アントンK「趣味の履歴簿」

趣味としている音楽・鉄道を中心に気ままに綴る独断と偏見のブログです。

峠を越える夜行列車の魅力

2019-08-27 19:00:00 | 国鉄時代(モノクロ)

前出の碓氷峠のロクサンや阿武隈越えのED75重連など、厳しい鉄路を往く列車たちは、昔からアントンKに生きる力を与え、勇気づけられてきた存在だった。列車に揺られて峠道を行くとき、喘ぎながら黙々と走る列車に理由なく感動し、列車そのものを自分自身に置き換えて人生の道しるべとしていた。モーター音に励まされ、ジョイント音に癒されてきたのだ。

上越線の三国峠もその一つ。清水トンネルを頂点としたこの区間は、大きく迂回しループ線を使いながら高度をかせぐ。この区間は、当時専用機関車EF16が君臨しており、電車以外のおおかたの列車には補機として、その姿を見ることが出来た。雪景色ばかり発表されることの多い上越線だが、夏場の山深い風土も魅力に富んでいて好きな線区だった。現状、列車は変われど、線区やそれにまつわる景色は昔のまま残存しているだろうから、機会を見つけて行ってみたいが、何かきっかけを見出したいところ。

EF16が現役の時代には、「鳥海」「能登」「北陸」「天の川」という夜行列車がこの峠を毎日越えていた。今から思えば隔世の感だが、当時のEF58とEF16との重連は、この区間の最大の魅力と言ってもいいから、よくその夜行列車の撮影に出向いたもの。今回は夏場に水上で撮影した画像を掲載しておく。EF16というと、福米時代の面影を持つ11号機12号機が一番のお気に入りだったが、現代のように運用など把握することもなく、ただ来た列車にカメラを向けて無心で撮影していた時代。何とEF16の代わりにEF15のご登場となった。今こうしてこの画像を観ていると、しばし休息後の発車シーンが、音とともに不思議と蘇ってくる。これは20系化後の急行「天の川」だが、暗闇に消えていく20系を見送った時、心底感動したことを思い出している。

1980-07-26   803ㇾ EF1576+EF58175   天の川   上越線:水上にて