塗られた花嫁、のようなもの。

2013-04-28 | 日記

                        

               “ 「 この世の果てまで、そばにいて 」 と、歌う歌手がいて、

                 今日の庭は、風が冷たいのである。”

                         土手の桜が散って、花びらが夜の川面を流れて行く。

                 清らかな夜のヴァージニティ!

 

                 花は盛りに 月は隈なきをのみ 見るものかは。

                 雨に対(むか)ひて月を恋い

                 垂れこめて春の行衛(ゆくへ)知らぬも 

                 なほ あはれに情深し。   ( 『 徒然草 第137段 』 より )

                

                 盛りばかりではない、満月ばかりではない。

                 雨の日にも月の光を思う。去り逝く春の日。

                 散りゆくもの、欠けゆくもの、遠く霞むもの。

                 自然の純潔性は悲しきもの、美しきもの。

                 あるいは人もまた。