原発再開を巡って、
九州電力内で賛成の意見を出すよう出回った、
いわゆるやらせメール問題。
今回に限ったことではなく、
こうした大きなプロジェクトが動く時は、
何らかの力が働いていたかもしれない、という疑惑を大いに窺わせた。
今から20年ほど前になるが、
長良川の河口堰が竣工される頃の話だ。
堰の建設に関しては、色んな方面から反対運動が行われていた。
新聞紙上では、毎日のように議論されていたような記憶がある。
そんなある日、
自治会から「河口堰建設賛成」の署名をするよう町内の回覧板が回ってきた。
「河口堰は治水、利水の観点から必要不可欠です。
私は建設に賛成します。」
確か、そんな文言だった気がする。
自治会の、それも町内単位で署名をするよう手を回すというのは、いかがなものか。
「反対」の立場の人でも、
近所の手前、「賛成」だと名前を書く人もきっといるだろう。
そうして集められた署名が「世論」としてまかり通っていくのかもしれない。
当時、結婚したばかりの私は、
判断に迷って義母にそれを見せた。
義母は町内の事に関しては義理堅い人だが、
その時ばかりは自分の信念を貫いた。
署名を集めに来た町内会の班長さんに、
「ゴメンナサイ、うちは親戚に漁業組合の人がいて、
河口堰には反対なの。」
そう言って、あっさりと断ってしまった。
義母の清々しい態度に、心晴れる思いがした。
そうはいっても、
一度決まったら後へは引けないのが公共事業というもの。
ご存じの通り河口堰は、
賛成派に押し切られる形で、
建設は押し進められ、今に至る。
アユ漁を楽しむ伯父の話によると、
ここ十数年の間に、確実にアユは捕れなくなったということだ。
河口堰に関して、賛成のお立場の人がいらっしゃるかもしれませんが、
あくまでも、私個人の見解として書きました。
不快に思われた方にはお詫び申し上げます。
九州電力内で賛成の意見を出すよう出回った、
いわゆるやらせメール問題。
今回に限ったことではなく、
こうした大きなプロジェクトが動く時は、
何らかの力が働いていたかもしれない、という疑惑を大いに窺わせた。
今から20年ほど前になるが、
長良川の河口堰が竣工される頃の話だ。
堰の建設に関しては、色んな方面から反対運動が行われていた。
新聞紙上では、毎日のように議論されていたような記憶がある。
そんなある日、
自治会から「河口堰建設賛成」の署名をするよう町内の回覧板が回ってきた。
「河口堰は治水、利水の観点から必要不可欠です。
私は建設に賛成します。」
確か、そんな文言だった気がする。
自治会の、それも町内単位で署名をするよう手を回すというのは、いかがなものか。
「反対」の立場の人でも、
近所の手前、「賛成」だと名前を書く人もきっといるだろう。
そうして集められた署名が「世論」としてまかり通っていくのかもしれない。
当時、結婚したばかりの私は、
判断に迷って義母にそれを見せた。
義母は町内の事に関しては義理堅い人だが、
その時ばかりは自分の信念を貫いた。
署名を集めに来た町内会の班長さんに、
「ゴメンナサイ、うちは親戚に漁業組合の人がいて、
河口堰には反対なの。」
そう言って、あっさりと断ってしまった。
義母の清々しい態度に、心晴れる思いがした。
そうはいっても、
一度決まったら後へは引けないのが公共事業というもの。
ご存じの通り河口堰は、
賛成派に押し切られる形で、
建設は押し進められ、今に至る。
アユ漁を楽しむ伯父の話によると、
ここ十数年の間に、確実にアユは捕れなくなったということだ。
河口堰に関して、賛成のお立場の人がいらっしゃるかもしれませんが、
あくまでも、私個人の見解として書きました。
不快に思われた方にはお詫び申し上げます。