小泉構造改革の立役者であった竹中平蔵氏。
その竹中平蔵氏と寄り添うような実行部隊の中心人物が木村剛氏。
日本の金融界が、バブル崩壊後多額の不良債権を抱え、金融機関の役割を果たすことできずにいる事態を強引な手法で改革と称して実行していったことは忘れられません。
そんな中でUFJ銀行が消滅、りそな銀行が国有化、ダイエーなどは産業再生機構に持ち込まれるなど、そうとう荒っぽいことが起こったのです。
竹中プランとして目標に掲げた不良債権比率半減の数値目標は達成されましたが、そのあおりをくって消滅していった企業が数多くありました。
ところが、実行部隊の中心人物であった木村剛氏が、その直後に日本振興銀行を立上げたことに、疑問を持った人も多かったはずです。
そして残念なことに事業は挫折し、あげくのはてに逮捕までされたのです。
この本にはその顛末が書かれていますので、外部にいる私たちが何が起こったのかを詳しく知ることができます。
アラヤも一時期、日本振興銀行から融資の勧誘をしつこく受けていましたので、利用する気もありませんでしたが「ホッ!」としたのも正直なところです。
おとといの新聞に、日本振興銀行事件で逮捕された木村剛氏が仮釈放されたという記事がありました。
何か遠い昔に起こった事件のように感じますが、かかわりあった企業たちは現実問題として今も苦悩しているに違いありません。