絵が誘惑する

2018-03-11 | 日記

      

3月に入ってから割と穏やかな日が続いている。今朝、廊下にかかるいつも見ている絵がなんとなく目に留まった。毎日目に入っている絵だが、ただ目に入っているだけで、気にはしていないから、絵だということも忘れて、忘れていることさえ忘れていて、だだ壁にかかっているのである。だから今日はなぜかこの花の絵が目に留まってしまったから、見ていると、額も古臭いのであるが、でもこういう古臭さもいいものだ、ということが今日の僕の朝の気分だったのである。古色にまぶされたひなげしの絵が、廊下にただよう新鮮な朝の光の靄に包まれて、息づいている。まわりの空気を深呼吸した絵が思わぬ表情を見せて、僕を誘惑したのである。僕はそういう絵に誘惑されたいと思う。