人生アラカルト

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真夜中のカミナリ狂騒曲

2015-11-11 22:12:09 | 80はミステリーゾーン
今夜は「墓標のある地下ハウス」の定期演奏会だ。

集まるのは、音楽家を主に10人。

会員は40人いるのだが、予告された演奏曲目を見て
ほとんどの人が敬遠し、欠席した。


(^^♪

雷神作曲「狂騒曲 カミナリ」

演奏楽器:パイプオルガン 雷付き 
演奏時間:32分

ご注意 直接耳で演奏を聞くと、難聴になる恐れが
    ありますから、防音用イヤホーンを装着し
    ていただきます。


来場者たちは、山頂の入口で自分のパスワードの音を
鳴らして次々エレベータで降りてくる。

演奏会場はb6の部屋である。
舞台は客席と同じ高さで、パイプオルガンの鍵盤を真
ん中に配置。パイプは隠してある。
客席はゆったりしたソファ。

10人目の会員が座ると、開演時間。
ヘルメットをかぶった演奏者が黒いガウンを着て登場。
もちろんイヤホーンを装着している。




ベートーベン作曲交響曲第6番「田園」の冒頭の部分が
演奏される。

なんだ田園を演奏するのかと思っていると、いきなり
『ガ、ガーン、ドシーン』と雷が落ちる音。

その音が尋常でない。客席の一人が失神した。
田園にだまされてイヤホーンを外したらしい。

大音響を出しても外に漏れることはない。
地下深く音楽室を作ったわけである。

演奏者は古都・京都に雷の群れを連れてきて、次々
落とす。

イヤホーンがなくても振動付きだから、迫力十分。
全曲終わると、客席の誰一人立ち上がれなかった。

最後に演奏者が椅子から立ち上がると、笑みを浮かべ
ながらお辞儀した。

(うなるほど金があったら続き)