内田樹さんの本を何冊か読んでいるので期待をして手にしたのですが、すこし哲学っぽいので読み終わるのに時間がかかる手ごわい内容でした。
この中で印象に残ったのはある集団(若い人たち?)がいう「やりがいのある仕事」という言葉の意味についてでした。
1.「その労苦からもたらされる利得を、優先的・排他的に自分ひとりで受益できる仕事」
2.「クリエイティブで自己決定・自己責任が貫徹していて努力の結果を誰ともシェアせず独占できる仕事」
このような仕事を「やりがいのある仕事」と認識しているのだそうです。
それに対して内田さんは、仕事のほとんどは集団の営為であって利益は分配されるとともにリスクもヘッジされる。
人間的労働は集団的に行われることで効率を高め、クラッシュを回避している。
私たちが労働するのは自己実現のためでも、適正な評価を得るためでも、クリエイティブであるためでもない、「生き延びるためである」と言っています。
内田さんの考えに「そのとおり!」とは同意できませんが、「やりがいのある仕事」をしたいという社員の希望をいつも念頭においているだけに少し考えさせられました。
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