DIYの父

父は何か一生懸命に作っているのです。
「なんだ、この台は。」と、思いながら、尋ねることもしませんでした。

そして、出来上がりました。
それは、父のデスクです。
父は、机を買わずに、自分で作ってしまいました。
でも、かなり背が高いのです。
きっと、銅が長いのでしょう。
しかし、家具の間にちゃんとはまって、無駄のない大きさになっています。

この間、動物病院に行ったんです。
その時、医者が、「犬のために食べ物の皿を床に置かず、ちゃんと食べやすい高さの台においてやってください。」と、言うのです。
台を買うにもお金がいります。
それなら、父に頼んで台を作ってもらうことも考え中。
まだ、長生きする犬なんで、台は必要です。

何でも作ってしまう父は、ほんとDIYが得意なんです。
「もっといい大工道具があれば、言うことない。」と、大工道具を欲しがっているのですが、持っているのこぎりや、金づちでいいので、犬の台を作ってやってほしいのです。
多分、父がこの世にいなくなったら、もう大工道具を使う人がいなくなります。
いい大工道具があっても使う人がいないのでは、もったいない。

父がいなくなったら、父のデスクは私が使います。
机の高さは合わないかもしれませんが、部屋にマッチしたものなんで、きっといいでしょう。
DIYが得意な人は、本当にうらやましい。
でも、家が傷だらけになってしまうのは考えものです。