近藤誠先生の「患者よ、がんと闘うな」が出たのは1997年。
沢山の医者を敵に回すような題名の本はたちまち11版まで
刷り上げた。私も買った。
近藤先生は乳房温存療法のパイオニアとして知られ、また
は抗がん剤の毒性を訴え続け、2012年なんとに菊池寛賞
を受賞した。
なんと、と思わずもらしたわけは「そんなことまで言い切ってよ
いの?」 と驚きに満ちた内容だからだ。
「医者に殺されない47の心得」に至っては23刷、100万部
を超えいまもばりばり売れている。
私自身20年前に初めての胃がんを手術しているから、「がん
と闘うな」は大いに参考になった。なかで、〈抗がん剤は効か
ない〉との説明には大変驚いたが、実際にそうかもと思った。
言葉として、注目を集めたのは、《がんもどき》という偽のがん
の指摘。本当のがんは転移しているのだという。 だから、手
術や抗がん剤治療は無意味なんだとか。
私は2年半前に内視鏡による手術で、食道がんと胃がんを取
り除いてもらっているので、近藤先生のいうことを、鵜呑みに
している訳でない。ただし、術後2年半しか経っていないので、
手術がうまくいったかどうかは結論をだすには早いのだろうか。
私が影響を受けたことは血圧問題だ。
フィンランドで、75歳から85歳までの「高圧剤を飲まない」人
達の調査で最高血圧が180以上の生存率が最も高かった。
140を切った人たちの生存率が低かった、という説明には
我が国の療法と随分違っているので、ぐらついた。
しかし、いまはお医者さんのいう通り、薬で血圧を下げている。
「47の心得」は228ページで、あっと言う間に読み切れる。