製品だけでなくあらゆる物、サービスを提供する日本メーカーが考える最重要項目には品質管理が大きな存在として入っています。
いわゆる不良品、故障率などを徹底的に排除しようとするもので、日本人の価値観からするとしごく真っ当な目標であり、それでこそ信用を勝ち取る手段だと思ってしまうのです。
したがってメーカーといわれるところでは品質管理部門の権限が限りなく大きく、たとえばデザイン部門などが主張しても品質管理がダメだと言えばデザインを変更させられるのは日常茶飯事なのです。
ですからデザイナーが素晴らしく尖ったデザインをしても、製造工程で支障がないようにデザインを丸めてしまうので、市場に出る製品には魅力的なデザインのものが少ないのです。
その点、世界の競合メーカーではデザイン重視の製品が市場に提供されますので、ますます日本メーカーの競争力が失われてしまっているのが現状なのです。
この点を変えようとしても、永年製造をする上で築き上げてきたシステムだけに変えることが最も難しいと誰もが言います。