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問題解決ガイドのひとりごと。



世界中の翻訳会社が使っているものに翻訳支援ソフトというものがあります。

20年以上も前に登場したころには画期的なソフトとして取り上げられていましたが、従来からの翻訳者の中には毛嫌いをして絶対使わないと豪語していた人も多かったように覚えています。

彼らの言い分によると「あんな道具を使うと品質の良い翻訳など絶対に出来ない。」というものでした。

ところが経験の少ない翻訳者にとっては便利で使いやすいソフトと認識されていき、いつの間にか古い翻訳者=使わない、若い翻訳者=積極的に使う という構図になり、翻訳者そのものが自然に入れ替わっていくという事象をもたらしました。

もちろん、このソフトは便利である反面、翻訳品質はある程度のものしか期待できないという側面を持っています。

しかし翻訳の価格を低く抑えるためには、このソフトを使うことが必須でしたからいつの間にかメジャーな存在となり、今では無くてはならないものになっています。

このソフトを使う過程で翻訳メモリーが自然に蓄積されるのですが、このメモリーに価値があると思っている人もたくさんいます。

このような環境をあらためて見て、「そんなに翻訳支援ソフトは重要なツールですか?翻訳メモリーには本当に価値があるのですか?」と問いかけてみたい気がします。

もっと大事なものを忘れていませんか?と。



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