天気予報の「晴れ」を信じて未明に出発、現地で夜明けを待ちながら、日の出を待つ時間の長いこと。ようやく視界が利き、水平線が見えても、雲に朝日がさえぎられ、一番ベストの光の時間は闇の中となる。あの歯痒い思い。そしてもう来年までは待てない、そんな気持ちにさせられ、空を仰ぎながら明日も来ようと決断する時のやり切れぬ思い。こんな悔しさの連続は、アントンKを随分大人にしてくれた。世の中思い通りにならないことの方が多いことも、体験から学んだようだ。
季節を選んで、そして晴れるだろう日を選んで出かけた日々が懐かしい。昔から思えば、随分と大人しくなってしまったが、これは決して被写体が原因ではないと思っている。自分自身の心の問題。撮りたい気持ちが今一つ盛り上がらないでいる。もちろん昨今のコロナが原因でもあるが、音楽鑑賞すら見通せない時代だからか、全て相乗した気持ちなのだろう。何も考えず、趣味に没頭できた幸せな日々。今、どんな時間が大切に思えるのか、一度じっくり考えてみたい。
何度か通って、何とか日の出から好天に恵まれた日のEF65PFによるフレートライナー。「出雲」「瀬戸」「あさかぜ」といった夜行列車の合間にやってくる貨物列車たち。この時代、今の主力であるEF210はデビューしておらず、まだ国鉄時代を引きずっていた時代。鉄道の魅力もこぼれるほどあったと言えるかもしれない。
1991-09-07 EF651036 JR東日本/東海道本線:小田原付近
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