↑これ、
うちの長男が書いた字。
なんて書いてあるかって?
一応
「入試」
なのだそうだ。
入試関連の資料ファイルにマーカーペンで書いたのだ。
が、しっかり書き間違えている・・・・・(汗)
多分、右側の「式」のほうを書く時に、
戈(ほこ、ほこづくり)みたいに斜めの線を入れ、
入れてから、「あっ、違う。」と気が付き、
更に斜線で消したのだと思われる。
「試」は小学4年生で習う漢字。
小4から中2までロンドンで過ごした長男にとって
この時期のものは苦手なようだ。
義務教育の半分をロンドンで過ごした長男は
国語力が弱い。
特に漢字は苦手で、
彼の書いた文章を見ると、ひらがなが多くてまるで小学生が書いたようだ。
得意な数学では、実に美しい答案を書く事が出来るのに、
このアンバランスさは非常に口惜しい。
やはり、4年の海外生活が
国語力を衰えさせたのは間違いない。
駐在時代に、「海外子女教育」という雑誌が毎月配布された。
海外における子供の教育について、様々な方面からのレポートが掲載されているのだ。
日本語学校では、家庭では、こんな取組をしている。
こんなことをして日本語の力をキープし、
且つ、現地の言葉もマスターして、
今は、それらを生かす仕事に就いている。
そんな素晴らしいお子様達の姿が
毎月報告されるのだ。
だが、我が息子達、
けっしてそんな理想通りには動いてくれなかった。
だいたい、読書が嫌いで
読む本と言えば、唯一「ハリーポッター」。
あとは、ゲームの攻略本か、「まんが日本の歴史」がいいところだった。
日本語学校の補習校では、国語の授業しかやらなかったので
わざわざ進研ゼミのチャレンジを取り寄せて
「赤ペン先生」の通信教育もさせてみた。
次男はコツコツタイプだったので、ちゃんとやり、
ポイントシールを集めて、好きな景品をゲットしたりしていたが、
長男は大ざっぱな性格なので、
「俺には合わない。」と一蹴。
冊子の問題はやらずに、提出問題だけペラっとやるだけ。
それも、2,3ヶ月遅れて出していた。
海外子女教育の中にでてくる子ども達と
うちの子はこんなにも違っている。
英語だって、そんなに分かっているようには見えないし、
日本語だって怪しくなってきている。
このままだと、
英語も日本語もできない宇宙人のような日本人になって、
帰国しなくてはならない。
親が焦れば焦るほど、
子供は意固地になって反抗する。
まさに八方塞がりだった。
長男の高校受験を機に、夫を残し一足帰国したが、
帰ってからもまた、大変な日々が待っていた。
一番苦労したのは、4年間サボりまくっていた長男だった。
日本の学校生活の習慣を、ほぼ忘れていた。
黒板に書かれたことを、ノートに書き写すことを知らなかった。
「予習」って何?と、友達に聞いて絶句された。
配られたプリントをノートに貼ること。
授業中に発言するのはいいが、友達とおしゃべりすることはいけないこと。
日本にいた頃は自然に出来ていたことが、
4年の海外生活で身に付かなくなっていた。
一つ壁にぶち当たると、「何故?」という疑問が生まれ、
「そんな無駄なこと!」と反抗心をむき出しにする。
日常のあらゆる場面で、ストレスが溜まっていった。
一番きつかったのは、
何事にも「提出期限」というものがあり、
それを一日でも過ぎると、「未提出」と見なされてしまうことだった。
イギリスで「すみません~遅れました。」
と、レポートを遅く出す常習犯だった彼にとって、
これは、相当大変だったに違いない。
そんな不満のはけ口を、母親や弟に向け、
毎日喧嘩が絶えなかった。
たまに、父親から電話がかかると、
直立不動で
「はい、はい、すみませんでした。はい、わかりました。」
と、その場は大人しくなる。
が、2,3日もすると、また荒れるのだ。
私自身、
子供を信じてやりたい気持ちと、
投げやりの気持ちとの間をを行ったり来たりしていた。
無事に高校に入学が決まり、
自分の居場所を見つけた長男は、
荒れ狂っていた日々が嘘のように穏やかになり
こちら側に戻ってきた。
しかし、国語力は相変わらずだ。
理系の父親の血を引いて
そちらはどんどん力を伸ばしていっているのに・・・・
書き損ないの「試」の字を見て
日本語を一番覚える時期に、外国で過ごさせてしまったことを
本当に申し訳なく思った。
涙でぼやける「試」の文字が
なんだか「誠」に見えてくる、母なのであった。
うちの長男が書いた字。
なんて書いてあるかって?
一応
「入試」
なのだそうだ。
入試関連の資料ファイルにマーカーペンで書いたのだ。
が、しっかり書き間違えている・・・・・(汗)
多分、右側の「式」のほうを書く時に、
戈(ほこ、ほこづくり)みたいに斜めの線を入れ、
入れてから、「あっ、違う。」と気が付き、
更に斜線で消したのだと思われる。
「試」は小学4年生で習う漢字。
小4から中2までロンドンで過ごした長男にとって
この時期のものは苦手なようだ。
義務教育の半分をロンドンで過ごした長男は
国語力が弱い。
特に漢字は苦手で、
彼の書いた文章を見ると、ひらがなが多くてまるで小学生が書いたようだ。
得意な数学では、実に美しい答案を書く事が出来るのに、
このアンバランスさは非常に口惜しい。
やはり、4年の海外生活が
国語力を衰えさせたのは間違いない。
駐在時代に、「海外子女教育」という雑誌が毎月配布された。
海外における子供の教育について、様々な方面からのレポートが掲載されているのだ。
日本語学校では、家庭では、こんな取組をしている。
こんなことをして日本語の力をキープし、
且つ、現地の言葉もマスターして、
今は、それらを生かす仕事に就いている。
そんな素晴らしいお子様達の姿が
毎月報告されるのだ。
だが、我が息子達、
けっしてそんな理想通りには動いてくれなかった。
だいたい、読書が嫌いで
読む本と言えば、唯一「ハリーポッター」。
あとは、ゲームの攻略本か、「まんが日本の歴史」がいいところだった。
日本語学校の補習校では、国語の授業しかやらなかったので
わざわざ進研ゼミのチャレンジを取り寄せて
「赤ペン先生」の通信教育もさせてみた。
次男はコツコツタイプだったので、ちゃんとやり、
ポイントシールを集めて、好きな景品をゲットしたりしていたが、
長男は大ざっぱな性格なので、
「俺には合わない。」と一蹴。
冊子の問題はやらずに、提出問題だけペラっとやるだけ。
それも、2,3ヶ月遅れて出していた。
海外子女教育の中にでてくる子ども達と
うちの子はこんなにも違っている。
英語だって、そんなに分かっているようには見えないし、
日本語だって怪しくなってきている。
このままだと、
英語も日本語もできない宇宙人のような日本人になって、
帰国しなくてはならない。
親が焦れば焦るほど、
子供は意固地になって反抗する。
まさに八方塞がりだった。
長男の高校受験を機に、夫を残し一足帰国したが、
帰ってからもまた、大変な日々が待っていた。
一番苦労したのは、4年間サボりまくっていた長男だった。
日本の学校生活の習慣を、ほぼ忘れていた。
黒板に書かれたことを、ノートに書き写すことを知らなかった。
「予習」って何?と、友達に聞いて絶句された。
配られたプリントをノートに貼ること。
授業中に発言するのはいいが、友達とおしゃべりすることはいけないこと。
日本にいた頃は自然に出来ていたことが、
4年の海外生活で身に付かなくなっていた。
一つ壁にぶち当たると、「何故?」という疑問が生まれ、
「そんな無駄なこと!」と反抗心をむき出しにする。
日常のあらゆる場面で、ストレスが溜まっていった。
一番きつかったのは、
何事にも「提出期限」というものがあり、
それを一日でも過ぎると、「未提出」と見なされてしまうことだった。
イギリスで「すみません~遅れました。」
と、レポートを遅く出す常習犯だった彼にとって、
これは、相当大変だったに違いない。
そんな不満のはけ口を、母親や弟に向け、
毎日喧嘩が絶えなかった。
たまに、父親から電話がかかると、
直立不動で
「はい、はい、すみませんでした。はい、わかりました。」
と、その場は大人しくなる。
が、2,3日もすると、また荒れるのだ。
私自身、
子供を信じてやりたい気持ちと、
投げやりの気持ちとの間をを行ったり来たりしていた。
無事に高校に入学が決まり、
自分の居場所を見つけた長男は、
荒れ狂っていた日々が嘘のように穏やかになり
こちら側に戻ってきた。
しかし、国語力は相変わらずだ。
理系の父親の血を引いて
そちらはどんどん力を伸ばしていっているのに・・・・
書き損ないの「試」の字を見て
日本語を一番覚える時期に、外国で過ごさせてしまったことを
本当に申し訳なく思った。
涙でぼやける「試」の文字が
なんだか「誠」に見えてくる、母なのであった。