馥郁 ( ふくいく )

2012-04-23 | 日記

               

6月1日からの 「 西脇展 」 案内状 ( 裏 ) のデザイン。終日かかりきりだったから、市内を流れる福島江の桜並木は、春のほそい雨に濡れて満開になっていた。 「 馥郁タル火夫ヨ 」 の文字は西脇本人、鋭角の眼をしたニヒルな少年のポートレートのデッサンは西脇マージョリー ( 当時の西脇夫人にして画家 ) 。詩は “ コリコスの歌 ” から二行を抜粋したもの、つまり 「 浮き上がれミユウズよ。汝は最近あまり深くポエジイの中にもぐつてゐる 」 。


しつらえ

2012-04-22 | 日記

                 

昨日から始まった、京都在住の陶芸家・清水善行 ( 1966生 ) さんの個展での設えです。文語体のような李朝陶器を思わせる造形にもかかわらず、カジュアルな口語体のような柔らかさを感じさせている。あるいは、主役ではない助演的造形とでもいうのだろうか、例えばこの花器は 「 花あるもの 」 をより一層引き立てる。器は水を湛えてあらゆる色彩を映すだろう。春の花を映す湖水のような作品です。ご本人にもお会いできてよかったし、ギターの弾き語りのブルースは哀しいけど、実に陶芸家はエンターティナーでもあった。

 「 清水善行作陶展 」 2012年4月21日(土)-4月29日(日) ギャラリー mu-an にて


柿川は昼の桜花や夜の花

2012-04-21 | 日記

       

                       柿川のほとりに咲く桜

          

                           昼の桜花 

         

                            夜の花   

荷風著 『 断腸亭日乗 』 昭和9 ( 1934 ) 年4月20日の項より、

「 晴れて風あり。鄰園の落花紛ゝとしてわが庭に飛び来る。楓 ( かえで ) どうだん青木等の若芽既に舒 ( の ) び、扇骨木 ( かなめ ) の落葉狼藉たり。暮春の情味漸く深し。終日 『 折焚柴 ( おりたくしば ) 』 をよむ。 … 空俄にかきくもり大粒の雨ふりそそぐこと一時間あまり、燈刻に至りて晴れ、片割月 ( かたわれづき ) 中空に浮び出づ。霊南阪下のあめりか屋にて夕餉を食し直に帰る。夜半過ぎてより大に雨ふる。 」

 


ラスクのパッケージデザイン

2012-04-20 | 日記

             

             

             

                 東京みやげの “ ケーキラスク ” は熱い紅茶でいただく。

TOKYO OMOTESANDO CAKE RUSK のロゴデザインが気に入ったことと、赤と白のナイロンの光沢が都会的な感じがして、バーチャルな “ OMOTESANDO ” を思わせる。 デザインにはどこかイメージとしての都会、幻想としてのライフスタイルがある。憩いのひと時、ダージリン・ティーをいただきながら “ TOKYO ” に浸る。


ポエジー

2012-04-19 | 日記

詩には内面世界と外面世界がある。前者をポエジーと呼び、後者を単に詩作する、ということにする。ポエジーは精神世界を意識させ、いつも冷静な熱情を身につけている。そして詩作の目的は 「 新しい関係 」 を発見することにある。ボードレール、ランボー、マラルメ はこの 「 新しい関係 」 の発見に人生を掛けたのである。この 「 新しい関係 」 のことを、俗に 「 芸術 」 とか 「 美 」 という。この 「 新しい関係 」 を発見する頭脳の力を想像力という。哲学者フランシス・ベーコンはこの想像力のことを 「 自然が離しているものを結び、自然が結んでいるものを離す力のことだ 」 という。というようなことを、僕は西脇の著作で知った。

今年、西脇が逝って30年になります。長岡駅前の画廊 「 アート四季 」 にて、6月1日から10日まで 『 没後30年 西脇順三郎展 』 をプランしています。