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『CAN YOU CELEBRATE?』

またも唐突に音楽コラムです。

先月、著作権譲渡をめぐる5億円の詐欺容疑で逮捕された小室哲哉氏。
絶頂時の推定年収はなんと20億円!。豪奢な生活やロジャム(香港進出)の失敗がとりざたされる一方、「『小室サウンド』はもはや時代に飽きられた」という論調も目立つ。
んでも、ちょいまった。浪費や事業失敗はさておき、ほんとうに「時代に飽きられた」結果なのか・・・?

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小室氏が絶頂期にあった'97年、ひとつの曲が産み落とされた。
安室奈美恵が唱ったその曲は、複雑きわまりない大作で、そのうえとてつもない難曲だった。
にもかかわらず、その曲は売り上げ、カラオケランキングともに数々の記録を打ち立て、紅白ではダントツの瞬間最高視聴率を記録した。

その曲の名は『CAN YOU CELEBRATE?』。
あえて誤解をおそれずにいうと、この曲は日本のPOP史上、ほとんど最高至上の名曲で、『島唄』とともに世界に通用する力をもっている数すくない曲だと思う。(ただし歌詞はべつ^^;)

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イントロの♪Can you celebrate? Can you kiss me tonight? ♪というサビメロはまだかわいい。
♪Lalalala..lala..♪というブリッジ ~ ♪永く...永く...いつも♪というあたりは簡単に流せそうだが、声に艶&キレがないとほとんどお経と化してしまう ^^)クセモノパートだ。
♪失ってまた探して♪の「探し~て~」あたりのメロにいたっては、ふつうの感覚じゃつかわないわな~。でも、このあたりが小室氏の才能の真骨頂だと思う。

後半はさらにすごい。
♪甘く切ない 若くて幼い♪からラストにかけて、圧倒的声量が要求されるうえにほとんど休みどころがない。
さらに♪(Can you hold me tight?)♪のところでキーがあがる転調がキツい追い打ち。
ま~並の力量のシンガーだったら、♪二人きりだね 今夜からはどうぞよろしくね♪というところでふつうに力尽きるわな(笑)

抜群の実力をもつ安室でさえ、こんな↓感じだから・・・。


曲の構成はPOPというよりむしろプログレ的で、どうみてもこれはトーシロの手に負える曲じゃない・・・。
こんなシンガー泣かせの難曲が、当時カラオケでバリバリに歌われていたというのはある意味驚異だ。('97オリコン年間カラオケリクエスト回数1位)

こんなむずかしい曲がいまなお歌い継がれ、結婚式ソングの定番となっているのは、歌うもの聴くものの魂を揺さぶらずにはおかない、すばらしいメロディと存在感をもっているからだと思う。(じっさい、安室奈美恵はなんどかcrying performanceを展開している。)
この曲は、時代に飽きられる、とか、時代に合わない、とか、そういった次元を完璧に超越していて、小室氏のたぐいまれな才能を如実に物語っている。

crying performance-1


crying performance-2


(おまけ)韓国語Vers.
Seo Yeon - Can you celebrate?


'98年以降、人気の下降とともに楽曲の質も低下していくのだが(事業立て直しなど音楽以外のゴタゴタで、まともに作曲できる環境じゃなかったのだと思う)、やはり小室氏の才能はただごとではない。
罪は罪としてきっちり償って、心機一転、すばらしい曲をふたたび世に送り出してほしい。

2020/09/10 追記
でもね~、見事に歌いこなした子、いるのよね~ ↓

熊田このは 『CAN YOU CELEBRATE?』 MSP 11Feb2018


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