水田と赤い屋根

2015-07-04 | 日記

    

山に囲まれた集落は午後七時前だというのに、未だこんな明るさである。段々になっている水田は、今は緑が大変きれいである。僕の家の屋根も、画面左奥に小さく見えている。刈谷田川に沿って走る県道の奥は行き止まりで、守門岳が控えている。緑の中には赤い屋根が映える。水の中では稲が育っている。風が出て来て、もうじき夜が来て僕は眠る。僕は眠りの中で、青い線の入った麦藁帽子を失うだろう。止めた車のフロントガラスに、空から白い糞が落とされた。乾いた道路に人影はない。故郷の谷間にもうじき夏が来る。

           失いし麦わら帽子青き空眠りの中に川は流れる