルカバージョンもあったよ。

鍾乳洞見学が終わり、
ハロン湾クルーズはこれでお終い。
港まで戻る。

そして帰りもまた3時間半、バスに揺られていく。

外はもう暗くなり始めていた。
街中を走っていても、何となく灯りが少ない気がする。
夫の話によると、地方では節約のため夜間は停電になるのだそうだ。


街の様子を眺めていると、ベトナム語の看板が目に付く。
アルファベット表記だが、
よく見ると、文字の上や下に「.」とか「^」とか「'」とか、
いろんな小さい記号がついている。

「ねえ、上側に付いている小さい「?」の下の点がないヤツがあるでしょ、
ほら、『フォー』のお店の看板に書いてあるじゃん。『Phở』って。
なんか、クエスチョンマークみたいだね。
『フォー食べてく?』って書いてあるの?」
と、夫に聞いてみた。

すると彼は、呆れながら、
「違うよ~。
あれは声調といって、中国語にもある母音の上がり下がりの記号の一つ。
あの記号は、下がってから上がるんだ。」

へ~そうなんだ。


水田→住宅地→商店街→水田と
同じような風景が続く。
ところが、住宅地でも商店街でもない場所に
4階建てくらいの建物が、
何軒か固まって並んでいるのを時々見かけた。

ピンクのド派手なネオンで、「nhà nghỉ」 と書いてある。

夫が小声で教えてくれた。

「あれはさ、
ベトナム版

nhà は 家、nghỉ は休むっていう意味で、
文字通り、宿屋なんだけど、
性質としては『連れ込み宿』的なところ。」

言われてみれば、妖しげな光を放つネオンが
日本のそれと同系だと気付く。

ところが変わっても、あるところにはあるんだ・・・・・。
しかもちょっと街から離れたところにある、っていうのも似ている。

ん?
ひょっとして・・・・・車じゃなくて、
みんなバイクでやって来るのかい?



それにしても、
クエスチョンマークだとさっきまで勘違いしていた「?」の下の点がないやつのことが、
どうしても頭から離れない。

「nhà nghỉ」

と書かれた、ピンクのネオン文字を見るたびに
「お兄さん、寄ってく?」「泊まってく?」「遊んでく?」
っていう誘い文句に思えてしまうのだった。



越南旅行記③ 世界遺産 ハロン湾 前編

2010-06-01 12:45:42 | 旅行
翌日は、世界遺産「ハロン湾」へ向かった。

夫があらかじめ現地のツアー会社で頼んでおいたのだ。
日本語を話すガイドさんが同行してくれる。

ハロン湾はハノイの北、中国との国境に近いところに位置する。

サイトの画像を見るとお分かり頂けるだろうが、面白い形の岩が海からニョキニョキ出ていて、
まるで中国の桂林(行ったことないけど・・・・)みたいだ。

朝、8時○○分にお迎えに伺います。
ツアー会社からのメールではそういう話だったが、
予定の時間を30分過ぎても来ない。
夫がツアー会社のオフィスに電話した。
渋滞で少し遅れている、とのこと。
ま、外国ではよくあることだから、これくらい待たなきゃ。

ハノイからハロン湾までは約3時間半かかる。
世界遺産に指定されてから観光客も増え、
道も整備されたようだが、
高速道路・・・・・らしきものを降りてからは
一般道を延々と走る。

お店が立ち並ぶ「街」をしばらく走ると
次は水田の中をずーっと走っていく、
そしてまた「街」の中を走る、
という繰り返しだった。

家と家との空き地にはバナナが生えている。



「バナナってさぁ、『草』なんだって。
自然にこうやって生えてんだけど。
1年で枯れて、脇からまた生えてくるんだ。」
夫が教えてくれた。

へぇ~そうなんだ。バナナって『木』じゃないんだ。
木じゃないってことは、分類からすると果物じゃなくて野菜なんだね。
夫の話によると、バナナの花をサラダに入れたり、
青いまま調理して食べることもあるそうだ。

ベトナムの家はフランス統治時代の名残を受けて
ほとんどがフレンチ様式。



間口によって税金が高くなるので、
上に高く奥に長く建てるそうだ。

建築中はこんな感じ



「耐震」ということはあまり考えないのかな。


水田の真ん中に時々、
ミニチュアのお寺みたいなのを見かける。




これはお墓。
土葬なんだって。

生きているうちは仏蘭西様式で暮らし、
仏になると中華様式に変わるのね。





1時間半くらい走ったところで、休憩する。
日本でいう「道の駅」みたいな場所だ。



ハロン湾に行く観光客は、必ず立ち寄る休憩所。
日本から来た団体のお客様もいっぱいいる。

売店では「蓮の茶」を無料でいただける。
可愛らしいお盆にのせた小さい湯飲みに
お茶がなみなみと注がれている。
当然お盆にも溢れる。
でも店員さんは全く気にする様子もない。
ビシャビシャのまま、滴が溢れるのを気にしながら飲み干す。

「オカシ ドウゾ。」
と勧めてくれるのでお盆の横を見ると、
キャラメルくらいの大きさのお菓子が積まれている。
「キナコ ト、ピーナツ ハイッテ マス。」
ちび姫は喜んで食べていた。

お茶をいただいて一服したら
店内を隈無く歩いて、何かお土産に良さそうなものを探してみる。



お茶と一緒に出てきたお菓子も売っている。
食べておいしかったら是非買ってね、といったところか。

夫は「香木」のコーナーでお兄さんに捉まった。
「コレ、イイニオイ スル。」
買わないから、と言っても、
「チョット ミテ。」
と、わざわざ袋から出してくれるもんだから、
仕方がなく手にとって匂いをかいでみる。
「ごめんね。買わないから。」
と、品を返すと、
「ジャ、コレハ ドウ。」
と、次を出してくる。
これは堪らん、と手を振ってもう一度断っていた。

義母はテーブルクロスのコーナーで、
アオザイを着たお姉さんと交渉している。
買おうか買うまいか、煮え切らない義母に、
お姉さんは
「コレ、トテモ キレイ。」
と、全体がよく見えるよう大きく広げて見せてくれる。
お姉さんは更に、
「コレ、キヌ デス。ホンモノ ホンモノ。」
と、口調を強めて迫ってくる。
・・・・・絹~?・・・・どこが絹?
どう見たって木綿でしょ。
さすがの義母もそれには納得できず、結局買わなかった。

一つでもお土産を売ろうと、どの店員さんも必死だ。
気持ちが伝わってくるから、断るのが余計に辛い。


ここではアオザイを作るコーナーもあった。
ハロン湾に行って帰るまで、6時間はかかる。
行きに採寸だけしておいて、
帰りに立ち寄った時に、出来上がりを受け取るというシステムだ。

本当に作る人いるのかな?と思っていたら、
帰りの休憩の時に団体ツアーの日本人女性が、
完成したばかりのアオザイを身に纏って出てきたのを目撃。
目の覚めるような素敵なブルー。
「似合う~似合う~。」
「きれいだよ~。」
と同じツアーのお客さん達から賞賛されていた。

20年若かったら、私もああやってアオザイ作っただろうか?
でも、貧乳だものな~。
やっぱAAカップのブラして誤魔化さないと着られないよね。
な~んて想像し、一人笑ってみる。

「道の駅」を出て、さらに1時間半、
ついにハロン湾に着いた。

もの凄い混雑だ。

外国人観光客も大勢来ているが、
国民の休日ということで、ベトナム人もいっぱい来ている。

出航までしばらく待つ。



ちび姫、久しぶりに会う大きい兄ちゃんを当然のことながら独占。(笑)

30分ぐらい待っただろうか、
いよいよ乗船だ。

私たちの乗る船はこちら。



海を静かに進んでいくと、
こんな風景になってくる。



さらに奥に進み、「水上生活村」に到着。



ここで一旦船を下り、
村の生活の様子を見学する。




養殖した魚を売って生計を立てているのだそうだ。



小舟に乗って野菜や果物を売りに来たおばさん。

私たちが外で見学している間、
船内では昼食の用意がなされていた。

後編に続く。

越南旅行記② ブラザーズ・カフェ

2010-05-19 13:40:30 | 旅行
今回のハノイ旅行は、パッケージツアーではなくて、 行き帰りの航空券だけを買い、あとはフリーで観光する方式にした。

 夫が住んでいる滞在型ホテルで、3ベッドルームを一室借り、
それぞれ分散して泊まった。

夫の部屋は散らかっているのでお見せできないが、 借りた方の部屋はこんな感じ。




ホテルというより、マンションといったほうがいいぐらいの設備。
毎日メイドさんが掃除とベッドメーキングしてくれるんだって。

一番右側は義父母用のダブルベッド。
「あのぅ・・・・お義母さん、
実はダブルベッドなんですが・・・・・よろしいですか?
もしダメと仰るなら、子ども達のツインと換えますけど。」
恐る恐る尋ねると、
「構わんよ、そんなの。」
と言って下さった。
「だって、あっちとこっち、端っこの方で寝るだけから。」
・・・・あはは



ここのホテルには世界各地からの駐在員とその家族が住んでいるという。
ロビーで、エレベーターホールで、いろんな国の人とすれ違う。

それにしても優雅ね~。
キッチンもバスルームも、使い勝手はともかくとして、
雑誌に出てくるようなユニットだわ。

我が家より広いリビングにはSAMSUNGの液晶テレビがデーンと置いてあり、
インテリアにマッチした細長いスピーカーが四隅に配列してある。
やっぱ、世界的にはSAMSUNGが人気なのかな・・・・
ちょっと寂しい気がする。



着いた日の夕食は、ハノイの中心街にある
 BROTHER’S CAFE に行くことになった。
(↑音楽が流れるので注意!)
夫が会社同僚と一緒に食べに行ったことがあるというレストランだ。

他の在ベトナム日系企業もそうだろうが、
夫の会社ではベトナムでの車の運転は禁止されている。
前回の記事でも述べたが、あの交通事情だ。
事故に巻き込まれる可能性が大いにあるので
運転はしない方がいいに決まっている。

出勤時は会社が契約したタクシーが迎えに来る。
それ以外の外出は全てタクシー。
幼稚園などの送り迎えもタクシー。
奥様達が食料品を買いに行ったり友人とランチをしたりするにも、
その都度タクシーを使う。
うーん、タクシー代が安いとはいえ、
車で勝手に行きたいところに出かけていたロンドン時代とはエライ違いだぞ。


タクシー二台に分乗してレストランへ向かう。
昼間と比べ、夜の喧噪はもっと怖い。


信号は?一応あるにはある。
でも、変わるタイミングがなんだか異様に速い。

信号機の中には、
すぐ下に、「変わるまであと何秒」と秒数がカウントダウン点滅しているのがあって、
その秒数たるや、たったの30秒。
30秒で青→赤→青に変わるではないか。
ベトナム人は関西人と同じように(関西の人ゴメン!)せっかちなのだろうか?

こんな短い点滅では、交差点がどのようになるかお分かりいただけるであろう。
スクランブル交差点の全方向から、
車、バイク、人が一度に侵入してきた・・・・・そんな状況だと思っていい。


ベトナムでは、4月30日は南部開放記念日、翌5月1日はメーデーで連休。
加えて今年はハノイ遷都ミレニアムということで、
国旗、垂れ幕、電飾でとても華やか。
町中がお祭り騒ぎだ。


ブラザーズ・カフェは洋風な名前とは全くイメージが違って、
古いお寺を改装したレストランだ。
入口を入り中に進むと、かつて中庭だったところにテーブルが並んでいる。
えっ・・・・これって外だよね。
そう、ここは屋根のないオープンテラスみたいなところ。
雨が降ったら濡れちゃうのだ。

料理は食べ放題のビュッフェ方式。
シーフードやスペアリブを選んでグリルで焼いてもらうことも出来る。
フォーを作ってくれるコーナーもある。
とりあえずベトナム料理を食べるにはオススメだ。

ベトナムで最初の食事ということで
写真を撮るのをすっかり忘れていた。
途中で気がついたので画像はちょっとだけ。



左から、生春巻きと揚げ生春巻き、フォー、デザート

フォーは初体験だったが、とても気に入った。
牛スープの「フォー・ボー」と鳥スープの「フォー・ガー」がある。
これはフォー・ボー。
注文すると、麺を茹でて丼に入れ
コリアンダー、ネギ、ミント、チリ、揚げ豆腐みたいなの、うずら卵、薄切りの牛肉を載せ、スープを注いでくれる。
食べる時にライムを絞って食べた。
このライムがよく効いていて、実に爽やかな味になった。

デザートは「多分こういうものだろう・・・・」という推測に基づいてお皿に取ってきた。
お皿の奥左から、
マンゴープリン、カスタードプリン。

その手前、
なんだか分からないもの
↑店員さんに聞いたら、ベトナム語で「ホニャホニャ~」と説明してくれたんだけど、結局分からなかった。
後でガイドブック見たら、米の粉を練って蒸しシロップをかけたものらしい。
パッションフルーツ。
↑他にも、ドラゴンフルーツ、メロン、スイカ、マンゴスチンとか南国のフルーツが色々あったけど、お腹いっぱいでこれ以上はだめ。
ちなみに、スイカは年がら年中採れるそうです。
で、このあと、どこのレストランに入っても、食後のフルーツにはスイカが出てきた。
ありゃりゃ・・・私、スイカは喉が痛くなるから食べられないんだってば~~!

右側のボウルに入っている黄色いスープみたいなのは、
日本の「冷やしぜんざい」に似ている。中には蓮の実が入っていた。
一体何だろう?みんなで食べ回してみたが、誰も分からない。
恐らく「トウモロコシ」だろうという結論になった。(汗)



さて、お会計になったが、
レシートを見て夫の顔が曇る。
「なんか、高い。前に会社の人と来た時はこんなに払わなかったぞ!」


どうやら「国民の休日」特別料金になっていたらしく、通常の2倍だったのだ。

「本日は赤ワインと白ワインが飲み放題でございます。」
食事の前にボーイさんがそう説明したので、
あら、随分気前のいい話ねぇ~と思ったが、
料金倍にしてるなら当然だね。

お陰で白も赤もワインぐびぐび飲んじゃったけど。(爆)

え?毎日飲んでたんじゃないの、って?

お察しの通り、
翌日から、朝食以外は必ずビールつけてました・・・・・
だって、せっかく旅行に来たのよ。
食事の用意も送り迎えもなーんにもないんだもん。
飲むしかないでしょう~♪



越南旅行記①暑さとバイクとクラクションの洗礼

2010-05-17 12:32:32 | 旅行
ベトナム旅行中に撮った写真を
夫がオンラインアルバムで送ってくれました。

文章だけで旅行記を書くつもりでしたが、
「百聞は一見にしかず。」
やはりビジュアル的に訴えた方が分かりやすいので
出来る限り写真を取り込んでいこうと思います。


「ベトナムは暑い。今、26℃くらいはあるからね。」
出かける前に夫はそう言って、夏服で来るように伝えた。

岐阜ではまだ、夕方になると寒くて
遠慮がちではあるが、ファンヒーターを点けるくらいなのに。

セントレア空港を出る時はちょっと肌寒く感じた。
向こうに行ってから温度調節できるよう、Tシャツの上にカーディガンを羽織っていたのだが、
タラップを下りた瞬間に、

暑~モワっ~・・・・
とした空気が肌にまとわりついてきた。

何なの何なの、この暑さは。
暑いだけじゃなくて、湿度の高さが半端じゃない。
堪らずカーディガンを脱ぐ。

振り返ると長男次男も「アチー!」と顔をしかめ、
長袖シャツを脱ぎ始めた。
「うわっ、何か、肌にベタつくし!」

ちび姫も背中に汗をかいている。
急いでトイレに行ってTシャツに着替えさせた。

5月でこれだ。
7月、8月になったら、一体どのくらいまで気温が上がるのだろう。

パスポートコントロールを通り過ぎ、出口に向かう。

夫はTシャツ・短パン・サンダルという真夏の格好で出迎えてくれた。
手には大判のタオル。流れ出る汗を拭いている。

ちび姫は真っ先に
「パパー!」
と抱きついていった。


トランクをゴロゴロ押して駐停車場まで行く。
10人乗りの大きなタクシーに荷物をのせてハノイ市内まで向かう。


走り始めてすぐに、夫がこう言った。

「すごいだろ、バイクの数。
こっちはバイクの方が多いからね。
道を走る時は、車とバイクの共存なんだ。」

窓の外を見ると、
タクシーのすぐ脇、スレスレのところにバイクが併走している。



それも一台じゃない。
前にも後ろにも、
私たちの車を取り囲むように何台も走っているのだ。

「鯵の群れの中に鮪が泳いでいるみたいだろ。」


もっと驚くのは、『一人乗り』は殆どいない、ということ。

「こっちは『二人乗り』が当たり前だからね。
『大人4人乗り』っていうのも見かけるよ。」

もう一度、外をよく見てみる。

パパがバイクを運転、
その前に3歳ぐらいの子供が座り、
後ろにはママが座り、
なんとママは生まれたばかりの赤ちゃんを横抱きしているではないか!

そういう『家族乗り』があっちにもこっちにもいる。



パパ、子供、ママ、という組み合わせや
子供、パパ、ママ、
荷物、パパ、子供、ママ、
中には、
子供、パパ、赤ちゃん、ママ、わんこ
っていうのもいた。

前と後ろに子供をのっけて走る日本のママチャリが
完全に負けている。



道路はアスファルトで一応舗装されているが
交通量が多いせいで埃が舞い上がり、空気が非常に悪い。
バイクに乗っている人は、悪い空気を吸い込まないようたいていマスクをしている。
マスクをさせられない赤ちゃんには、白いレースのようなものをかぶせて埃を防いでいる。



夫はさらにこう言った。

「日本で車買って、廃車にするまで鳴らすクラクションの回数を
ベトナムでは1日で鳴らすからね。」

タクシーの運転手は、空港を出てからほぼ一分おきにクラクションを鳴らして走っている。

車だけじゃなく、定員オーバー当然のバイク軍団も
それぞれ鳴らしている。

大騒音だ。


初日はこの交通事情に度肝を抜かれたが、
二日目からは慣れてくる。
そうなると、なにか面白い光景はないかと、
探してしまうのはブロガーの悲しい性か。(笑)


市内ツアーの最中、
窓の外を見ていた長男が突然叫んだ。

「ねえ、あの人、前が見えないのに運転してる!」




す、すごい神業・・・・・
と思いきや、
実はこうなっていました。






反対側車線をふと見ると、なにやら渋滞している。
タクシーがバイクと接触してバイクが倒れたたらしい。




あっというまに野次馬が増え、タクシーを取り囲む。

「降りんか、この野郎!」
周りの群衆がタクシーの車体を叩いている。

バイクの群れに阻まれて身動きが取れないタクシー。
が、一瞬の隙をみて逃げ出した。

「逃がすものか!」
転倒させられた兄ちゃんが走って追いかける。
でも所詮走りでは追いつけない・・・・

「チクショウ~!」
20mくらい走ったが、悔しそうに走るのを諦めた。
と、そこへ救いの手が。
「俺の後ろに乗れ!」
誰かがバイクを止め後部座席に乗るよう顔で指示する。
「ありがとよ!恩に着るぜ。」
兄ちゃんはそれに跨ると、逃走タクシーを追っかけていったのだった。

倒れたままになったバイクはどうするの?
そう思っていたら、
同乗者の彼女が果敢にもバイクを立て直し、
彼を追っかけて走り出したのだった。
(会話文はもちろんtenchanの妄想♪)


一連の出来事を眺めていた次男が、ポツリと言った。

「これはまさしく、国民総暴走族だな。」